どんな活動に取り組むときも、「目指しているところ」を相手や周囲にきちんと伝えることが大事ですが、それは学校経営でも同じです。
個々の指導がどれほど綿密に練り上げられ、徹底されていたとしても、その背景にある意図を相手と共有できていないことには、曲解や誤解も生まれがち。相手からの理解や共感を得るのは困難です。
学校の教育目的を生徒や保護者に正しく伝えるだけでなく、先生方ご自身も、その意味するところに照らしながら、指導目標や評価規準の妥当性を確かめることで、ブレのない指導を実現したいものです。
教員団の目線合わせをするとき、立場の違いから考えの競合が起きることもあります。そんなとき、落としどころを見つけるための拠り所は、他ならぬ「建学の精神や教育目的との整合性」ではないでしょうか。
当然ながら、社会が変化を重ねる中で、節目となるところ(新課程への移行もその一つ)では建学の精神を「現代的に読み替える」ことにも取り組む必要があるはずです。これからの学校経営の拠り所となる以上、丁寧な議論が待たれます。
学校評価アンケートの項目に、「建学の精神、教育目的の理解」を加えることには大きな意味があると考えます。
学校の「教育目的」の下に設定される、各組織(分掌や学年、教科など)の「指導目標」についても、その方針の妥当性やわかりやすさを、生徒、保護者、教職員がどのくらい評価しているか、把握が必要です。
日々の活動の中で、忘れ去られていたり、片隅に追いやられたりしがちな建学の精神や教育目的、目指すべき生徒像などに立ち返ってみる機会として、年に一度の学校評価をしっかり活用したいものです。
教育目標を理解させるかで、教育成果も変わる
「どちらかと言えば」の但し書き付きでは不十分
学校の教育活動に対する理解と共感
指導の背景にある意図の理解、ぶれのない指導の実現
場面に結び付けながら、ことあるごとに言及
具体的な行動に書き出して、生徒にも自己評価させる
教職員の目線はきちんと合わせられているか
生徒や保護者との間で価値を共有できているか
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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一