その他のテーマ

次期学習指導要領[2030]に向けて(記事まとめ)

現行課程が完成年度を迎えると同時に、次の学習指導要領に向けた検討が始まりました。別稿の通り、基本的な方向に現行課程と変わるところはなく、社会の変化に合わせた「調整」が掛かるくらいです。これまでに積み上げてきたものをきちんと生かし、新たな要請を正しく捉え、しっかり応えていきたいところ。検討が終わり、結論が示されるのはまだ先ですが、それまでに現場で進めるべき準備もありそうです。これまでに、折々に触れて…

記事まとめ(大学編~より良い学びの実現へ)

中高同様、大学の授業でも「何をどのように教えるか」に加えて「学生にどう学ばせるか」が問われます。授業評価アンケートの質問も「わかりやすさ」「面白さ」「役立つ度合い」といった従来型のものだけでは不十分なのは言うまでもありません。学習活動の配列で授業がデザインされることに、校種の違いはありません。「学んだことをもとに課題を解決する機会」や「周囲とのやり取りで気づきを深める機会」の整備度合いに加え、学習…

その他のテーマ(記事まとめ)

1 働き方改革を進めるときに押さえるべきこと 2 新しい学力観について 3 次期学習指導要領[2030]に向けて 4 体験を再構成する学び、その舞台としてのコミュニティ 5 時期に応じた指導/スタートと仕上げ 6 学びを広く捉える~指導を通して何を目指すのか 7 より良い学びの実現へ~大学編 8 当ブログをご利用いただくためのTIPS 9 アーカイブ:古い記事をまとめてみました

指導場面でのAIの利活用(記事まとめ)

AIの活用というと、「学習指導における個別最適化」に関心が集まりますが、探究活動や進路の指導でも、個に合わせた対応での「時間やリソースの制約」にはAIを積極的に活用していく必要がありそうです。各地の学校での取り組みを通して学ばせていただいたこと、そこで考えたことなどを折に触れておこしてきたブログ記事を、関連記事も含めてまとめてみました。お時間の許すときにご高覧いただければ幸甚です。追伸: AIは「…

AIの答えを疑ったあとに、さらに問うべきこと

AIの「同調」によって陥りがちな「独善」の罠 別稿「AIの答えをどう疑わせるか(教室での指導)」を起草した後、実際にAIを使っている場面を観察する中で、もう一つ、別の角度から問い直すべき論点があると感じています。それは、AIが示すユーザーへの同調や全肯定の姿勢を、どう受け止めるべきかという問題です。AIの回答に、論理的に批判・反論すると、「おっしゃる通りです」とあっけなく折れて、AIが全面的に同調…

違和感は思考[探究]の入り口(まとめ)

本稿を起こしたひと月前、2025年7月の朝日新聞『折々のことば』に美術家・評論家である岡﨑乾二郎氏の「批評の始まりは、まず説明しがたい奇妙な細部を見つけることだ」との言葉が紹介されていました。 どんな絵にもうまく説明できない細部がある。そこで感じた違和を抑え込み、既存の枠組みで説明しようとすると、対象は歪(ゆが)んでしまう。逆にその違和をもはや違和としない理解の枠組みを組み立てるのが批評だと、造形…

AIの答えをどう疑わせるか(教室での指導)

AIとの対話が教室に持ち込む、思考の新しい課題 生成AIの利用が既に日常となる中、「AIの出力を鵜呑みにしない、きちんと疑う」という言葉は、教育の現場でも広く共有されています。次期学習指導要領の議論においても、情報リテラシー教育の重要性は、これまで以上に強調されるようになりました。ここで少し立ち止まって考える必要があるのは、「疑う」とは具体的にどういうことなのか――先生方ご自身の利用でも、生徒に対…

AIを使いながら鍛える「思考の力」と「判断の軸」

生成AIを効果的に活用するには、押さえておくべき勘所があります。ただ闇雲に使っても、欲しい解答が得られないばかりか、「尤もらしいだけで根拠に欠く答え」で仕事の邪魔をされることも多々です。AIの出力の妥当性を判断するには、使う側(=ユーザー、人間)にも知識と思考力が必要です。便利さにかまけてAIに頼ってばかりでは、人間本来の強みを鍛えられず、AIを上手に使えなくなります。下表に示すSWOT(強み、弱…

何を目指して、授業/指導をデザインするのか?

知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得への追記 漠然とした言い方になりますが、「先生方のお仕事が、何に対して責任を負うべきものなのか」という問いが、ときどき頭に浮かびます。上の記事を更新するときも、要所で立ち止まっては自問していました。生徒一人ひとりの「確かな学力の形成」はコミットすべきことの一つに間違いないでしょうが、「学力」の捉え方にも、幾つもの階層(=何を対象とするか、どこまで掘り下げ、拡張す…

授業開き/オリエンテーション#INDEX

まだ先のことと思える「新年度」ですが、授業開きやオリエンテーションも、直前になって準備を始めるのでは「付け焼刃」になりがち。多忙なゼロ学期が過ぎる中、後手を踏まないように検討を進めるべく、教科/学年教科内での意識の共有から取り掛かりたいところです。最初のコンタクト(授業開き)で何を伝えるかが、1年間の指導の成否を大きく左右します。新入生を対象とする学習法オリエンテーションなどに限らず、進級する生徒…

