”期待する行動”を明確に打ち出す~生徒意識調査(2)
生徒意識調査の集計結果
問いをテーマに授業を考える(まとめページ)
どんな問いを立てて授業をデザインするか(学習活動を配列するか)で生徒がそこで学べるもの/獲得できるものはまったく違ってきます。新課程への移行で学力観が大きく変わった今、 「生徒に何を問い、何を考えさせるか」 「授業の中で問いをどう使うか」 は、改めてじっくりと考えてみる必要があるのではないでしょうか。こうした考え方に基づいてこれまでに起こしてきた拙稿を一覧にまとめてみました。お時間の許すときにご高…
学びの場での「問いの活かし方」
学びの過程で「問い」が担う役割は極めて大きいものです。「思考」は問いに触れて初めて発動するものであり、適切な問いが設定されないところでは、思考力を鍛えることも評価することもできません。深い(=思考を十分に掘り下げた)学びの実現にも、問いを重ねることが不可欠。「学びの深さ」はどれだけ問いを重ねたかで決まります。また、問いに触発されて不明の所在に気づかないことには、それを解消しようとの欲求も生まれず、…
学ぶ理由/自立した学習者
1 学び続けられる生徒を育てる 1.1 自ら学び続けられる生徒を育てる ・学習方策の獲得はどこまで進んでいるか ・目的意識をもって学びに取り組んでいるか ・生徒の興味・関心をどこまで育めたか1.2 全教科でコミットすべき能力・資質の涵養 ★ ・教科固有の知識・技能を学ぶ中で1.3 認知の網の広げ方~5教科7科目をきちんと学ばせる ★ ・5教科7科目に挑ませることの意味1.4 学びに向かう力/主体的…
情報の整理・構造化のやり方を板書で学ばせる
情報を整理・構造化する方法は、先人たちによって様々なものが生み出されてきました。それらを活用する場面は、日々の教室にも豊富です。インデントや段落記号で階層性を表現したり、表組でものごとの対応性を捉えさせたりする板書に加え、教材のページには、フローチャート、ベン図、概念地図といった多様なダイヤグラムが方々に登場します。これらについて考え方を身につけておけば、複雑な情報を整理したり、整理した結果を他者…
非言語情報を言語化する力
与えられた資料から読み取った情報をもとに、思考を重ねた結果を言語化/表現する力は、今後ますます多くの場面で求められますが、資料は言語によるものだけに限りません。グラフ、データテーブルなどの数値をもとにしたものもあれば、イラストや地図なども含めた、ありとあらゆるタイプのものがその対象になりえます。各教科の教科書でも、本文以外のパートから得られる情報は膨大。それらを材料に、「非言語情報」を効果的にハン…
認知の網の広げ方~5教科7科目をきちんと学ばせる
前稿「5教科7科目に挑ませることの意味」では、学ぶ科目を早くから絞らせず広くしっかり学ばせることの主たる意味を、「認知の網を広く偏りなく張らせること」と「各科目の内容を学ぶことを手段に獲得した能力・資質を汎用性のより高いものにすること」の2つに求めました。生徒にとって多くの科目を学ぶのは負担に感じるところも大きく、「直接的な必要性がないと思える科目」の勉強はつい手を抜いてしまいがちです。担当の科目…
5教科7科目に挑ませることの意味
国立大を「一般選抜」で志す受験生は、原則として5教科7科目(25年からは「情報」が加わって6教科8科目)を勉強しなければなりませんが、それ以外の生徒(大学に進学しない生徒も含めて)にも出来るだけ多くの科目を最後までしっかり勉強してもらいたいと考えます。進路希望実現のための要件を満たすだけなら、必要最小限の科目に絞って勉強する方が「得点力向上のコストパフォーマンス」は高くなるかもしれませんが、ことは…
明日と明後日、ブログをお休みします
