新しい学力観の下での指導法は、教科学習でも、探究活動でも、各地で試行と工夫が重ねられて大きく進んできたようです。授業公開や成果発表をお訪ねするたびに、様々な新しい取り組みに心躍ります。
しかしながら、新しい学びに応じた評価方法はというと、指導法の改善ほどには改善の議論も行動も進んでいないようにも感じます。
きちんとした評価ができなければ、目標達成に向けた軌道の修正もできませんし、指導計画の継続的改善も図れないはずです。
2018/11/18 公開のまとめページを再アップデートしました。
どんな道程を辿って目標に導くかは「地図」に相当するカリキュラムや指導計画に描き出されていたとしても、今どこにいるかを知るすべ(=評価)がなければ、これからどう進めば良いか判断がつきません。
学習を通じた知識や理解の獲得と、それらが生きて働いているかを試す考査問題の改善も着実に歩を進める一方で、他の評価方法についても、その開発と導入に加え、機能的な運用、継続的な改善が必要です。
ポートフォリオやルーブリックの整備、及びそれらを使った振り返りとメタ認知の向上についてこれまでに起こした拙稿をまとめてみました。
1.ポートフォリオを用いる評価と指導
・ポートフォリオの円滑な導入と効果的な活用に向けて
・ポートフォリオに何を記録し、どう活用するか
・探究活動と進路指導でポートフォリオに残すログ
・体験のたびに感じたことをしっかり考え、言語化&記録
・指導方法の効果測定#3 ポートフォリオの記録を利用
2.ルーブリックを用いる観点別評価
・学習者としての成長を促す”活動評価”と”振り返り”(まとめ)
・ルーブリック評価の作成と運用
・副作用を抑え、効能を最大化するルーブリック評価の運用
・学びの方策、進路意識の形成過程における効果測定
3.自己評価/相互評価を通じて形成するメタ認知
・振り返りと行動変容(まとめページ) New!
・評価スキルの獲得とメタ認知の向上~思考・表現力を養う
・生徒は「振り返り」を効果的に行えているか New!
cf. メタ認知、適応的学習力
・進歩を止めさせない自己評価の在り方
・自己評価、相互評価を行わせるときの工夫
・言語化を通じて育む「振り返りのための相対化スキル」
4.変化量(指導前後の差)に着目して行う評価
・どこにスケールを当てて学びの成果を測るか
・共有すべきは付加価値の大きな指導
・最初の答えと作り直した答えの差分=学びの成果
・頑張りをきちんと評価する~学びの意欲向上のために
5.振り返りが学びにもたらすもの
・振り返りを通じた成果のたな卸しと次への目標設定
・書くことと振り返りが学力を伸ばす
・勉強を好きにさせる学ばせ方
・振り返りを経てこそ次への課題形成
6. 主体性、多様性、協働性(学びに向かう力) New!
・主体的・対話的で深い学び~どこまで実現したか #1、#2
・多様性をどう評価するのか New!
・協働場面における個々の生徒の評価をどう行うか New!
・学びに向かう力/主体的な学習姿勢をどう評価するか
7.探究活動における評価
・探究のフェイズごとにきちんと評価&フィードバック
・探究型学習(課題研究等)の成果をどう測るか
・探究活動の効果測定アンケート
・良いものを選んで重点的に~探究活動の成果発表
・成果発表会は、指導を振り返る機会
cf. 高大接続改革では”探究活動”と”行動評価”にも注目
8.評価方法に関して(その他)
・評価規準は使いながらブラッシュアップ
・新しい評価の実行可能性を高めるための工夫
・先生も生徒も、評価者としてのトレーングを
・生徒は評価者としてどこまで成長しているか
・学習評価は多様なツールを組み合わせて多面的・総合的に
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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一