大学入学共通テストにおける問題作成の方向性から
先月の中旬に、大学入試センターから「大学入学共通テスト」における問題作成の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨についてとの発表がありました。 発表資料の冒頭には、 各教科・科目における問題のねらいや実施方法等については、これから11月に実施さ れる試行調査の分析・検証を経て、来年度初頭に正式に公表される予定(攻略) とありますが、現時点での検討状況は把握しておきたいものです。…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
先月の中旬に、大学入試センターから「大学入学共通テスト」における問題作成の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨についてとの発表がありました。 発表資料の冒頭には、 各教科・科目における問題のねらいや実施方法等については、これから11月に実施さ れる試行調査の分析・検証を経て、来年度初頭に正式に公表される予定(攻略) とありますが、現時点での検討状況は把握しておきたいものです。…
大学入学共通テストの導入に向けた試行調査では、その試行結果の報告において、「探究の過程等の設定を通じて、知識の理解の質を問う問題や思考力、判断力、表現力を発揮して解く問題を、各科目における全ての分野で重視した」とのこと。“探究の過程等の設定”(…行政文書らしい言い回し!)と言われても、具体的なイメージがわきにくいところですが、添え書きをみると、 などを設定すること(らしい)…
与えられたテクストから読み取った情報をもとに思考した結果を表現する力は、今後ますます求められますが、ここでいうテクストは「言語情報」だけではありません。グラフ、データテーブルなどの数値をもとにしたものもあれば、イラストや地図といった平面上に表現されるものなどあらゆるものが含まれます。各教科の教科書を見ても、本文以外のパートから得られる情報は膨大なものであり、それらの非言語情報をハンドリングし、他者…
学力や技能の向上を実感できなければ興味や関心は高まらないことは、以前の記事でご紹介した通りですが、学力や技能の向上を実感することとその科目に対する興味・関心の高まりとの相関には、学年が上がるごとに高まる傾向が見られます。初学者のうちは、興味をダイレクトに刺激する方策が有効であっても、学年があがり大人に近づくにつれて、「学力や技能の向上を実感できなければ、興味や関心は高まらない」というメカニズムが優…
2020年の高大接続改革もいよいよ近づいてきと感じます。新テストに最初に挑む世代もすでに中学3年生。来年は高校に入学してきます。高校の教育成果は3ヵ年の積み上げですから、本年度のうちに対応準備を進めたいところ。 まだ全容が見えているわけではありませんが、現時点で見えているところから、やるべきところをしっかり考えていくべきだと思います。 文科省、大学入試センターからの先週の発表を受けて、考えるところ…
先日(5月16日)に、大学入試センターから「大学入学者共通テスト(仮称)」の国語と数学のモデル問題が公表されました。また、採点基準案やモニタ実施の結果も出ています。何回かに分けて考えたところをまとめてみます。 ❏ コンピテンシーを発揮する場の想定が変化した? 国語のモデル問題をみて、真っ先に感じたのは 事業者からの提案のどこが行政のガイドラインに抵触するか判断する 対立する意見がある…
大学入試改革で、「表現力」と並んで注目されている「思考力」。きちんと定義されることもなく用いられてきたことが多いだけに、それをどう評価し、どのように獲得させていくかは教える方それぞれの経験則や主観で語られがちです。頭の中で起きている思考は、アウトプットされたものを外から観察できる表現力とは異なり、プロセスのすべてを直接的に観察することはできません。答案として書き出されたものから伺えない部分は、生徒…
学びの過程で、途中のどこかと仕上げの段階とで答えを作る場を2度おいてみると、最初の答えと最後の答えとの間には当然ながら違いが生じます。両者の違いには、その間に獲得した知識に加えて「積み上げられた生徒の思考」も含まれていますよね。 ❏ 思考の広がりと深まりを見て、学習を評価 その違いを最も大きくするような授業が好ましい授業であることは言うまでもありません。教育経済学の言葉を借りれば、「付加価値が大き…
思考を評価するには、課題解決行動そのものを観察することが必要です。「考えるための問い」を示したら、まずは生徒に解かせてみて、その過程でどんな思考がおこなわれているか/どこで躓いているか(どのような思考ができていないのか)を注意深く観察してみましょう。 ❏ 問いには2つのタイプ~特性を見極めて 問い(設問・課題)と一括りにされるものの中には、外から見える解決行動で2つのタイプに分けることができます。…
妙なタイトルになってしまいましたが、頭の中を覗くといってもMRIやCTで頭蓋内の検査をすることでも、ましてや開頭して目視で脳を観察することでもありません。生徒に自分の頭の中で起きていることを、様々な方法で客観的に捉えさせようということです。 ❏ どうしてそう考えたのかを尋ねてみる 問いに答えを導いたり、課題を解決したりする場合、きちんとロジックに沿って答えを導き出しているなら、別の機会に新たな問題…