大学入学共通テストの試行調査の結果から(まとめ)

共通一次やセンター試験の出題には、できるだけ高校現場の邪魔をしないようにとの配慮が感じられましたが、2年後に迫る新テストは一転して、大学の教育の在り方のイメージのもと「これからの高校教育はこうあるべき」との方向性を明確に示そうとしています。
これまで幾度もチャレンジしてきた高等教育と中等教育の改革により確実な効果を生み出そうと、大学教育と高校教育の接点である大学入試に手を入れたこと自体にも強い覚悟と意志が読み取れます。
昨年11月に新テスト(大学入学共通テスト)の第2回試行調査が実施され、12月末には既に採点結果等の速報値が12月末に発表されています。いよいよ、新テストの具体的な姿が見えてきました。
2回に亘って行われた試行テストの問題そのものにもきちんと目を通すとともに、関連文書の中に示されたメッセージをしっかり読み解いておく必要を改めて感じています。



試行テストの結果などに触れてこれまでに起こした拙稿をまとめてみました。お時間の許すときにご高覧いただければ光栄に存じます。
第2回(H30)試行テストの問題とその結果から:

第1回(H29)試行テスト以降の発表などから:

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以下のシリーズは、「大学入学者共通テスト(仮称)」の国語と数学のモデル問題が公表されたときに公開した記事です。ここで読み取れた方向性は、多少の修正を受けながらも、平成30年の第2回試行調査にも踏襲されています。新テストが最終的にどのような形をとり、何を求めてくるかをより深く知るには、原点であるこれらの問題にも立ち返ってみることも決して無駄ではないように思います。
考察: 大学入学共通テスト&高大接続改革

モデル問題(共通テスト)を見て #1国語

モデル問題(共通テスト)を見て #2数学

新共通テストの採点基準~正しく適用できる力

高大接続改革では”探究活動”と”行動評価”にも注目


新テストや新課程には、当然ながら、小中学生やその保護者も注目しています。学校が目指そうとしていることをきちんと伝えることは、生徒募集のためにも重要ですし、目指しているものを共有している生徒・保護者・教員が作る学びのコミュニティの実現にも欠かせません。

また、新テストと直接的な関連を持つわけではありませんが、先々を見据え、これらの報道にも目を通しておく必要があろうかと存じます。

新しい学力観の下での授業デザイン(まとめ)


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一