マトリクス点検で指導主眼を適正配置(その4)

「予習方法の違いは授業の進め方が学年教科の方針によって違うからだ」という理由には、十分な妥当性と合理性が備わっているでしょうか。様々な工夫や試行錯誤を重ねる中で、成績を伸ばし多くの進路希望を実現させた学年のやり方に倣い、それをベースに改善と更新を繰り返していけば、学校としての方向性や指導像は自ずと共有されてくるはずです。 前学年のやり方を十分に知ろうとせずに、一から試行錯誤を繰り返すのでは、「前年…

マトリクス点検で指導主眼を適正配置(その3)

新入生に対して、あるいは学期が切り替わるごとに、学習方法や教材への取り組み方などを伝える「オリエンテーション」が多くの学校で行われています。また、それらを実地に経験させて学ばせる「勉強合宿」も広く行われ、もはや特別な行事ではありません。オリエンテーションの内容、特に予習・復習の方法や授業への取り組み方は、学年教科の判断や考えに任されているのが一般的なようです。 ❏ 学年をまたぎ、成果…

マトリクス点検で指導主眼を適正配置(その2)

学習指導は教科ごとに行われますが、学習姿勢や学び方を生徒が獲得していく過程は、教科を跨いで同時に進行していきます。ある教科を通じて身につけた姿勢や技術は、ほどなく他の教科にも転用されるようになるのが普通です。 ❏ 獲得した資質や行動様式は科目を超えて ディスカッションに臨み相手の発言を理解したうえで自分の意見を組み立てられる/表現できるようになること、わからないものを見つけたときに適…

マトリクス点検で指導主眼を適正配置(その1)

シラバスや学習の手引き、あるいは勉強合宿でのガイダンスプリントなど、「学習法」や「到達目標」といった“学習活動において生徒に求めるもの”を書面化したものは数多く見つかります。授業態度や提出物、小テストなど、シラバスの「評価基準」に言及されているものも、直接的・間接的に、生徒に求める行動を表現しているものの一部です。 ❏ シラバス、進路講演、定期考査、・・・ 授業中に予習・復習の進め方…

授業クリニックの現場から(その3)

これまでにも、方々の学校をお訪ねして授業を参観させていただきました。その中で、多くの場合に共通する問題も見られます。併せてご参考になればと思い、追記して残しておきたいと思います。 ❏ 既にわかっていることに時間をかけない 他校で同様の参観をしたときにも、しばしば見かけたことですが、生徒の側で既にできるようになっていること/わかっていることに時間をかけ過ぎるケースがあります。高校では中…

授業クリニックの現場から(その2)

問いを重ね、生徒の発言に乗っかりながら授業を展開していくという、このやり方には、もう一つ着目しておくべき点がありました。教員が板書したら、生徒は自ずと手元から目を上げて、教員の方に注目するということです。「聞く態勢」を取らせるうえで非常に有効です。 ❏ チョークを持つことで、聞く態勢を整える 生徒自身に板書させるという方法を取る授業もありますが、もたもたされて、その間、ほかの生徒がや…

授業クリニックの現場から(その1)

過日、とある高校を訪ね、「授業クリニック」を行ってきました。いくつかの授業を参観した後、授業をされた先生方とミーティングを持って、フィードバックを行うというものです。 ちなみに命名はお客様によるものです。名実一致の秀逸なネーミングです。 フィードバックでは、まず、参観した授業に見出された「優れた工夫」や「意欲的な取り組み」の共有を図ります。優れた実践の所在を知れば、校内で行われているだけに、空き時…

目標提示が苦手意識を抑制

学習活動を通じて到達を目指すべきものと、それを達成するための手段とをしっかりと示しておくことが、生徒の苦手意識を抑制します。ガイダンス(=目標の提示と方法の周知)が徹底されることで、苦手意識の発生を抑えることができますが、ここで少しでも手を抜くと、生徒の苦手意識を不必要に膨らませてしまいます。 ❏ 目標の提示と方法の周知を徹底すると 下図は、「学習の目標や達成のための方法について先生…

校内に蓄積されてきたデータを生徒IDで関連付ける

校内のデータは様々なところに散在しています。模試などの成績に加えて、生徒が自ら入力したものもあれば、アンケート調査の結果など特定の分掌・組織が作成し所持してきたデータもあります。 これらをeポートフォリオなどのひとつのシステムに組み込もうとすると膨大な手間が掛かりますし、すでに組み上がったデータベースシステムの仕様を後で変更しようとすると改修には大きなコストが生じます。 新たな調査を行いデータを管…

ポートフォリオに何を記録し、どう活用するか

本シリーズの#1 作成・保存されているデータの”たな卸し”から で書いた通り、校内で蓄積されているデータのうち、生徒の指導やその改善に活用されていないものは、集めるのを止めて無駄を減らすべきです。 その一方で、高大接続改革や新学習指導要領でポートフォリオの作成と運用が始まると、これまでレコードに残してこなかったデータも新たに取集・蓄積していく必要が生じます。 集めて残したデ…

データの組み合わせで見えてくる改善課題

どんなに精緻に設計した調査でも、そのデータを単独で見ているだけでは、個々の生徒が抱える問題点を把握しきれないことがあります。 例えば、模擬試験の成績が伸びない生徒について、家庭学習時間調査の結果を照らし合わせなければ、学習時間の不足が問題なのか、学習方法に改めるべきものがあるのか、問題の切り分けができません。 これに第一志望宣言などで記述させた志望理由の具体性や志望を固めるまでの経緯をスコア化した…

作成・保存されているデータの"たな卸し"から

どの学校でも実に様々なデータが蓄積されています。進路指導の領域に限っても、模試成績、家庭学習時間、志望校の変遷、最終的な出願校と合否結果など挙げていけばきりがありません。 データは、個々の生徒が抱える問題を把握するにも、指導の改善課題を見つけるにも欠かせませんが、現状においてデータが有効に利用できているとは言えない部分もあるのではないでしょうか。 どのようにデータを取得・保存し、活用に結び付けてい…