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多国籍化する社会での共生と協働

センター試験に代わる新共通テストで、民間の検定試験を利用して4技能を測る方針が打ち出され、小学校では外国語活動が3年生から、5年生からは正式な教科になるなど、英語教育についての議論が盛んです。 ❏ 地域コミュニティの国際化 かつて、国際化社会といえば、海外に出て活躍するというイメージでしたが、今や、国内で暮らしていても外国人との交流や関係は珍しくありません。 2016年の在留外国人は…

次期学習指導要領改訂スケジュール

次期学習指導要領は、平成32年に小学校で、平成33年に中学校で全面導入され、高校では平成34年度から年次進行で実施予定とされています。平成32年度からはセンター試験に代わる新テストが実施されるなど、今後数年間は様々な変革への対応に迫られることになりそうです。 二度手間を防ぐには、正式な発表を待つのが得策ですが、かといって座して待っているだけでは後手を踏むリスクばかりが増えそうです。 ご参考: ht…

高大接続改革に向けて今できる準備(その2)

昨日の記事でご紹介した「採点ルーブリック」ですが、すでに一部の学校では、定期考査において自由英作文や意見論述問題などで利用が始まっているようです。最初から満点のものなど作りようもなく、使いながら、規準そのものの妥当性(※)を高め、適用しやすいものに改めていくことが大切です。 「直感で与えた点数と、基準に沿った点数が一致するのが良い基準」というのも荒っぽく聞こえるかもしれませんが事実です。良い答案だ…

高大接続改革に向けて今できる準備

大学入試改革では、これまでと違った新しいタイプの問題が登場すると考えられています。昨年末に文科省のホームページでイメージ例が公表されましたが、検討の途中とあってまだサンプルは十分ではありません。現段階では、出題の変容を正確に予想するのは困難です。しかしながら、すでに一部の大学で出題されている「正解がひとつに決まらない問題」 などは、今後も出題を増やすはず。正解がひとつに決まらない以上、結論を書かせ…

2015年度 新入社員 春の意識調査

日本生産性本部のホームページで、「2015年度 新入社員 春の意識調査」の結果が公表されています。 http://activity.jpc-net.jp/detail/mdd/activity001440.html 今春実施した新入社員教育プログラム等への参加者を対象に行った結果をまとめたもので、1990年から数えて今回は26回目だそうです。 本来は、新入社員を迎え入れる側である企業が、世代として…

即興型英語ディベート大会

平成26年12月、東京都立西高等学校で開催された、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学する機会に恵まれました。西、日比谷、湘南、浦和の4校の生徒さんたちが集まり、会場は熱気に包まれていました。この大会は、文部科学省助成事業である「高等学校における多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」のうち、「即興型英語ディベートを活用した統合型ルーブリック評価の研究」(研究代表者:大阪府立大学工学…

即興型英語ディベート大会(その3)

この大会は「即興型英語ディベート」ですから、当然ながら「英語の使用」という点でも教える側に大切なメッセージを伝えてくれています。学んできたことが 「運用力」 に昇華するには、「使う場面」 が整えられる必要がある、ということです。 ❏ 適切な使用場面が、学んできたことを統合する ディベートの参加者たちは、さすがにトップ校の生徒ですが、それでも英語力には個人差もあります。しかしながら、誰もが、必死に且…

即興型英語ディベート大会(その2)

前回に引き続き、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学して感じたところをお伝えします。学校の垣根を越えた生徒同士の交流の起点になっただけでなく、チームディベートという活動そのものが、生徒の間に良好な人間関係を築くきっかけを与えました。当然ながら、この大会を通じて生徒が得たものはこれだけに止まりません。 ❏ 課題解決力/協働力を、意識させずに養う機会として 即興型英語ディベー…

即興型英語ディベート大会(参観録)

先日、東京都立西高等学校で開催された、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学する機会に恵まれました。西、日比谷、湘南、浦和の4校の生徒さんたちが集まり、会場は熱気に包まれていました。 この大会は、文部科学省助成事業である「高等学校における多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」のうち、「即興型英語ディベートを活用した統合型ルーブリック評価の研究」(研究代表者:大阪府立大学工学研究科の中…

学習指導・進路指導を通じた汎用スキルの獲得(その2)

汎用スキルの一部をなす 「批判的思考」 は、教科学習指導や進路指導を行う上できちんと整えておきたい土台の一つです。その能力は、それだけを取り出して訓練するより、具体的な場面で教えるやり方(文脈モデル)の方が所期の成果を得やすいとのこと。学習・進路の指導に、どんな発想を持って臨んだらよいか、もう少し考えてみたいと思いますのでおつきあいください。 ❏ 言語活動を自己目的化させない 自由研…

学習指導・進路指導を通じた汎用スキルの獲得

11月1日に玉川学園で行われた、「21.5世紀探究型学習研究会」で勉強してまいりました。実践報告からは多くの刺激と学びを頂戴しました。また、京都大学大学院教育学研究科の楠見孝教授による「批判的試行を育む:探究学習スキル」と題する基調講演では、探究型学習について理解を深め、整理できただけでなく、たくさんの新たな可能性に気づかされました。楠見孝先生の基調講演は、文科省のホームページにある「批判的思考に…

授業クリニックの現場から

タイトルにある「授業クリニック」というのは、当オフィスが提供している、授業を参観した後、授業をされた先生方とミーティングを持ち、フィードバックを行うサービスの名称です。校内に既に存在している「優れた工夫」や「意欲的な取り組み」を言語化して、校内で共有しやすいものに切り出していくのが目的です。一緒に参観した先生方との対話で、良さを改めて言語化する中で、さらに効果的を高めていくヒントが得られたり、より…

授業クリニックの現場から(その3)

これまでにも、方々の学校をお訪ねして授業を参観させていただきました。その中で、多くの場合に共通する問題も見られます。併せてご参考になればと思い、追記して残しておきたいと思います。 ❏ 既にわかっていることに時間をかけ過ぎない どの学校でも、しばしば見かけることですが、生徒が既にできるようになっていること/わかっているところに時間をかけ過ぎていると感じるケースがあります。前年度までに生徒が学んだこと…

授業クリニックの現場から(その2)

前稿(その1)に引き続き、授業クリニックの現場で目にした「倣いたい手法」をご紹介したいと思います。現場で頑張る先生方の創意と、それを実現していく努力には、いつも深く学ぶことばかりです。 ❏ 板書で授業に流れを作る(前段理解と展望の共有) 前稿でご紹介した、問いを重ね、生徒の発言に乗っかりながら展開していく授業では、対話を重ねながら、そこまでの理解や今考えていることが、常に板書によって生徒の眼前に示…

授業クリニックの現場から(その1)

過日、ある高校を訪ね、「授業クリニック」を行ってきました。いくつかの授業を参観した後、授業をされた先生方とミーティングを持って、フィードバックを行うというものです。ちなみに命名はお客様によるものです。名実一致の秀逸なものかと。フィードバックでは、まず、参観した授業に見出された「優れた工夫」や「意欲的な取り組み」の共有を図ります。優れた実践の所在を知れば、校内で行われているだけに、空き時間を使って参…