評価の基準と機会を見直し~指導計画の起案前に
新年度に向け、指導計画の見直しが行われていることかと拝察します。現行課程の完成年度を経て、これまで進めてきた取り組みにも改善課題が見えているはず。反省を活かしてより良い指導を実現していくのは至極当然ですが、指導計画を更新する前にやるべきことがあります。先ずは「これまでの指導を振り返り、その成果(進捗)と反省点(改善課題)を的確に把握し直すべき」であるのは、先日の記事「指導計画の更新は、効果測定の結…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
新年度に向け、指導計画の見直しが行われていることかと拝察します。現行課程の完成年度を経て、これまで進めてきた取り組みにも改善課題が見えているはず。反省を活かしてより良い指導を実現していくのは至極当然ですが、指導計画を更新する前にやるべきことがあります。先ずは「これまでの指導を振り返り、その成果(進捗)と反省点(改善課題)を的確に把握し直すべき」であるのは、先日の記事「指導計画の更新は、効果測定の結…
年度末が近づくと、今期の指導の仕上げと同時に、来年度に向けた指導計画づくりも進んでいきますが、後者を進めるときの土台は「これまでの指導が得た成果(進捗)と不足していたこと(改善課題)」の的確な把握にあることは改めて申し上げるまでもありません。生徒に対する指導と評価の一体化と同様に、「進捗と改善課題を捉えた学び」は、先生方の営み(=教育活動)の改善にも不可欠です。 ❏ まずは、取り組みに込めていた意…
課題研究などの探究型学習に限ったことではありませんが、何かに取り組ませたら、その成果と過程(取り組み)をきちんと評価をする必要があるのは言うまでもありません。できるようになったことを「たな卸し」することで生徒に自らの成長を自覚させるとともに、これまでの取り組みに足りなかったものに気づかせ、「この先、何にどう取り組むべきか」を考えさせること(=進捗と改善課題を捉えた学びの実現)が評価を行うことの第一…
生徒が学びを振り返るときに拠り所となるもの(=基準)をしっかりと理解/認識させておくことの必要性については改めて申し上げるまでもないかと思います。漠然とした「振り返りらしきもの」で感想レベルのアウトプットを得たところで「学びの改善」は期待できません。思考を重ねた結果である答案や発表には「採点基準」があり、学習への取り組みにも「活動評価の基準」(ルーブリックなど)があるはずですが、生徒はその文言の一…
年度の後半に入りますが、「特色ある教育活動」に対し、この春に入学した生徒は十分な熱意を持って取り組んでくれているでしょうか。意図するところを正しく理解しているか、きちんと取り組めているか、所期の成果が上がりつつあるかなど、この機に点検しておきましょう。もし、これらの観点でどこかに不足があるようなら、必要な補完を遅滞なく講じていかなければならないのは言うまでもないところ。指導の成果が着実に積みあがら…
新しい学力観への転換に伴い、指導方法の工夫を重ねるのと並行して評価方法にも組み直しが必要になります。(cf. 指導と評価の一体化)当ブログでも繰り返し申し上げてきましたが、学習評価は以下のような様々な材料とそれに応じたツールを用いて多面的に行うものであり、いずれも新しい学力観に沿ったものへの更新が必要です。 考査問題や課題類を新しい学力観に沿ったものにアップデートしたり、活動場面ごとに用いるルーブ…
発表やプレゼンの評価、論述答案の採点などにルーブリックを適用してみたとき、生徒による自己評価の結果と先生方の目での評価の結果との間にどのくらいのズレが生じているでしょうか。同じ評価/採点基準(観点別に定めた段階的な評価規準)に照らしている以上、基準の適用が正しくできれば、先生がやっても生徒がやっても結果は同じになるはずなのに違いが出ているというのは、生徒は観点や規準をきちんと理解できていない/適用…
学校の先生の多忙が取りざたされて久しくなりました。報道を見ても、現場でのご様子を拝見しても、「働き方改革」は依然として、待ったなしの課題。ドラスティックな改善は進んでいないようにも感じます。外にいる私が直接何かできるわけでもないことに心苦しさを感じつつ、何かのヒントになればと思い、考えるところを拙稿に起こしました。ご多忙を極める中、矛盾することを申し上げることになり、誠に恐縮ですが、お時間のあると…
1学期もそろそろ折り返し。年度の冒頭で打ち出した「学校経営計画」はどこまで実行され、目標とした事柄は達成できそうでしょうか。特に夏までに一定の成果を得たい、方向を固めたい取り組みについてはこの機に中間検証を行い、今後の展望を立て直しておくべきです。当然ながら、目標達成に不安が残る箇所、計画通りに進めるのが難しそうな箇所には、達成可能性を高めるべく、効果的な対策が必要です。 2018/07/09 公…
学校には建学の精神や教育理念、教育目標といったものがありますが、生徒一人ひとりがそれらを卒業までに自身の思考や行動の中にどのくらい実現できたかは、学校の教育成果を測る重要な指標のひとつです。特色ある教育活動も、建学の精神や教育理念の下でデザインされているはずですので、精神や理念に照らした行動評価の結果は「学校の教育力を伝える新たなモノサシ」の一つになり得るのではないでしょうか。 2017/05/1…
新しい学力観に沿った学ばせ方や教育活動の確立を図るには、校内外の優れた実践に触れて発想を押し広げていく必要がありますが、それと並行して、新たに採り入れた取り組みや工夫の効果測定をきちんと行わないと、せっかくの努力も方向を失い、試行錯誤に生徒を巻き込みます。目指すものが変わる以上、これまでに蓄積してきた経験則や、そこから生まれる「勘」に頼るばかりでは立ちいかないことも増えます。とは言え、思考や判断、…