最初の答えと作り直した答えの差分=学びの成果
何らかの課題や問いを与えて生徒に取り組ませるとき、生徒が最初に作った答え(=単元やテーマを学ぶ前の段階で考え出せたこと)を保存しておき、それを学び終えて仕上げた答えと比べてみると、両者の違いに着目することで学びの成果を確認・可視化できるようになります。たとえ、答えに行きつかなかったとしても、書きかけの答案や題意を図に起こそうとしたときの痕跡もあるはずです。それをノートやワークシートから消してしまわ…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
何らかの課題や問いを与えて生徒に取り組ませるとき、生徒が最初に作った答え(=単元やテーマを学ぶ前の段階で考え出せたこと)を保存しておき、それを学び終えて仕上げた答えと比べてみると、両者の違いに着目することで学びの成果を確認・可視化できるようになります。たとえ、答えに行きつかなかったとしても、書きかけの答案や題意を図に起こそうとしたときの痕跡もあるはずです。それをノートやワークシートから消してしまわ…
教科・科目に固有の考え方を理解させ、それに基づき物事を正しい見方で捉えられるようにさせることは、教科・科目を学ばせる最大の目的のひとつだと思いますし、そうなれたとの実感は生徒がその先に学びを進めていく上で大きな動機になると思います。科目への自己効力感も高め、興味も大きく広げさせるでしょうし、今まで興味を持つことがなかったことに面白みを感じ、関心を向けられるようになったら、そこから先の成長には大きな…
別稿「手を使って書き写すことの大切さ」で書いた通り、デジタル機器の普及で、手を使って書く機会はめっきり減りました。その影響は、手を使っての筆記が、キーボードやタッチバット、音声認識に置き換えられるという行動面での変化に止まりません。思考のありかたや、物事を考え出すときの手順そのものも変わっていきます。普段の生活の中で使うことができる道具は、教室での学びやテストの場に持ち込んでこそ、時代が必要として…
先日の新聞に、変わる、定期テスト ノート持ち込みOK・単元テストに変更 大学入試改革にらむ(朝日新聞2019年11月27朝刊)という記事が掲載されていました。記事には、生徒と先生の双方で起きた変化がそれぞれの立場からの発言を引用して次のように書かれています。 生徒の発言:「最初はイヤだなと思った。勉強しても差がつかなくなるから」と勉強熱心な3年女子。でも問題が増えて難易度も上がり、ノートを要領よく…
総合的な探究の時間において、生徒に研究テーマを考えさせるところでご苦労を抱えておられる先生方も少なくありません。地域連携や新しいビジネスなどの考案に取り組ませて自らの進路と向き合わせる教育活動でも、アイデアを出させるフェイズでのご苦労が多いようです。進路指導もまた、自分の将来を対象として行う探究活動であり、その探究の成果が「志望理由書」や「学修計画書」といった形で、大学進学に際して合否判定の材料と…
学校の中に新しい教育活動が採り込まれるにつれて、生徒にアイデアを出させる機会が増えてきました。日々の教科学習指導の中でもPBL型の授業デザインなら、解の導き方や物事を確かめる手順などを生徒自身の発想に委ねることもあれば、探究学習のテーマを考えさせたり、新しいビジネスの発案に挑ませたりすることもあります。そんなときに、何の土台もなく「さあ、アイデアを出してみよう」と旗だけ振っても上手くは行きません。…
11月も半ばを迎え、最上級生はいよいよ進路希望の実現に向けて本格的なスパートに入ったものと拝察します。一方で、ここから先は弱気の虫も騒ぎ出しやすい時期。期末考査の終了後は登校日も少なく、周囲の頑張りや先生の励ましに触れて気持ちを新たにする機会も減りがちです。“受験期はまたとない成長の好機“です。苦しく感じるのは頑張っている証拠ですから、受験を終えたときに気づく自分の成長を楽…
