自らの工夫で得た成功体験は、学びの楽しさに
授業を終えて生徒から「楽しかった」「感動があった」という声が寄せられると、教える立場として大きな励みになります。そうした声の背後には、次の学びに向かうモチベーションの膨らみも想像できます。学習における感動や楽しさには、その生まれ方によって大きく二つのタイプに分けられるように思います。強いて言葉を当てるなら、一方は、授業者や教材によって「外から与えられるもの」、他方は、学習者自身の「内から芽生えるも…

当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
授業を終えて生徒から「楽しかった」「感動があった」という声が寄せられると、教える立場として大きな励みになります。そうした声の背後には、次の学びに向かうモチベーションの膨らみも想像できます。学習における感動や楽しさには、その生まれ方によって大きく二つのタイプに分けられるように思います。強いて言葉を当てるなら、一方は、授業者や教材によって「外から与えられるもの」、他方は、学習者自身の「内から芽生えるも…
たまたまですが、去年あたりから、学習意欲の向上を図るのに有効な指導法はないかといったご相談を受けることが続きました。改めて問われると不勉強を自覚せざるを得ず、もう一度勉強を始めたところです。あくまでも「勉強の途上における、自分向けのメモ程度のもの」として、温かい目でお付き合いをいただければ幸甚に存じます。 ❏ まずは、広く知られた「モチベーション理論」を概観 代表的な「モチベーション理論」と言えば…
指導の中で大切なことを伝えたのに、思うような反応や言動が見て取れず、本当に伝わったのか不安になることはないでしょうか。なぜそれが大切なのか理由まで掘り下げて説明したのに、ピンときていない様子を見ると、もどかしく感じますが、手をこまねくわけにはいきません。まずは、伝えた内容を生徒がどう受け止めているかを確かめましょう。方法には「生徒に考えていることを言語化させる」「指導後の生徒の言動に、期待した変化…
2月も中旬を迎え、入試業務や受験生指導などでご多忙を極める日々と存じますが、新年度を迎えるための準備も佳境に差し掛かっています。新しいことを始めるにしても、これまでのものに手を入れるにしても、残り8週ほどで計画を整えるためには、見落としがないかを確認し、このタイミングで「進捗の中間検証」を行うことが重要です。どんな指導でも、計画が設計通りに機能するかどうかは、対象たる生徒の実情と、計画時に想定した…
今や、世の中の大抵のことは、スマホで検索すれば即座に「それらしい情報」に行き当たり、「答えらしきもの」が簡単に得られます。たいへん便利な社会ですが、ネットに限らず世に飛び交う情報はまさに玉石混交。ときに悪意のフェイクすら入り混じります。鵜呑みにしては選択を誤り、不要なリスクを引き寄せることになります。 先ずは耳目に入ってくる情報の真偽を確かめる必要がありますが、その姿勢と方法を学ばせる場もまた、生…
日々の学校生活の中では、生徒は様々なことを感じたり気づいたりしていますが、それを漠然とした感想にとどめず、少し立ち止まって考えを深めさせるとともに、言語化し記録に残すことを習慣にさせましょう。先生方とのやり取りや周囲との会話、あるいは授業で読んだ資料など、生徒が受ける「成長のための刺激」は学校生活を送る中のあらゆる場面に存在していますが、それらをもとに熟慮する機会がなければ、気づきや学びは深まりま…
学校の先生の多忙が取りざたされて久しくなりました。報道を見ても、現場でのご様子を拝見しても、「働き方改革」は依然として、待ったなしの課題。ドラスティックな改善は進んでいないようにも感じます。外にいる私が直接何かできるわけでもないことに心苦しさを感じつつ、何かのヒントになればと思い、考えるところを拙稿に起こしました。ご多忙を極める中、矛盾することを申し上げることになり、誠に恐縮ですが、お時間のあると…
