月: 2019年2月

授業改善をより確実にするためのデータの見方

授業評価アンケートの集計結果は、個々の項目の評価値を別々に眺めるよりも、「目的変数」を設定した上で、それとの関連の中で個々の数値を解釈する方が、授業改善に向けた改善課題を捉えやすくなります。授業評価アンケートの集計が終わったらで書いた通り、授業評価アンケートが担うのは「生徒の学びに対する意識」の把握であり、最も大切なのは「授業を受けて学力の伸長や自分の進化を実感できるか」という問いにどれだけの生徒…

スマホの校内持ち込み解禁の報道を読んで

公立の小中学校での携帯電話やスマートフォンの学校への持ち込みを原則禁止とする従来の指針を見直すことになったとの報道がありました。子どもの携帯・スマホの所有率が上がったことや、緊急時の連絡に役立つことなどが見直しの理由に挙げられています。 内閣府による調査(2017年度)では、小学生の55.5%、中学生の66.7%、高校生の97.1%がスマホか携帯のいずれかを所有しているとのことですので、学校への持…

探究活動を通して養う"ファクトフルネス"

過日、日経BPから「ファクトフルネス~あなたの“常識”は20年前で止まっている !?」という書籍が発刊されました。そのイントロダクションに掲載された13問のクイズを解いてみて、思い込みを乗り越えデータを基に世界を正しく見る習慣の大切さを改めて思い知らされました。この大切さに気付くのに年齢制限はないでしょうが、自らの進路を考えたり、社会にどう関わるかを探ろうとするときまでに気づけるかどうかは大切だと…

選定理由の言語化を~探究活動の成果発表会

探究活動や課題研究には代表者による成果発表がつきものですが、代表者や発表作品を選定した理由はきちんと言語化してレジュメや作品に添えて表示したいものです。発表や作品に触れた生徒に「なぜ選定されたのか」を知らしめることは、探究活動の目指すべきあり方を示すことに外ならず、それ自体が生徒に対するとても重要な指導だと思います。 ❏ 合理的な理由なしに代表作品を選ぶことで生じる問題 発表会や展示されているその…

卒業生アンケートで教育活動の点検を

ここ数年、お手伝いする機会が増えてきているのが「卒業生を対象に行うアンケート」です。学校生活を終える生徒に自分の成長を振り返ってもらうと同時に在学期間を通した様々な場面での指導を評価してもらうことで、学校の教育活動の成果を測り、更なる改善に向けた課題を形成しようという目的で行われています。 2017/01/31 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 卒業生からの評価で、手応えの確認と次への課題形…

アンケートで探る“学ぶ側の認識” #INDEX

学習評価は、個々の生徒の現状を正しく捉えてゴールに導くまでの工程を探るためにも、先生方のこれまでの指導の成果を検証して更なる改善に向けた課題を形成するためにも欠かせないものです。獲得させた知識や技能がどこまで生きて働いているかを確かめるには、妥当性を十分に備えた「テスト」が不可欠、活動評価にはルーブリックなどのツールを用いますが、これらに加えて、「学習の主体」たる生徒や学生の認識を質す「アンケート…

アンケートの結果に照らしながら、指導の改善を図る

生徒が学習活動の中で経験してきたことは一人ひとり違います。学習履歴の違いは説明や指示に対する受け止め方の違いを生み出すため、個人レベルでも集団レベルでも、同じ指導に対しても異なる反応が返ってくる/異なる結果が生じるのは当然です。学ぶ側の認識と教える側の想定は往々にして一致しないことを念頭に、学ぶ側の認識を丁寧に探り、両者の認識の乖離を最小限に止めるようにすることが大切です。 2014/10/29 …

授業評価アンケートにおける目的変数は学力向上感

模擬試験の成績などでも観測できる結果学力(知識・技能、思考力・判断力・表現力)の伸びと、授業評価アンケートなどの集計に現れる学習者側での伸びの実感(学力向上感)とは別物で、両者が一致しないこともしばしばですが、進路希望の実現を目指す意欲と行動を継続できるかどうかは、前者より後者にかかっているようです。学んだことに新たな興味や関心が芽生えるかどうかも、実際の成績より当人の学力伸長感に左右されることが…

学習評価は多様なツールを組み合わせて多面的・総合的に

学習指導が所期の成果を上げているかどうか正しく評価するには、学習の成果として形成された知識・技能、思考力・判断力・表現力を測定する「テスト」や、活動そのものをルーブリックなどの基準に当てはめて行う「パフォーマンス評価」に加えて、学習者の認識そのものを把握するための「アンケート調査」や「面談調査」なども欠かせません。 2014/10/27 公開の記事をアップデートしました。 ❏ テストが測るのは解内…