授業クリニックの現場から

タイトルにある「授業クリニック」というのは、当オフィスが提供している、授業を参観した後、授業をされた先生方とミーティングを持ち、フィードバックを行うサービスの名称です。
校内に既に存在している「優れた工夫」や「意欲的な取り組み」を言語化して、校内で共有しやすいものに切り出していくのが目的です。
一緒に参観した先生方との対話で、良さを改めて言語化する中で、さらに効果的を高めていくヒントが得られたり、より広い範囲(単元や科目あるいは場面)に応用可能な、ノウハウが抽出できることも多々です。
50分間という流れの中で展開していく指導の中から、効果的な手法を切り出せれば、他の実践の中で形作られているものとの組み合わせで、更に大きな効果が期待できるものが形作られていくこともあります。
他校での授業見学や研修会への参加は、重要ながらも「非日常」。見ようと思えばいつでも見られる周囲の実践に倣うべきノウハウを見つけることが、学校全体での継続的な授業改善を進める上での基本でしょう。
また、「良さを言語化してみる」こと自体には、授業を観る目を肥やし、授業改善への思考を豊かなものにしていくための基礎訓練という意味合いもありそうです。校内でもそうした機会を持ちたいものです。

授業クリニックの現場から(その1)

  • 問いを重ねて進めるスタイル
  • 板書を使った、「今、考えようとしていること」の共有

授業クリニックの現場から(その2)

  • 板書で授業に流れを作る(前段理解と展望の共有)
  • 着目点を獲得させるタイプの問い
  • 予習方法を授業内で学ばせる
  • 次の授業へのつなぎ方

授業クリニックの現場から(その3)

  • 既にわかっていることに時間をかけ過ぎない
  • 音読などの練習場面にも目的意識を明確に

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一