卒業生を招いて行う進路行事(その2)
卒業生を講師として招いて行う進路行事では、卒業生が今どのフェイズにいるかで伝えてもらいたいことが異なります。昨日の記事では、「難関大に合格したばかりの生徒」「大学で前期を過ごし、ひと通りを経験した卒業生」「専門課程に進んだ学生」 などに話して貰いたいことを思いつくまま並べてみました。もう少し年代が進んだときに話してもらいたいこともありますし、講演タイプに加えて座談会形式やパネルディスカッションの形…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
卒業生を講師として招いて行う進路行事では、卒業生が今どのフェイズにいるかで伝えてもらいたいことが異なります。昨日の記事では、「難関大に合格したばかりの生徒」「大学で前期を過ごし、ひと通りを経験した卒業生」「専門課程に進んだ学生」 などに話して貰いたいことを思いつくまま並べてみました。もう少し年代が進んだときに話してもらいたいこともありますし、講演タイプに加えて座談会形式やパネルディスカッションの形…
進路の手引きや進路通信に掲載する合格体験記は、誰に書いてもらうかで、後輩に伝わるメッセージはずいぶん違ったものになります。記載されている内容以上に言外に伝わるものの影響が大きいことを踏まえ、誰に何を書いてもらうか細心の注意を払って戦略的に考える必要があるのではないでしょうか。 ❏ 難関を突破したという事実だけでなく 進路希望を高く持ち、努力を続けて難関を突破した生徒は立派ですが、その事実だけでは、…
練習に取り組むことで、どんなことができるようになるかイメージできていないと、練習はただの反復・作業と変わらなくなってしまいます。生徒が先生の指示に従って、元気よく練習していたとしても、「どんなことができるようになるのか、どのように進歩しているのか」をきちんと認識しているかどうかは、とても大切だと思います。筋トレをするときも、どんな意識をするかで効果が違うとか。メニューを漠然とではなく、動かす筋肉を…
起業家教育という言葉を耳にするようになってだいぶ経ちました。試しに、「起業家教育&高校」で検索してみたら55万件もヒットしました。どんな効果があるのかと調べている中、野村総研が行った「起業家教育の普及等に関する調査(最終報告書)」 を見つけました。 ❏ 高校での起業家教育は何をもたらすのか 「情報収集・分析・問題解決力が高まった」は、効果があったが8%、どちらかと言えば効果があったが47%と、やや…
異校種の授業を参観する機会はどのくらいあるでしょうか。中高一貫校なら中学と高校の先生が相互に授業を観るのに大した制約はないはずですが、頻繁に、あるいは定期的に参観しているというケースは多くないように感じます。ましてや、設置者が異なる学校の間では、そもそも観に行くチャンスも少ないのが実情でしょう。 ❏ 生徒が何を経験・学習してきたかを知らずには… 例えば小学校での授業を中学の先生が見れば、入学してく…
高校生にとって課題研究などの探究活動は、新たな知を生成する方法を学ぶ場でもあり、また大学に進んで学んでみたいことを見つけ、さらにはその先に社会との接点を見出す進路意識形成にも繋がります。このように考えると、高校の3年間の中のどこかに、こうした活動を組み込む必要があるのではないでしょうか。探究を軸に各教科の学びを繋いだり、進路希望を形成する指導と探究活動の一体化を図ることを、本気で考えなければいけな…
今年2月に出てすぐに買ったにもかかわらず、積読(つんどく)になっていた同書をようやく読み終えました。以前から国際バカロレアのカリキュラム、特にTOKには大変興味があり、テキストを取り寄せて読んでみたり、実際の教室を参観させて頂いたりしてきましたが、知れば知るほど大きな可能性を感じます。ただし、国際バカロレアのDPを導入するとなるとコストは膨大…。まずは、教える側がそのエッセンスをじっくり学んで、教…
各地で行われる研究授業を拝見する中、協働学習やアクティビティなど授業内での生徒の活動性が、以前とは比較にならないほど高まっていることを実感します。その一方で、活動性が、「深い学び、対話的な学び、主体的な学び」 に直結し、思考力・判断力・表現力の向上やコンピテンシーとしての学力形成に直接的に寄与しているかというと、一定の疑問も残ります。そんな疑問を起点に、データを検証してみると、「個々の活動に生徒が…
授業時間内の活動性を高めることには、①生徒の頭の中を覗く「観察の窓」を開く、②他の生徒の意見や考えに触れさせて相互啓発を働かせる、③学習方策や知識の不足を生徒が相互に補完する、④知識や経験を交換することでの発想の拡充を図る、などの狙いがあるというのが前稿で申し上げたことです。 これらに加えて、 活動課題に取り組む中で使用機会を自然に増やし習熟を促すことや 生徒一人ひとりに役割を持たせることで能動的…
授業内活動を設計するときに、「この活動で狙っているものは何か」 を明確にしておくことが大切です。手段の合理性や妥当性は、目標に照らしてこそ評価ができるということを忘れないようにしたいものです。 昨日の記事では、 生徒の頭の中を覗く「観察の窓」を開くこと、 他の生徒の意見や考えに触れさせて相互啓発を働かせること について考えました。 今日はその続きとして、 学習方策や知識の不足を生徒が相互に補完する…
授業における学習者の活動性を高めることは目的ではなく、別の目的を達成するための手段です。個々の活動によって目指しているものをきちんと区別しておけば、その活動が妥当なものか工夫の余地が残っていないか判断がつきやすくなるのではないでしょうか。 一昨日に公開した「生徒がみな一斉に反応できていることに感じた違和感」 から続くシリーズです。 活動とかアクティビティという言葉でひとくくりにするから、根っこの問…
この数年、高校に限らず機会があれば小中学校の授業も参観させていただいています。素晴らしい実践、実に様々な工夫を拝見して、大いに刺激されます。生徒や児童の活動性を高める工夫が随所に凝らされ、「おおっ、こんな方法もあるのか」と勉強になります。しかし、小中のみならず高校も含めた話ですが、授業内活動の充実を図ったことの成果が、どこに繋がっているかに注目してみると、ちょっと立ち止まって冷静に考えてみる必要を…
ポートフォリオと並び、次期学習指導要領で導入が検討されている評価ツールの一つが「ルーブリック」です。基本形は、観点ごとに段階的な到達状況を配置したマトリクスに各々の規準を書き込んだものであり、目標準拠評価(絶対評価)の一つです。あまり馴染みのないせいか、導入を終えて本格的な運用に踏み込んだ学校はまだ少数派。今からスタートして実運用を経てブラッシュアップしておけば、2020年には他校への大きなアドバ…