"主体的・対話的で深い学び"の実現に向けて
主体的・対話的で深い学びをしっかりと根付かせるには、その実現に向けた取り組みの成果を検証する必要があります。様々な方法を試すのが可能性と選択肢を増やすことは間違いありませんが、目標は何かしっかり見定め、取り組みが生徒を目標に近づけているかを確かめないことには、あらぬ方向にさまようリスクを抱えます。先生方がそれぞれ最善と考える方法を試してみて、その成果を互いに比べてみることで、自校の生徒に最もよくマ…
探究活動を支える土台を築く
新学習指導要領への移行に向けて教育課程の見直しが進む中、探究活動をどうプログラムするかはとりわけ大きな課題です。どれほど意欲的にプログラムを設計しても、指導時間の限りもあって、各教科での学習や進路指導と関連付けなしには十分な効果は得られません。 探究型学習のプログラム作りを単体で進めていくのではなく、学校の教育活動全体を見直し、個々の指導場面の目標を達成することが他の教育活動の成果を高める土台とな…
どんな人材を育てようとしているのか
日々の教育活動の中で、常に意識に持ち続けるべきは、「どんな人材を育てようとしているのか」という問いだと思います。学校が教育目標として掲げ、入学してくる生徒たちに約束したことや、分掌、学年、教科という三つの立場での自分のミッションを自覚できていることが、個々の場面でもブレのない指導を実現するのではないでしょうか。どんな人材を育てるかという問いに答えるためには、生徒が生きていくのがどんな時代かの見極め…
散布図と残差から個々の生徒の課題を探る
新課程への取組を伝える学校広報
高大接続改革に最初に挑む学年を迎え入れ、新しい学力観に沿った学ばせ方への転換が図られていますが、その次に控えるのは、本丸である新学習指導要領への移行です。2022年から始まる高校の新課程に学校としてどう対応するかを明確に示すことは、生徒募集戦略上の重要な課題です。新課程初年度生がすでに小学校6年生になっていることを考えると、まだ丸3年以上も先のこととのんびり構えているわけにはいきません。中高一貫校…
シンプルさと重ね塗りで、認知を高め、理解を得る
建学の精神や校是、校訓を現代的に読み直し、新たなグランドデザインを描き出しても、それが受験生や保護者の目と意識まで到達しなければ生徒募集の改善にはつながらず、せっかくの教育理念にも賛同や共感をしてくれる人が増えるわけではありません。伝えるものを作り上げたら、今度は伝え方を考える番です。たとえ作りかけの状態であっても、学校の意思を積極的に伝え、レスポンスを拾いながらより良いものを作っていくという発想…
個々の教育活動の位置づけを明確にして構造化
新学習指導要領のもとで学校がどのような教育活動を行うかを考えるときに忘れてはならないことは様々ですが、以下なども重要です。 ❏ 多様な教育活動はときに”ノイズ”としてふるまう 長年にわたって作り上げてきた学校ですから、生徒が過ごす3ヵ年には様々な教育機会が配列されています。その一つひとつが、担当する分掌、学年、教科といった教員組織の思いの詰まったものですし、様々な効果を上げ…
積み上げてきたものを振り返り、その先を描く
2022年に始まる高校の新課程に向けてグランドデザインを描き直すことは、新課程初年度生が中学受験に臨む本年度の重要課題のひとつです。全体構想が決定しなければ、細部の設計に入れません。たとえ魅力ある教育活動が豊富に配列されていたとしても、全体としてちぐはぐなものになれば「学校がどこに進もうとしているか」をわかりにくくし、限りある教育リソースの配分を間違うリスクも招きます。 ❏ 開校から積み上げてきた…
学校が目指すものをグランドデザインで提示する
過日の記事「現小6に示すべき、新課程を見据えた学校の戦略」に書いた通り、新学習指導要領への切り替えは現小6が中3になるときです。生徒募集を通じて入学前の生徒と交わした約束は、その生徒が卒業するまで有効な”契約”ですから、しっかり練り込んで実行可能性を担保した教育計画を作り上げておく必要があります。高等学校でも、2022年を見据えて学校がどんな態勢を取り、新しい時代の教育に転…
機械翻訳がここまで進歩すると…
