まだ先のことと思える「新年度」ですが、授業開きやオリエンテーションも、直前になって準備を始めるのでは「付け焼刃」になりがち。多忙なゼロ学期が過ぎる中、後手を踏まないように検討を進めるべく、教科/学年教科内での意識の共有から取り掛かりたいところです。
最初のコンタクト(授業開き)で何を伝えるかが、1年間の指導の成否を大きく左右します。新入生を対象とする学習法オリエンテーションなどに限らず、進級する生徒にも、しっかり導入指導を行いましょう。
生徒に何を伝えるかも大事ですが、生徒の行動様式や意識の在り方を把握し、事前に作成していた指導計画の「調整」にも注力すべきです。どこかに足を踏み出そうとするなら、現状把握は不可欠。携行品(生徒が備えるレディネス)に不足がないか確かめるようにしましょう。
取り組み方などを伝えるにしても、方向付けは大切ですが、生徒の学習行動を過剰に縛っては、「考えながら外れること」(道草)での「新しい発見/偶然との出会い」を遠ざけることになりかねません。
新入生への「初顔合わせ」は、入学予定者の事前登校日でしょう。そこまでのカレンダーをしっかりと意識して準備を進めたいところです。
2016/03/28 公開のまとめページを再アップデートしました。
・ファーストコンタクトでは観察に主眼を
・模擬授業を挟み、予習と復習のシミュレーション
・生徒が中高の学びのギャップを感じ取ったところで
・どんな学習方法を提示すべきか
・学習法の確立を早めるために観察と支援と刺激
・以前からのやり方に固執する生徒への対応
・最初の定期考査の結果を踏まえ、学び方の振り返り
・生徒と同時に、先生も自分の指導を振り返り
・指導手順を考える前に、目指すものをきちんと言語化
・授業開きに臨む前に、発想の交換と目線合わせ
・評価の基準を定め、指導の効果をしっかり測定
・効果測定にアンケートやリフレクション・ログも活用
・目の前の課題にチャレンジする中で
・忙しい時だからこそ身につくタイムマネジメント
・夢を実現しようとする互いの努力を尊重する
・何にでもトライする中に生じる「偶然との出会い」
・日々の学びを大切に、「認知の網」を正しく張る
このシリーズは教科学習指導の場での導入指導(授業開き/オリエンテーション)に焦点を当てましたが、より広く教育活動全体を円滑に且つ効果的に進めるには、生活・学習・進路の各領域で生徒に期待するところや指導の方針を最初の段階からきちんと伝えていくことも必要です。
各教科の学びを土台に進める「総合的な探究の時間」についても、導入指導をどのように行うかは、1年の学びの進展を大きく左右します。目的とするところや進み方を、早い段階から理解させましょう。過年度学年が残した成果(ポスター、論文)も導入指導の材料に活用できます。
また、指導の成否は、計画立案時に想定した生徒の初期状態(入学・進級までに何を経験し、何を身につけているか)が実態と合致しているかどうかに左右されます。しっかりと見極めていきましょう。その場の観察だけに頼らず、様々な資料、調査を利用することが有効でしょう。
年度初めに行った導入指導が所期の成果を収めるには、授業開き/オリエンテーションで伝えたことがどこまで生徒の行動や思考の中に実現しているかを継続的に観察し、不足はタイミング良く補完を図る必要があります。次の年度末を待つことなく、局面ごとに中間検証やその後の補完指導もしっかりと計画しておくことが大切ではないでしょうか。
生徒に対する初期/導入指導に加えて、新年度を迎えるための準備は多岐に亘ります。工数の見込みを立て、カレンダーにどう納めるかを前もって見渡しておくことが求められる局面です。優先順位の高いものが漏れることのないよう、取捨選択もシビアに行っていきましょう。
新年度を迎えるに当たり~まとめページ
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一
