やりきらせる責任~仕上げ切らないことを習慣化させない

課題に取り組み、努力や工夫で達成できたら、生徒の中には自信が生まれ、達成への過程では新たな能力や資質を獲得し、課題への向き合い方も学んでくれますが、レディネスや時間の不足で課題を完遂することができなかったら…。生徒にとっても面白かろうはずがありません。
やるべきことを完遂しない/できないでいることを不用意に繰り返させていては、学ぶ意欲や完遂を目指す姿勢は失われていくばかり。その先で得られた可能性のある成長や進歩も期待できなくなってきます。
やりきらせる責任は、「課題を与えた後」の指導を徹底するだけでは果たせません。「課題を与える前」にも指導者としてしっかり考えておくべきことがたくさんあります。
課題をこなせるだけのレディネスが生徒の側にきちんと整っているのかを確かめることや、各教科の学習に加えて、学年や進路の指導で生じるものを含めた生徒が抱えるタスクの総量が、生徒一人ひとりにこなせる分量を超えていないかを常に注視することなどは不可欠です。

2016/01/27 公開の記事をアップデートしました。

#01 やりきらせる責任(その1)

与えるものを増やすだけでは…(きちんと線引き)
小テストなどでの履行促進策には大きな副作用
投資量でタスクを加減しつつ、覚え方を学ばせていく
覚えることに意欲を示してくれない生徒には
暗記だけより、活用する機会を通した再記銘

#02 やりきらせる責任(その2)

レディネスを確かめ、「酸っぱい葡萄」を作らない
宿題・課題・指示をこなせる状態か、きちんと確認
こなせる量を超えないように与える量を調整
生徒が抱える課題の量をリアルタイムに把握
効果測定を怠らず、与える課題を取捨選択

やるべきことができない自分を突き付けられるうちに、学ぶべき対象/達成すべき目標を「酸っぱい葡萄」とうそぶくようにさせては一大事。周到な計画と精緻な観察をもって指導に臨み、指導者として「生徒に課題の一つひとつをしっかりとやりきらせる責任」を果たしましょう。
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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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