現小6に示すべき、新課程を見据えた学校の戦略
中学校では平成33年4月に新学習指導要領への切り替えが全学年で一斉に行われ、平成34年度入学生からは年次進行で高校の学習指導要領も変わります。対象になる最初の学年は現小6生ですね。切り替わりは中学3年生を迎えたとき。ちなみに、現小5は中2から、現小4は小学校6年生から新課程で学ぶことになります。 今後の学習指導要領改訂スケジュール 文科省ホームページのPDFが開きます。 とういうことは、今年の生徒…
新テスト対応にも探究活動は土台となる
大学入学共通テストの導入に向けた試行調査では、その試行結果の報告において、「探究の過程等の設定を通じて、知識の理解の質を問う問題や思考力、判断力、表現力を発揮して解く問題を、各科目における全ての分野で重視した」とのこと。“探究の過程等の設定”(…行政文書らしい言い回し!)と言われても、具体的なイメージがわきにくいところですが、添え書きをみると、 などを設定すること(らしい)…
どこに進学させたかよりも、どんな人に育ったか
生徒一人ひとりについて、本人の資質や志向に見合った進路を見つけさせ、それを実現させることは高校の大切な役割ですが、進路先である大学や企業、専門学校にバトンタッチすれば役割を果たしたことになる、というわけではありません。高校は上級学校などに進むためのステップボードではなく、高校で身につけたもの自体が卒業していく生徒にとって大切なものだと思います。高校で身につけたものを土台にその先の学習や研究、活動が…
進路の手引きは冊子よりもファイリング形式で
進路の手引きは立派な冊子に整えられて年度当初に生徒に配布していることが多いようですが、思い切って冊子の印刷と配布を止めませんか。進路指導計画に沿って、その都度必要な資料を配布し、生徒自身の手でファイリングさせる形に切り替えてみることをご提案いたします。 ❏ 冊子形式が抱える問題点 冊子に1年間(あるいは3年間)で必要な情報をまとめておくと、必要なときにいつでも情報に当たれるというメリットはあります…
第3期教育振興基本計画と"総合的な探究の時間"
新年度の指導計画の仕上げ~今やっておきたいこと
昨日の記事では、卒業生と新3年生に対して仕上げておきたい指導を扱った過去記事をまとめてみましたが、本日は、来年度の指導計画作りに向けて、新年度を待たずに今やっておきたいことをピックアップします。 新年度の指導計画作りは、すでに昨秋あたりから順次作業が進められてきたと思いますが、仕上げのフェイズを迎えて様式にまとめ直してみることで、見落としていたことに気づくこともあります。 新年度の指導が回り始めて…
新学期を前に、改めて"予習・復習、課題のあり方"
2月も下旬を迎え、大学入試もいよいよ終盤戦。ほっとする間もなく、あと40日あまりで新入生を迎える時期を迎えました。合格通知を受け取った生徒が新入生オリエンテーションに登校してきます。 すでに生徒に購入させる教科書や副教材は決まっており、取次店への手配も終えているかと思いますが、それらをどう使って、授業を進めていくかについては、まだ調整の余地が残っていると思います。 新入生オリエンテーションや授業開…
結果を振り返って指導計画を見直すのは今
2月に入ると合格の知らせが次々と届き始めますが、同時に、卒業していく生徒に対して行ってきた3年間/6年間の指導をその成果に照らして振り返りつつ、次の学年の指導の設計にあたる時期でもあります。 進路指導の方針や一つひとつの指導の具体的な方法について、効果を上げたものはきちんと抽出し、継承しなければなりませんが、反省すべき点があったものをそのままにしてはいけません。 指導を担当されてきた先生方が、それ…
学習時間の目標値と達成管理の方法 #INDEX
高大接続改革を機に、新しい学力観に沿った学ばせ方への転換を図る必要があります。どの学校でも、指導計画の見直しや授業デザインの研究が意欲的に進められているものと拝察しますが、その中で、学ばせ方の転換で家庭学習の充実が求められることへの十分な意識が必要です。教室の中で、対話的で深い学びを実現するには、生徒の側での授業準備はこれまで以上に重要性を増しますし、そこで深めた学びをより確かなものとし、広がりを…