模擬試験で記載した志望校を確認しての指導
模擬試験を受験するときに生徒がどんな志望校を書いているか、きちんと目を通して把握しておく必要があると思います。言うまでもありませんが、生徒が記入した志望校群を漫然と眺めて、「なるほど、こういう大学を志望しているのか」と受け入れているだけでは不十分です。第一志望から順に並ぶ大学・学部・学科が、きちんとした手順を踏んで選び出されたものか、十分な理由をもって志望校に挙げられているかを観点に、各生徒の志望…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
模擬試験を受験するときに生徒がどんな志望校を書いているか、きちんと目を通して把握しておく必要があると思います。言うまでもありませんが、生徒が記入した志望校群を漫然と眺めて、「なるほど、こういう大学を志望しているのか」と受け入れているだけでは不十分です。第一志望から順に並ぶ大学・学部・学科が、きちんとした手順を踏んで選び出されたものか、十分な理由をもって志望校に挙げられているかを観点に、各生徒の志望…
学習評価は多面的に行う必要があります。仮に成績が伸びていたとしても言われたことをただこなした結果であれば、先生が手を離した途端に学びを止めてしまうかもしれませんし、伸びている実感を欠いた生徒はその科目を学び続ける意欲を失いつつある可能性もあります。正しい学びの場を創出できているか、授業を中心とする教科学習指導がきちんと成果をあげているかを知る上で、チェックすべきことがらは多岐に亘ります。以下はその…
思考力・判断力・表現力が重視され、主体的に学ぶ姿勢が求めれるようになる中、生徒が自ら考えたことを発表する場面が増えてきました。 探究型学習の成果発表会などはその最たる例でしょうが、高大接続改革を機に「証明する方法を説明する」「解決策を考え周囲の理解と共感を得る」という言語活動の要素を含む問題が登場するなど、日々の教科学習指導の中でも「自らの考えに適切な表現を与える力」を獲得させる必要が高まってきて…
授業内活動というと生徒同士の話し合いが真っ先に思い浮かぶかと思いますが、先生との問答やテストや資料を読んで自力で理解すること、考えたこと/気づいたことをまとめることなど、実に様々なものがあります。教室での対話を通じて得た気づきを携えて課題にじっくり取り組み納得のいく答えを仕上げることだって学習者の活動の一つでしょう。 教室を島型のレイアウトに切り替えて話し合いをさせるだけでは、こうした多岐に亘る活…
前回に引き続き、教科書や資料を読むことを起点とした授業内活動について考えてみます。読んで理解し、文字を介した先人/作者と対話することも立派な活動ですが、自分が活動していること/そこで何かの学びや進歩があることを生徒が実感できるような仕掛けがあると、活動へのモチベーションも高まるのではないでしょうか。 読むことは、英語や国語といった言語系の教科に限りません。理科や地歴公民の教科書や資料を読みますし、…
思考力や判断力、表現力を高める上では言うまでもなく、知識の定着を図るにも、理解を深く確かなものにするにも学習者自らが活動する必要があります。どれだけ丁寧に教えても覚えるのは生徒ですし、習ったことを使ってみてこそ、道具としての知識に意味の拡張が図られます。 知識の獲得・拡充を図る場面でも、自ら調べて情報を集め、知識に編む練習をさせなければ、いつまでたっても教わること以外に学ぶすべを知らないままです。…
高大接続改革や新課程を目の前に、知識・理解、思考力・判断力・表現力、協働性・主体性・多様性をバランスよく伸ばす指導方法の確立は先送りできない課題です。主体的で対話的で深い学びを実現するには、解くべき課題を与えて生徒が自ら/協働で解法を考える場を作る必要がありますが、そうした授業内活動を含む授業をデザインしても、生徒が積極的に参加してくれないことには狙った効果が得られません。教え込むより、調べさせて…
授業内の活動に生徒を積極的に参加させるには「失敗への恐れなどを上回る強い動機」を与えることが大切であると別稿で書きました。アクティビティを配列するだけでは目的意識のない「やらされ感」が先行するばかりですし、外圧で行動を促すだけでは外圧が解けたときに生徒は行動を取らなくなります。こうした手段に拠らず、簡単にはさぼれない環境を作り、頑張った生徒には相応の達成感が得られる仕組みを作り出すことにこそ、教え…
授業中の活発な発言や思考を促そうと、様々なアクティビティを仕掛けてみても思ったように生徒が動いてくれないことも少なくありません。生徒が自力で/協働で解決すべき課題を与えないと、活動が自己目的化し、盛り上がりにも学びの深まりにも欠けてしまいます。しかしながら、しっかりお題を与え、生徒が考え/話し合う場を作ってみても、戸惑いもあるのか動き出しが悪かったり、もじもじするばかりでいっこうに意見が出ず、思考…
今期もあちらこちらの学校をお訪ねして授業を拝見させていただきました。様々な工夫が凝らされた実践を拝見して、刺激を受けながら貴重な時間を過ごせました。この場をお借りして御礼を申し上げます。素晴らしい実践については、機会を見つけて当ブログでもご紹介していく予定ですが、それとは別にどうしても気になる場面も少なからず見受けられました。その中の一つが、以前の記事でも取り上げた「生徒を指名して発言させるとき」…
生徒を指名して発言させるのは、積極的で能動的な学習参加を促すとの意図による部分もあるでしょうが、やり方を間違えると、指名されていない他の生徒が思考と表現を止めてしまったり、発言は引き出せても、対話的で深い学びに繋がらなかったりすることもままあります。各地の学校をお訪ねして授業を拝見していると、指名には実に色んなパターンがあります。昭和の時代からよくあるこんな方法も、令和となった今でもまだよく見かけ…
生徒に発言させることには様々な目的がありますが、その目的を達する方法は発言だけに限られるわけではなく、目的に応じた代替手段を講じた方が効果が大きいこともある、というのが前稿の趣旨です。 しかしながら、生徒に発言をさせてこそ、そこに含まれる気づきや考えをクラス全体でシェアすることができ、その先に発想の拡充や思考の深まりが期待できる場面も少なくありません。活発に発言が飛び交わないことには対話的で深い学…
昨日の記事に引き続き、生徒を指名して発言させる場面を考えていきます。全員に発言の機会を与えることで能動的に学びに関わらせたいという意図が、方法を誤ると意図とは逆の結果をもたらすことはすでにお伝えした通りです。本日は、もう一歩、根源的なところに立ち戻り、「なぜ、生徒に発言させるか」 を少し掘り下げみたいと思います。 2015/11/02 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 生徒に発言させることで…