家庭学習時間の延伸を図るなら、合理的で効果的な課題をきちんと与える必要があります。そもそも、生徒が十分な時間を授業外学習に投じてくれないことの背景には、「やらなくても困らないから」「やったことによるメリットを実感できないから」といった理由があるのではないでしょうか。やらないと困る状況を作ろうとして、小テストの不合格者に再テストを課すのは昔からよくある手ですが、ペナルティの効果はその場限りのものにな…
家庭学習時間の延伸を目指した対応策を検討するときに想定すべき「生徒は家庭学習に十分な取り組みを見せてくれない理由」には、様々なものが考えられますが、最も大きく影響しているのは「取り組みに喜びが見いだせないこと」、即ち「家庭学習に取り組むことの中に達成感を得たり、自分の進歩を実感できないこと」ではないでしょうか。 ❏ 真面目に取り組んだことの成果を実感できるか 指示された予習や復習、与えられた課題に…
家庭学習の習慣作りに向けて指導では、「なぜ家庭学習が根付かないのか」を考えてから、それぞれの背景にある阻害要因を取り除く策を講じる必要があります。前稿では、以下の5つの原因を想定した上で、最初の2つについて考えるところをまとめました。引き続き、その他の原因について考えていきたいと思います。1.やろうと思ってもできない(レディネスが整っていない) 2.やるべきことが明確になっていない(指示が具体性を…
家庭学習の習慣の形成と維持は、程度の差はあれどの学校でも課題として認識され、様々な対策が講じられていますが、成果が十分に上がっているケースばかりではなさそうです。「一日あたり2時間の家庭学習」をお題目のように繰り返し、家庭学習の重要性を訴え続けるだけでその目標をクリアできたという話は聞いたことがありませんし、各教科で宿題を増やすという戦略もあまりうまく機能しないようです。家庭学習時間の延伸を目指し…
模擬試験を受験するときに生徒がどんな志望校を書いているか、きちんと目を通して把握しておく必要があると思います。言うまでもありませんが、生徒が記入した志望校群を漫然と眺めて、「なるほど、こういう大学を志望しているのか」と受け入れているだけでは不十分です。第一志望から順に並ぶ大学・学部・学科が、きちんとした手順を踏んで選び出されたものか、十分な理由をもって志望校に挙げられているかを観点に、各生徒の志望…
学習評価は多面的に行う必要があります。仮に成績が伸びていたとしても言われたことをただこなした結果であれば、先生が手を離した途端に学びを止めてしまうかもしれませんし、伸びている実感を欠いた生徒はその科目を学び続ける意欲を失いつつある可能性もあります。正しい学びの場を創出できているか、授業を中心とする教科学習指導がきちんと成果をあげているかを知る上で、チェックすべきことがらは多岐に亘ります。以下はその…
高大接続改革や新課程を目の前に、知識・理解、思考力・判断力・表現力、協働性・主体性・多様性をバランスよく伸ばす指導方法の確立は先送りできない課題です。主体的で対話的で深い学びを実現するには、解くべき課題を与えて生徒が自ら/協働で解法を考える場を作る必要がありますが、そうした授業内活動を含む授業をデザインしても、生徒が積極的に参加してくれないことには狙った効果が得られません。教え込むより、調べさせて…
授業内の活動に生徒を積極的に参加させるには「失敗への恐れなどを上回る強い動機」を与えることが大切であると別稿で書きました。アクティビティを配列するだけでは目的意識のない「やらされ感」が先行するばかりですし、外圧で行動を促すだけでは外圧が解けたときに生徒は行動を取らなくなります。こうした手段に拠らず、簡単にはさぼれない環境を作り、頑張った生徒には相応の達成感が得られる仕組みを作り出すことにこそ、教え…
今期もあちらこちらの学校をお訪ねして授業を拝見させていただきました。様々な工夫が凝らされた実践を拝見して、刺激を受けながら貴重な時間を過ごせました。この場をお借りして御礼を申し上げます。素晴らしい実践については、機会を見つけて当ブログでもご紹介していく予定ですが、それとは別にどうしても気になる場面も少なからず見受けられました。その中の一つが、以前の記事でも取り上げた「生徒を指名して発言させるとき」…