問題意識を刺激する(学びのウォーミングアップ)
教科学習指導の目標の一つは問題解決力の養成です。先生方は、その土台(生きて働くべき知識・理解)を獲得させるべく、授業を行います。しかしながら、生徒の問題意識が十分に刺激されず、希薄なままでは、先生方がどれほど熱く語り、知識を伝えようとしても、「打てども響かず」「吹けども踊らず」ということになりかねません。生徒の問題意識を十分に刺激し、生徒一人ひとりが「学ぶことへの自分の理由」を持てるよう、効果的な…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
教科学習指導の目標の一つは問題解決力の養成です。先生方は、その土台(生きて働くべき知識・理解)を獲得させるべく、授業を行います。しかしながら、生徒の問題意識が十分に刺激されず、希薄なままでは、先生方がどれほど熱く語り、知識を伝えようとしても、「打てども響かず」「吹けども踊らず」ということになりかねません。生徒の問題意識を十分に刺激し、生徒一人ひとりが「学ぶことへの自分の理由」を持てるよう、効果的な…
学習目標を生徒に把握させるのに最も手早く確実で、且つ広範に使える方法は、別稿でお伝えした通り、「学び終えて解を導くべき課題を導入フェイズで与えること」ですが、単元の内容やその日の授業の目的によっては、賛否の分かれる問題(=論点、イシュー)から入る「ディスカッション型の導入」も効果的です。 2018/08/07 公開の記事を再アップデートしました。 ❏ 賛否を違える意見に触れることで やり方には幾つ…
どの教科、科目、単元でも言えることですが、生徒が「それらを学ぶことへの自分の理由」を持っていないことには、「深く確かな学び」を実現するための必須要素である「主体的な学び」は期待できません。能動的・積極的な学びには、目的意識と学びの方策の2つが必要です。目的意識をもって学びに取り組んでいるか、学習方策の獲得はどこまで進んでいるかによって、取り組みもその成果も違ったものになります。新年度に始まる新たな…
春休みが終わればいよいよ新年度の始まりです。オリエンテーションもあれば、それぞれの学年で教科・科目ごとの授業開きもあります。最初のコンタクトで何を伝えるかが、1年間の指導の成否を大きく左右します。新入生に限らず、新2年生、新3年生に対しても、しっかりと導入指導を行いましょう。こちらからどんなメッセージを伝えるかも大事ですが、生徒の行動様式や意識の在り方をできるだけ早く把握し、事前に想定していた指導…
【スタートに立った生徒に伝えていること】 新年度を迎えての授業開きやオリエンテーションでは、新しく学ぶ科目の目的や学び方に加え、生活や進路に対する心構えや生徒に期待されるところが先生方から熱いメッセージとして伝えられます。こうした場を参観していると、それぞれの先生方の思いや考え方に触れ、聞いているこちらも生徒と一緒に様々な刺激を受けます。新入生を迎える場面での最初の指導とその前後の進め方を考えてき…
【指導に臨む前の目線合わせと、効果検証への備え】 授業開きや学習オリエンテーションに臨むに当たり、「ここから始まる指導を通じて、生徒をどんな状態に到達させるのか」を改めて明確にしておく必要があるのは言うまでもありません。授業開きを起点とする一連の指導を通して目指すところが曖昧なままでは、生徒の学習行動を観察・評価する基準も持てないはずです。きちんと目線合わせをして先生方の間で指導にばらつきが出ない…
【授業開きを起点に継続的に行う学習法確立指導】 授業開きや学習オリエンテーションでの指導はその場で完結するものではなく、新しく始まる学びに適合させる一連の取り組みの始まりに過ぎないはずです。指導で伝えたことは、生徒の学び方の改善、ひいては学力の向上という結果に結びついてはじめて意味を持ちます。如上の場にどれだけ明確なメッセージを用意して臨み、雄弁に伝えたとしても、受け手である生徒の行動に好ましい影…
【シミュレーションを通じた学習法ガイダンス】 新学期には、新入生に対して様々なオリエンテーションやホームルーム合宿などが計画されているかと思います。進級した生徒に対しても新たに学び始める科目の授業開きでは学習法のガイダンスが行われます。いずれも生徒に対して「こんな行動を取って欲しい、こんな意識をもって日々を過ごしてほしい」というメッセージを伝える大切な場です。しかしながら、期待を伝える前には、生徒…
2019年に出版されてベストセラーになった『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』では、その冒頭に簡単ながら、答えがちょっと意外なクイズが 13 個用意されています。例えば、こんな問題です。 自然災害で毎年亡くなる人の数は過去100年でどう変化したか。{2倍以上になった/あまり変わっていない/半分以下になった} 単純な三択問題ですので、まったく手掛かりなしに当てずっぽうで答えたとしても33%…
新しい単元を学ぶ入り口では、生徒がこれまでの学習(教室の中に限らず生活を送る中でのもの)を通して、これから学ばせる内容/対象について何をどこまで知っているか/どんなイメージを持っているかを把握しておくことが大切です。生徒が既に知っていること/イメージしていることと、授業を経て形成させるべき十分で正しい理解との「差分」を埋めることこそが、本時の指導で達成すべき目標である以上、学びのスタートで生徒がど…
思考のための道具は知識です。どの単元を学ぶときでもある程度まで体系的な知識を整えさせないと、その先に取り組むべき思考・判断・表現といった活動には進めませんが、体系的な知識を形成しようと先走り、導入フェイズから長々と説明を聞かせては生徒は退屈するばかりです。その日の授業で学ぶことに「興味」や「理解する必要性」を感じ取る前にあれやこれやと説明を聞くのを苦痛と感じる生徒もいるでしょうし、抽象概念を消化す…
新型コロナウイルスの感染拡大で5月の連休まで対面での教育活動は事実上不可能になりました。この状況下では、生徒一人ひとりがどれだけ主体的・意欲的に学習を進めるかが問われますが、生徒の意欲と力量に任せるだけでは学力差は大きく広がるばかりです。 しっかり取り組んだ生徒は、単元の理解や知識を十分に蓄えるだけでなく、学びのスキルも高めているはずです。その一方、形だけ整えて終わりという生徒や、表面をなぞること…