戸惑いを抑える、約束事と個々の指示

何らかの行動を指示したときに、生徒が期待通りの反応をとれないことがあります。原因は様々ですが、大別すると「何を求められているのか把握しかねている場合」と「指示に応える態勢が整っていない場合」の2通りがあります。これに加えて、取るべき行動はわかっており態勢も整っているにもかかわらず、周囲の様子を伺ってしまい行動を起こして良いものか躊躇している場合も少なくありません。 2015/05/27 公開の記事…

練習や作業のポイントを把握させる

練習や作業のポイントがしっかりわかっていれば、勘所をつかんだ効果的な取り組みが期待できます。他方、ポイントをつかめないまま無為に時間を費やしては、当然ながら学びの成果は上がらず、次のステップに進むレディネスも調いません。いかに簡潔にポイントを捉えさせて、練習・作業に十分な時間を残すかが先生方の腕の見せどころです。繰り返し言って聞かせるだけがその方法ではありません。生徒自身が気づき、それを言語化して…

講義・座学系の授業評価項目

生徒による授業評価アンケートが目的とするところは、改めて申し上げるまでもなく「より良い授業の実現」にほかなりません。この目的を達成する上で欠かせない「課題形成」と「改善行動の効果測定」の2つがアンケートによって提供される機能です。良い授業とは何か、その構成要素は何かは、常に問い続けなければならないことですが、授業評価アンケートの評価項目/質問設計を考えるのは、その問いに答えを作り出していく工程でも…

科目への意識姿勢~得意と答える生徒を増やす

同じ教材で同じ指導をしていても、得意・苦手の分布はクラスによって異なります。学習履歴の中で積まれた成功体験や獲得している学習方策によって感じ取り方が違うためです。得意寄りに分布が偏るクラスでは、より高度な課題を与えて達成感をより強固なものにする一方、苦手意識が優位なクラスでは課題のスモールステップ化や集団知の活用で成功体験を積み上げさせていきましょう。学習指導を重ねるうちに、この質問で「得意」と答…

科目を学ぶことへの目的意識/学ぶ理由

主体的、対話的な深い学びを構成する要素のうち、「主体性」にはその科目を学ぶことへの自分の理由を持っているかどうかが含まれます。学習方策が獲得できなければ学びは依存的に、学ぶ理由がなければ受動的になり、いずれも主体的な学びとは言えません。 ■関連記事: 目的意識をもって学びに取り組んでいるか前稿で取り上げた科目の学び方や取り組み方の獲得に加えて、振り返りを通じて見出した自分の課題や、科目を学ぶことの…

科目の学び方や取り組み方の獲得

主体的に学んでいると言えるには、生徒本人が「学ぶことへの自分の理由」を持っていることに加え、自ら学び進められるだけの学習方策を獲得している必要があります。誰かに教えてもらわなければ勉強が進められない状態はどこかで脱したいもの。自ら学び続けられる生徒を育てることは、数ある指導目標の中でも最も重要なものの一つです。 ■関連記事: 学習方策の獲得はどこまで進んでいるか【学習方策】 私は、この科目の学び方…

難易度の設定は負荷の感じ方を確かめながら

勉強に限らず、適正な負荷をかけることは能力や資質を伸ばす上で欠かせません。ある課題に対して正解を導けたとしても、楽々と達成した場合と、持てるものを総動員して達成した場合とでは、そこから得られる充足感も、その機会を通しての成長も大きく異なります。楽々とクリアできるようなハードルばかりでは、頑張りがいもありません。生徒が集中力を欠く原因にもなりそうです。負荷を適正な範囲(生徒が「やや難しい」と感じ、少…

授業を受けて実感する学力の向上や自分の進歩

当オフィスが監修する授業評価アンケートでは、「授業を受けて学力や技能の向上を実感できるか」という質問を「目的変数」に、それに対して有意な寄与がデータで確認されている項目群(目標理解や活用機会など)を説明変数に配することで質問を組んでいます。 授業評価アンケートの目的変数は「学力向上感」 日々の授業を通じて学力向上や自分の進歩を実感する生徒は、高い確率でその科目への興味や関心を深めるというデータ(下…

対話と協働による気づきと学びの深まり

授業内における学習者の活動性が高まることで、授業を受けて学力や技能の向上をより強く実感できたり、苦手意識の発生や増大を抑制できたりといった効果があることは、既にデータで確かめられています。 授業内活動を通した達成感・充足感 活動性が苦手意識を抑制する機能とその限界 これをもう一歩進めて、「深い学び」に繋がっているかどうかを確かめようというのが、以下の質問文(授業評価項目)に込めた意図です。実際のア…

理解したことをもとに課題の解を考える機会

読んだり聞いたりして理解したことをもとに課題への解を考えるとともに、その結果を第三者の理解と共感が得られるように表現する力は、新課程への移行でますます重視されるようになります。授業毎にきちんと「学び終えて解を導くべき課題」を用意することは、獲得した知識・理解に「生きて働く場」を与えることも意味します。習ったこと(=知識・理解)をもとに考える(=それらを活用する)機会を、授業内外の課題で整えることは…