入試シーズンも後半戦に入り、新入生を迎えるのも間もなくです。4月の教室に集まるのは、第一志望を貫き、その実現に努力を重ねてきた生徒が多いと拝察いたしますが、中には第一志望だった別の学校で不合格だったために入学して来る生徒や、成績が伸びないなどの理由で出願前に志望を切り下げてしまっていた生徒もいるかと思います。第一志望以外での入学でも、きちんと気持ちを切り替え、前向きになっているなら問題ありませんが…
立春を前に、入試を始めとする新入生を迎え入れるための準備、次年度の指導や年間行事の計画作りと調整、異動等に伴う引継ぎなど、定常期と異なる業務も加わり、いつにも増してのご多忙と拝察いたします。多忙な時だからこそ、やるべきことをきちんとリストアップして、優先順位の高いものからしっかり/漏れなく進めたいところです。新年度に向けた準備工程の進捗確認と計画調整も適切なタイミングで怠りなく!これまで起こしてき…
先日、「校内順位、中学受験との関係は」と題する記事を新聞紙上で見かけました。冒頭にはこう書かれていました。 中学受験において、わが子に「優秀な同級生に囲まれて6年間を過ごして欲しい」と考え、難関校への進学を望む親は多い。だが学校内での順位が、その後の学力に影響するという研究がある。チャレンジ校を目指して、成績が低迷し続ける「深海魚」になるよりは、実力相応校を目指すべきなのか。(引用元:朝日新聞、1…
教育に限らず、どんなことであれ、目的とするところを達成するために様々な手段を講じます。当然ながら、手段となる個々の活動に関わる/参加する人々のコミットメントが、目標達成の前提条件です。しかしながら、目的そのものに誰もが納得できる「価値」が見出されていない限り、目標達成への深い関与は期待できません。他者に対してのみならず、自分自身に対しても「それって本当に必要なの?」という疑問に十分答え得る、言葉と…
教室での学びは集団で行うものですから、そこには生徒と教師が互いに守るべき一定のルールやマナーがあります。一人一人が気の向くまま自由奔放にというわけにはいきません。新年度の授業開きなどで各教科の先生から授業中の約束事を話して聞かせることも多いかと思いますが、生徒はなぜその決まり事があるのかきちんと理解しているでしょうか。 2015/09/18 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ そのルールの存…
いよいよ3月も今日を入れて残り2日となりました。新年度を目前に、新たな指導/取り組みを思い描いておられることと拝察します。意欲的なチャレンジは、指導の幅を広げ、その中から良いものを選び出して、さらにブラッシュアップすることで、改善もどんどん進んでいくはず。しかしながら、指導が所期の成果を結ぶか否かは、生徒が備えているものとのマッチング次第。生徒がどんな経験をもち、どんな能力やスキルを獲得しているか…
春休みが終わればいよいよ新年度の始まりです。オリエンテーションもあれば、それぞれの学年で教科・科目ごとの授業開きもあります。最初のコンタクトで何を伝えるかが、1年間の指導の成否を大きく左右します。新入生に限らず、新2年生、新3年生に対しても、しっかりと導入指導を行いましょう。こちらからどんなメッセージを伝えるかも大事ですが、生徒の行動様式や意識の在り方をできるだけ早く把握し、事前に想定していた指導…
【スタートに立った生徒に伝えていること】 新年度を迎えての授業開きやオリエンテーションでは、新しく学ぶ科目の目的や学び方に加え、生活や進路に対する心構えや生徒に期待されるところが先生方から熱いメッセージとして伝えられます。こうした場を参観していると、それぞれの先生方の思いや考え方に触れ、聞いているこちらも生徒と一緒に様々な刺激を受けます。新入生を迎える場面での最初の指導とその前後の進め方を考えてき…
【指導に臨む前の目線合わせと、効果検証への備え】 授業開きや学習オリエンテーションに臨むに当たり、「ここから始まる指導を通じて、生徒をどんな状態に到達させるのか」を改めて明確にしておく必要があるのは言うまでもありません。授業開きを起点とする一連の指導を通して目指すところが曖昧なままでは、生徒の学習行動を観察・評価する基準も持てないはずです。きちんと目線合わせをして先生方の間で指導にばらつきが出ない…