「ターゲット設問」とは、本時の授業/単元の学習を通じて、その答えを作るべき「学習内容を俯瞰し得る問い」であり、先生方が授業を設計/デザインしていくときの「思考の軸」となるものです。
例えば、「荘園制度の起こりについて、以下の用語7つを使い、200字で説明せよ」という問いをターゲットにすれば、何をどう学ばせていくかを、一つの方向に沿って設計していくことができるはずです。

問いに答えるのに不足するものを揃え得る学習活動を選択・配列することで、授業は設計されます。導入フェイズで提示すれば、学習に見通しを与えますし、学び終えて答えを仕上げさせれば、深く確かな学びが実現し、学びの成果のたな卸しもできます。
必要とされる背景
各単元に固有の知識・技能は、獲得せさせるだけでなく、それらが生きて働くものかどうかが問われます。何を学び、それをどう使っていくか(活用するか)を具体的にイメージするには、「問い」の形で目標を示すのが最も合理的(2342)。
体系的理解の形成を図るにも、「何のために学ぶのか」を生徒に認識させるないことには、学びは自分事になりません(2305、2425)。
また、探究的な学びに向かわせるにも、各教科で単元理解の核を作らなければ、探究も思考の土台を欠き、中途半端になります(25893)。
そこで、学習内容を俯瞰し得る問いを軸に、学ばせるべきものと活動の配列を明確にし、「教室でしかできない学び」に時間をしっかりと振り向ける設計が必要になります(2376、2407)。
実践の場での使い方
1.本時/単元の導入で提示し、活動を配列する
教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計では、本時/単元の学びを俯瞰し得る問いを設定し、答えに必要な知識・理解・発想を抽出し、それぞれを「読む・考える・話し合う・説明を聞く」などの活動に振り分け、授業内外に配列する流れを示しました。
2.予習・復習のタスクと結びつける
予復習に課すタスクで”教室の学び”を最適化では、予習の質を決定づける「焦点提示ツール」として位置付けています。適切な問いを与えることで、生徒は「どこに注意して読むべきか」「どこまで理解すればよいか」をつかみ、目的意識と展望をもって、授業準備に取り組めます。
3.学習の前後(「仮の答え」と「仕上げ直した答え」)を比較する
最初の答えと作り直した答えの差分=学びの成果では、単元導入段階で作った「仮の答え」をとっておき、学習(調べる、考える、話し合う)を経て、作り直したものと見比べることで、学びの成果として可視化させることを提案しました。答えのシェアで相互啓発も働きます。
4.単元理解の核を外さないための軸とする
各教科で実践する「探究的な学び」では、学びの拡散を防ぎつつ、思考の土台をつくるための起点と位置付けました。生徒が「探究的な学び」を進める上で欠かせない「単元理解の核」を確実に整えるべく、適切なターゲット設問を用意し、その答え作りに取り組ませましょう。
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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一