達成すべき目標やポイントをはっきり示す

学習を通じて到達すべき状態を生徒に理解させておくことは、授業のわかりやすさを大きく高めます。目指していることに照らし、生徒が一つひとつの説明や指示の意味をより良く理解できるようになるからです。目標に到達できたときの達成感もより明確になるため、次の学びに向けたモチベーションを向上させる働きも強まりますし、生徒の苦手意識を抑制する効果も確認されています。 2015/05/14 公開の記事を再アップデー…

理解を確かめてから次のフェイズに進む

生徒の理解を確かめるのは、学びを先に進められる状態を確かなものにするためです。「その場で」と「言葉にさせて」の2つを鉄則に「対話で行う理解確認」を徹底しましょう。前段の理解に不足や欠落が見いだされた場合、機を逸することなくその解消を図ることになりますが、教え直しよりも、教科書やノートの該当箇所を参照させたり、生徒同士の教え合いを促したりする方が効果的なことがあります。 2015/05/13 公開の…

よくわかる説明、戸惑わせない指示

説明や指示のわかりやすさを決める要素は、話し方や板書の巧拙だけではありません。今やろうとしていること(目的)が何かを前もって理解させておくことや、前段までの理解をしっかり確かめながら進めることも重要な役割を持ちます。わかりやすさは学習効果を決定的に左右する要素であり、わからないことにはできるようにはなりません。また、生徒を活動させようとしても、指示が分かりにくく、生徒が戸惑っているようでは困ります…

学びの土台を作る、整理された板書・プリント

生徒に問い掛け、気づかせたことを書き出して生徒の視野に固定し、教室全体で共有するのが板書の役割です。既に整理された結果を提示するだけならプリントやスライドで十分ですが、授業の展開は、「対話的な学び」が根付くほど動的になるもの。臨機応変に展開/デザインできる板書の強みを十分に活かしていく必要があります。電子黒板などのICTやデジタル教材の利用はますます増えていくでしょうが、「学びに対して板書が果たし…

いつもはっきりと教室の隅々まで届く声

伝達技術の基本は「話し手の声がいつでもはっきりと聞き取れること」です。知識・理解を与えるにも、問い掛けて生徒に考えさせるにしても──視覚による補助が効果的であり且つ必要であることは言うまでもありませんが──、まずは先生が発した声による情報を、生徒が集中してしっかりと受け止め続けられることが大前提です。先生の話が聞きとれないのではどこかで授業内容がわからなくなるのも当然。「いつもはっきり聞き取れる」…

できることはどんどんやらせる~生徒の邪魔をしない

先生が先回り/肩代わりせずとも、生徒にやらせてみればできることはどんどんやらせるべきだと思います。現時点では少しばかり生徒の手に余るようなことでも、「できるようになってもらいたいこと」なら、トライさせることなしに、出来るようになるチャンスを奪ってしまうようなことは、努々慎みたいところ。教科書や参考書に書かれていることだって生徒に自力で読ませれば理解できるはずですし、もしできない生徒がいたとしたら、…

学習機会としての模試受験 #INDEX

模擬試験には、当然ながら合否判定の結果をみて志望校/出願校を選ぶという使い方もありますが、学習機会としても積極的・戦略的に利用したいものです。少なくとも半日、ときに丸一日という多大な時間を模試に費やした挙句、合否判定の結果で進路の可能性を狭めていくだけならば、授業を進めた方がましかもしれません。 2014年11月に起こしたシリーズを再アップデートしました。 模擬試験を受けさせる前の指導、成績が戻っ…

どこまで伸びるか見立てる(進路希望の維持:続編)

前稿「模試受験後の指導~進路希望を維持させる~」の続編です。模試などの結果を踏まえて、生徒は最終的な出願先を選び出していきます。最終的に出願する大学・学部が、生徒が入学してきたときや進路を考え始めたときに思い描いていたものと違っても、高校生活を送る中で「学びたいこと、学んだことを活かしてやってみたいこと」を見つけて、積極的に選び出した進路であれば何ら問題はありません。むしろ、生徒が努力を重ねて進路…

模試受験後の指導~進路希望を維持させる~

模擬試験を受験させた後の指導は、進路希望の実現への意欲を維持させる上で最も大切なことのひとつです。それまでの自分の学びをきちんと振り返る中で「次に向けた課題」を明確にできるかどうか、戦略を立て直すことで「志望実現に向けた勝算」を描き続けられるかどうかが、受験生としてのその後を大きく隔てます。 2014/11/28 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ やりたいことに挑み続けられるように 模試の…

学習機会としての模試受験(その3)~好機はいつ?

近くに予定されている模擬試験をターゲットに学び直しに挑ませる機会を整えるのは、未習熟・未定着を解消して模試の成績を引き上げるためだけではありません。これまでの学びを振り返らさせて、主体的に且つ計画的に学習を進める姿勢と方法を学ばせることも狙ってのことです。 2014/11/27 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ 好適時期に集中して行うべき指導 勉強と部活動との両立を図り、ときに二兎ならぬ三…