授業評価の結果から(記事まとめ)

本年度も多くの学校から授業評価アンケートのご用命をいただきましたことに、この場を借りて、改めて心より御礼を申し上げたく存じます。1学期末に行ったアンケートのデータも揃い、解析を進めております。
学習の主体たる生徒の皆さんが寄せてくれた回答は、きちんと整理して解析をすると実に様々なことを教えてくれ、実際に見た教室での風景と照らし合わせることで、授業改善に利用できる知見が得られます。
以下は、各地の学校で実施された授業評価アンケートのデータを解析する中での気づきや検証結果を記事にまとめたものです。一部の記事ではデータの更新と再検証を行い、内容をアップデートしました。
先生方のお手元にアンケートの集計結果が届き、データをご覧いただくときに、各記事が少しでもご参考となればこの上ない喜びです。

2015-07-28 公開のページを再アップデートしました。

【伝達スキル】

1. 説明がわかりにくいと言われたら Updated!
2. 理解の確認を怠ると…
3. 対話で行う理解確認 Updated!
3. 課題解決の場を整えたら、挑ませる前に理解の確認
4. 伝達スキルと授業デザイン Updated!

【授業デザイン】

1. 散布図中の位置で探る改善課題[活用機会×学習効果]
 ・学びの成果を妨げているボトルネックはどこに? 
2. 課題解決を伴わない知識獲得データ検証編解決策考察編
3. 理解確認と活用機会はバランスを取って
4. 振り返りを経てこそ次への課題形成
 cf. メタ認知、適応的学習力
5. アクティビティと学習効果

【主体的・対話的で深い学び】

1. 学習方策の獲得はどこまで進んでいるか
 ・学習方策の獲得、学習の改善~データと考察 New!
 ・学習方策は課題解決を通して身につく
2. 目的意識をもって学びに取り組んでいるか
 ・学びへの目的意識~データと考察(その1その2) New!
3. 対話などの学習活動が、学びの成果に直結しない?
4. 主体的・対話的で深い学びをデータから考える
5. 授業改善には授業デザインを先行させる

【適正負荷、振り返りとメタ認知】

1. 負荷を抑えて「できた気」にさせてしまうことのリスク
2. 学習方策や目的意識に応じた負荷をしっかり掛ける
3. 難易度からの得意/苦手の意識が受ける影響
4. 生徒は「振り返り」を効果的に行えているか
5. メタ認知、適応的学習力

【学びの接続、評価結果の相対化】

1. 次に進んだときの学習をイメージ
2. 新課程が求める「学ばせ方」~学年間の円滑な接続 
3. 授業評価アンケートの集計結果を相対的にみる
4. 改善が遅れた授業のキャッチアップを支える Updated!

【集計結果の見方、データの活かし方】

1. 授業評価アンケートの結果の見方、活かし方(全3編)
 ・必達目標は【学習効果】での肯定率90%
 ・ボトルネックを探し、その解消に知見を獲得
 ・相対的な位置や経年的な変化を把握して
2. 授業改善は進んだか~授業評価アンケートの前回比較 
 ・学習効果が高まっても、難易度が下がっていたら
 ・進級を前に「学びへの自己効力感」を点検
 ・授業間の差が拡大したときこそ実践共有の好機



授業改善は、試行錯誤の連続です。改善課題を見つけたら、仮説を立て実地に試して反応を探ることの繰り返しの中で、手応えのあった方法はきちんと残してさらに磨きをかけ、うまくいかなかったものは棄却していくことで、より良い授業は着実に実現へと近づいていきます。
新課程への移行で「良い授業」の姿に従来と違った要素が加わります。
同じゴールを目指す中で個々の工程を見直す「改善」とは違う、ゴールの再設定を伴う「改革」にも取り組んでおられることと思います。
新たに採り入れた取り組みの効果を確かめつつ、新しい学力観に沿った授業に着実に近づくためには、生徒による授業評価アンケートの集計結果も効果的に利用していきたいものです。


■関連記事:

  1. 課題のシェアから始める組織的授業改善
  2. 授業評価アンケートの集計が終わったら
  3. 授業評価の事前指導と結果のフィードバック
  4. 生徒の特性に合わせた教え方・学ばせ方のアジャスト
  5. 指導案の優劣を論じるときも
  6. 優良実践の共有~授業評価の結果を活かして(全3編)
  7. ジャンル別記事インデックス「生徒による授業評価

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

授業評価&生徒意識アンケート

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主体的、対話的な深い学びへ~授業評価アンケートExcerpt: 高校でも新課程での指導が始まります。活動の配列/授業デザイン(=学ばせ方)のみならず、評価(=効果測定)の方法も、新しい学力観に沿ったものに切り替えていく必要があるのは言うまでもありません。既に十分な準備がなされているはずですが、新年度を迎えて、これまで準備してきたことを実際の教室で試して、想定通りにうまく機能するか点検をしながら、必要な修正を重ねていくフェイズに移りました。
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