当ブログをお読みいただき有難うございます。本日と明日(26日、27日)、ブログの更新をお休みいたします。お知らせが遅れ、申し訳ありません。休止中も、ブログの記事やホームページはいつも通りにご利用をいただけます。更新の再開は、週明けの月曜日を予定しております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。寒暖差が大きくなっておりますので、くれぐれもご自愛ください。 教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一
イノベーションをもたらす認知の網と偶然との出会い
新しく見聞きしたことを理解したり、そこに問題を発見したりするのは、もともと持っていた知識と新たな情報が接点を持ったということ。新たな情報が放り込まれたところの周辺に、既に蓄えられていた知識が待ち受けていないと、情報は接点を得ることなく素通りしていきます。既に知っていること/理解していることは、新しい情報を拾い上げるための「認知の網」として機能します。学びや体験の欠如で「網」が張られていない/穴が開…
改めて考えてみる「問いを立てる」ということ
このブログでもたびたび「問いを立てる」という言葉を使ってきましたが、改めてその意味するところを考えてみたいと思います。単純に「なんだろう」「どうなっているのだろう」と疑問や興味を持つ段階から、「疑問の正体を特定し、共有可能な表現でその本質を表現する」という過程を経てようやく「問いを立てる/起こす」に至ります。目の前の事物を注意深く観察したり、資料などを注意深く読んだりしないと、起点の「なんだろう」…
特色ある教育プログラムへの生徒の取り組み状況は?
年度の後半に入りますが、「特色ある教育活動」に対し、この春に入学した生徒は十分な熱意を持って取り組んでくれているでしょうか。意図するところを正しく理解しているか、きちんと取り組めているか、所期の成果が上がりつつあるかなど、この機に点検しておきましょう。もし、これらの観点でどこかに不足があるようなら、必要な補完を遅滞なく講じていかなければならないのは言うまでもないところ。指導の成果が着実に積みあがら…
特色ある教育プログラムに対する意欲と興味の維持
各地の学校で、意欲的な教育プログラムが創り上げられ、特色ある教育活動が行われています。現地をお訪ねし成果発表会を参観したり、指導の様子を拝見させていただいたりする中で、生徒の皆さんの熱心な取り組みや指導に当たる先生方の熱意と工夫に、こちらがワクワクを感じることがしばしばです。しかしながら、じっくり観察してみると、入学間もない1年生や2年生の一様な熱心さに比べて、3年、4年(高1)と学年が進むうちに…
学校評価、学校広報
教育内容の充実を伝えるにはエビデンスを
どの学校も、建学の精神や教育理念を時代の変化に合わせて再解釈しながら、新たなチャレンジを重ねています。何を目指して、どう取り組むかを伝え、「理解と共感」を得て学校を「選択」してもらうには、 という2つの要件を満たすことが不可欠です。日々の教育活動を推し進めるに当たり、ゴールの確認(見失わないこと)と、日々の進捗と改善課題を常に捉える現況把握/効果測定を怠らないようにしましょう。 2018/05/1…
学校評価アンケート~質問設計を通して校是の共有
学校評価アンケートは、主だった学校行事が終わる年度後半での実施が普通ですが、どんな評価項目を立て、どんな質問文で訊くかはできるだけ早い時期に検討を進め、教職員への周知を図るべきです。生徒や保護者にYESと答えてもらいたい質問文は、学校が教育活動を通して実現を図るべきことがらに外ならず、質問設計を通した「目指すべき到達状態」の確認と共有は、目線のあった指導を容易にします。いざ、学校評価アンケートを行…
満たせるところに期待を集める~良好な関係作りのために
様々なところで「学校と生徒・保護者の関係が変化してきている」と言われ始めたのはずいぶん昔のこと。生徒や保護者からの要求(≒学校への期待)は、多様で、かつてより強いものになっていると感じます。こうした「膨らみ続ける要求や期待」に学校がどこまでも応えきるのは現実的には不可能。生徒・保護者からの要求とその出処である「学校への期待」の所在を上手くコントロールしないと、本来学校が果たすべき役割を遂行するの難…