用語集

授業改善を加速するための共通言語(用語集)

より良い授業の実現を目指した先生方の協働(学校全体での/学校を跨いだ授業改善)を進めるときに大切なことの一つに、「授業や学習を語る共通言語」の存在があります。当然ながら、学習指導要領で用いられている言葉の数々もそこに含まれますが、それだけではありません。日々の授業研究の中で、一定以上の頻度で使われていながら、きちんと定義されていない言葉も少なくないかと思います。概念を共有できる言語がなければ、噛み…

成果のたな卸し(用語解説)

「学びの成果のたな卸し」とは、学習を終えた段階で、自分がどのような知識・理解・思考の更新を得たのかを整理して確認する営みのこと。学習前の状態や最初の考えと比べながら、どこが変わり、どこまで理解が進んだのかを可視化し、学びの進捗を把握します。振り返りでは、「できるようになったこと」と「まだ不十分なこと」を切り分けて整理します。学習によって得られた成果だけでなく、理解が曖昧な部分や課題として残る点も確…

目線合わせ(用語説明)

「目線合わせ」とは、教育活動を進める前に、指導者間で指導目標や到達水準、評価観点などについて理解を共有し、解釈のずれを解消する作業。各人が持つ期待や判断基準を言語化し確認し合うことで、指導や評価の方向性を共通の前提のもとに揃えることを目的とします。この作業は、生活、学習、進路、探究の各領域の指導について行います。学年・学期を経て指導の成果を積み上げていくには、最終的なゴールだけでなく、教育活動の各…

学習方策(用語説明)

「学習方策」とは、生徒が身につけている、学習を進めるうえで必要な行動と思考の様式の総体であり、学習者としての自立を図る上での基盤を形成するものです。調べる、考える、話し合う、振り返って改善する方法と姿勢の獲得が、あらゆる学びの営みを支えます。学習方策は、説明を聞くだけで身につくものではありません。課題等に取り組み、試行錯誤を重ねる過程の中で、少しずつ獲得が進むもの。取り組みを振り返り、うまくいかな…

適正負荷(用語解説)

学習の場では、課題が容易すぎれば不足している力に気づく機会を失わせ、逆に難しすぎれば挑戦する意欲そのものを奪いかねません。学びを前進させるには、少し背伸びさせる(≒クリアするのに努力と工夫を必要とする)程度の負荷が掛かっていることが求められます。生徒による授業評価アンケートのデータを解析してみると、「ちょうどよい」では負荷の不足が疑われ、「少し難しい」と半々になるくらいの難易度水準が、学習効果を最…

相互啓発(用語解説)

「相互啓発」とは、学習者が互いの答案・発言・思考過程などを共有し合い、その違いや着眼点を材料にして理解や発想を更新していく「気づきの交換」の働きを指します。学習の過程では、同じ問いに向き合っていても、生徒ごとに着眼点や情報の拾い方、答えの組み立て方が異なります。これらを発表や答案共有の場で持ち寄ることで、他者の発想や思考の道筋に触れることで、自分の理解や答えを見直す契機が生まれます。このとき交換さ…

認知の網(用語解説)

「認知の網」とは、既得の知識や経験によって形作られ、新たに入ってくる情報を拾い上げて理解や意味づけを行うときに働く、頭の中にある認知の構造(知識や経験のネットワーク)を指す比喩的な表現です。人が新しい情報を理解したり意味づけたりするときには、既得の知識や理解、記憶が手掛かりとして働きます。新たに入ってくる情報を拾い上げて結び付けるその働きを、ものごとを掬い取る「網」に喩えました。学びや体験が不足し…

仮の答え(用語解説)

「仮の答え」とは、本時/単元で設定した「ターゲット設問」に対し、学習を本格的に始める前の段階で、生徒がその時点で持ち合わせている知識・経験・発想を総動員して作る「未完成の答え」です。これによって「どこまで理解しているか」「どこに不明や誤解があるか/何が不足しているか」といった、学びの初期値を測定することができます。初期値の把握は、その後の学びを正しく設計する前提です。 また、問いを与えられ、答えを…

問いの分割/スモールステップ化(用語解説)

「問いの分割/スモールステップ化」とは、大きく複雑で、どこから手を付けてよいかわからない問いや課題を、その答えに至る思考・作業のプロセスに即して、複数の小さな問いや段階的タスクに分解し、学びに取っ掛かりと方向性を与える授業設計の考え方。フェイズごとに理解や進捗を確かめながら進めることで、観察とリカバーの機会を確保し、不明や躓きの発生箇所を早期に捉えましょう。補完説明や問い直しのチャンスを確保するこ…

ターゲット設問(用語解説)

「ターゲット設問」とは、本時の授業/単元の学習を通じて、その答えを作るべき「学習内容を俯瞰し得る問い」であり、先生方が授業を設計/デザインしていくときの「思考の軸」となるものです。例えば、「荘園制度の起こりについて、以下の用語7つを使い、200字で説明せよ」という問いをターゲットにすれば、何をどう学ばせていくかを、一つの方向に沿って設計していくことができるはずです。 問いに答えるのに不足するものを…