授業開き/オリエンテーション(その4)

【スタートに立った生徒に伝えていること】 新年度を迎えての授業開きやオリエンテーションでは、新しく学ぶ科目の目的や学び方に加え、生活や進路に対する心構えや生徒に期待されるところなどが、先生方から熱いメッセージとして伝えられます。こうした指導場面を参観していると、それぞれの先生方の思いや考え方に触れ、聞いているこちらも生徒と一緒に様々な刺激を受けます。新入生を迎える場面での最初の指導と、その前後の進…

授業開き/オリエンテーション(その3)

【指導に臨む前の目線合わせと、効果検証への備え】 授業開きや学習オリエンテーションに臨むに当たり、「ここから始まる指導を通じて、生徒をどんな状態に到達させるのか」を改めて明確にしておく必要があるのは言うまでもありません。授業開きを起点とする一連の指導を通して目指すところが曖昧なままでは、生徒の学習行動を観察・評価する基準も持てないはずです。きちんと目線合わせを行い、先生方の間で指導にばらつきが出な…

授業開き/オリエンテーション(その2)

【授業開きを起点に継続的に行う学習法確立指導】 授業開きや学習オリエンテーションでの指導は、その場で完結するものではなく、「新しく始まる学びに適合させる一連の取り組み」の始まりに過ぎないはずです。指導で伝えたことは、生徒の学び方の改善、ひいては学力の向上という結果に結びついて、はじめて意味を持ちます。最初の指導にどれだけ明確なメッセージを用意して臨み、雄弁に伝えたとしても、受け手である生徒の行動に…

授業開き/オリエンテーション(その1)

【シミュレーションを通じた学習法ガイダンス】 新学期には、新入生に対して様々なオリエンテーションやホームルーム合宿などが計画されているかと思います。進級した生徒に対しても新たに学び始める科目の授業開きでは学習法のガイダンスが行われます。いずれも生徒に対して「こんな行動を取って欲しい、こんな意識をもって日々を過ごしてほしい」というメッセージを伝える大切な場です。しかしながら、期待を伝える前には、生徒…

年度初めに生徒に伝えたことに照らした指導の振り返り

年度末まで(ゼロ学期)に必ず点検しておきたいことの一つに、「新年度を迎えるに当たって生徒に伝えたことが、どこまで生徒の行動や思考に根付いたか」があります。年明けからは、観察に力を入れましょう。クラス担任/学年団として、教科担当者として、あるいは部活動の顧問として、年度初めに生徒に伝えたこと(獲得を期待する行動や姿勢など)があるはずですが、それらがどこまで生徒の中に形になって根付いたかは、1年間の指…

心地よさ[調和]が生まれる原理を学ぶ

美しい、心地よい、好きといった「感覚」を、論理立てて説明したり、どうしてそれが生まれるのか、メカニズム[原理]を言語化して検討・研究したりする機会は、日常の中にはあまりないかと思います。人が感じる美しさや心地よさ、調和といったものは、芸術の世界にだけ存在するものではありません。考え方や、意見・提案、問題の解決策にも、「論理性や合理性を超えたところ」にそれらを感じることがあり、触れた人の心を掴み、広…

AIの時代だからこそ「問いを立てる力」

AIが知的作業の道具(相棒?)として存在感を持ち始めたのは、3年前の2022年11月、ChatGPTの登場を機にしてのこと。以降、あっという間に、学習や仕事、生活の場で、物事を調べたり、考えたりするのに使って当然、なくてはならない道具としての立場を手に入れました。クリックを重ねるまでもなく、尤もらしい答えがすぐに返ってくるのが当たり前(普通の状態)になった今、生徒や学生に限らず、AIを活用するあら…

多様な生徒で構成する学びのコミュニティ

大学入試では、一般選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜という大枠に加えて様々な入試方式が用意されていますが、本来の目的は「多様な学生で構成する学びのコミュニティ」の創出です。学力の高い学生、日々の活動に積極的に取り組んできた学生、強い目的意識や使命感を持って入学してきた学生などがバランスよく混在していれば、様々な場面でそれぞれの強みを発揮する学生からの刺激が、他の学生にも届き、コミュニティには好ましい…

学びの個別最適化の問題点と教室での対応

次期学習指導要領に向けた検討の中でのキーワードの一つは「多様性の包摂」でしょう。その実現には、政策や行政で対応すべき部分と、教室/学校での対応が求められるところがあるのは言うまでもありません。柔軟な教育課程を可能にする制度や、障がいのある子どもや不登校、外国籍など多様な背景を持つ子どもへの対応、さらには教育インフラの標準化と整備、学習者情報の管理と保護のガイドライン策定などは、紛れもなく前者です。…

このデータをどう読むか~教育のデジタル化

少し前になりますが、産経新聞のニュースサイトに「国期待のデジタル教科書 先進国で進むアナログ回帰 子供の学力低下への懸念背景に」という記事(令和7年度全国学力・学習状況調査の結果に基づくもの)が掲載されていました。以下のグラフはその記事からの転載です。  出典:産経新聞(2025年9月21日配信) 記事に添えられていた上のグラフを、素直に(深く考えずに)眺めていると「どの教科でも、授業以外の勉強で…