理解確認と活用機会はバランスを取って

授業評価アンケートの結果をみると、理解確認と活用機会のバランスを欠く授業が少なくないことがわかります。下図は、授業評価アンケートをご利用いただいた学校でのデータで作成したものですが、理解確認と活用機会の双方が一定以上の水準に達している授業は全体の一部です。 2015/07/14 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 覚えることに偏らず、活用の前提もしっかり整える 理解確認と活用機会の双方を高い次…

理解の確認を怠ると…

授業評価アンケートなどで、「先生は、生徒の理解や状態を確かめながら授業を進めてくれていますか」と尋ねてみたときに、すべての生徒がYESと答えてくれる状態を維持することはとても大事なことですが、実現するのはそうそう簡単なことではなさそうです。実際のデータを見ると、下図の通り、肯定的な回答が9割を占める換算得点75ポイントに到達していない授業もかなりの割合を占めています。 2016/08/24 公開の…

新課程の枠組みで考える「知情意」

3年後に登場する新一万円紙幣に肖像が刻まれることになり、大河ドラマ「青天を衝け」も放送されるなど、渋沢栄一はちょっとした時の人になっています。この4月に放送された「100分 de 名著」を視聴したのをきっかけに「論語と算盤」(角川ソフィア文庫)を読んでみました。なかなか読みごたえのある一冊ですが、中でも第3章「常識と習慣」に触れられている「智情意」は、多くの学校で教育目標の記述に用いられており、考…

全教科でコミットすべき能力・資質の涵養

新課程の土台になった「21世紀型能力」で基礎力を構成する言語、数量、情報の各スキルは、すべての教科を学ぶ上での土台(=基礎)であると同時に、すべての教科の学び(教科固有の知識・理解を獲得する過程)を手段として、涵養を図るべきものだと思います。21世紀型能力の中核をなすのは「思考力」ですが、その主要な構成要素の一つである「問題解決・発見力・創造力」では、「問題」を見つけられないことがそもそもの問題。…

ノート指導、タスク管理

1 ノートにメモを取らせる指導 1.0 ノートにメモを取らせる指導(記事まとめ)1.1 ノートにメモを取らせる指導(その1)1.2 ノートにメモを取らせる指導(その2)1.3 ノートを取らせて学習スキルを確かめる 2 学習機会としての模試受験 2.0 学習機会としての模試受験(序)2.1 学習機会としての模試受験(その1)~仕上げさせる2.2 学習機会としての模試受験(その2)~計画させる2.3 …

振り返りを経てこそ次への課題形成

様々な学びを重ねる中で、より良いパフォーマンスを得る/目標の達成に近づくには、がむしゃらに頑張るだけでは足りないものがあるはず。根性だけの無策で壁に跳ね返されていては、頑張る意欲も維持できず、自信を失って対象に近づくことすら避けたくなってしまいそうです。これに対して、どこに力を入れ、何をすればよいのか、自分の課題が明確になれば、後は課題を一つひとつクリアしていくだけ。多少の遠回りや足踏みはあっても…

指導目標と指導方法が変わったら定期考査の問題も

教科学習指導に限ったことではありませんが、「目標とするところ」と「目標に到達するための方法や計画」の間には高い整合性が必要です。両者の間のズレを放置しては、目標が達成される見込みも立ちません。同時に、指導がどこまで成果を得たかを測定する評価方法も、学習目標にマッチしたものである必要があります。目標までの距離を正確に測れないことには、どうやって接近するか作戦も立てられないからです。新課程への移行で教…

答案を正しく評価できているか

別稿「学力観の変化は良問と悪問の分け方を変える」でも申し上げた通り、高大接続改革以降の入試で出題の増加が予想される「答えが一つに決まらない問題」などの新しいタイプの問題では、採点基準の在り方しだいで、設問は良問にも悪問にもなり得ます。答案を正しく評価することは、生徒の学びを正しい方向に導くことにほかなりません。新しい学力観に沿った出題が増える以上、それを正しく採点する方法の開発・確立は真っ先に取り…

本日のブログ、お休みします(パソコントラブルで)

おはようございます。 今朝、「さあ、今日も頑張るぞ」とパソコンを立ち上げて、メールを確認しようと思ったところ、本文の2行目以降が表示されないトラブル。 状況の確認と対処法の模索に、もたもた手こずっているうちに、今日のブログの記事を起こす時間がなくなってしまいました。(昨夜の内に書き上げとけば問題なかったのですが…。宿題は寝る前に終えないと。) そんなわけで、本日のブログ、お休みさせていただきます。…

分散登校/オンライン授業下での授業計画の見直し&修正

緊急事態宣言の延長と対象地域の拡大で、学校の授業にも影響が大きくなっています。分散登校とオンライン授業の併用で対応しているケースが多いようですが、通学時間をずらすための短縮授業なども行われる中で、授業を予定通りに進めるのは容易ならざるものと拝察いたします。 たとえオンライン環境が整っていても、画面を見ながら生徒が集中を維持できる時間は普段の授業より短くなりますし、アクティビティの切り替えやフォーメ…

指示を的確にこなす生徒~それだけで良いのか?

どの生徒のノートもしっかり板書を書き写しているし、予習も完璧に行われており答え合わせだけで十分。生徒を指名しても期待通りの答えがきっちり戻ってくる。一見すると「これまでの指導の成果」のように見えなくもありませんが、どこかに違和感を覚えます。もちろん、ちゃんとノートを取れない、予習もしない、答えさせれば的外れというのでは、これまでの指導のあり方を反省しなければならないでしょうが、指示を的確にこなす姿…

三度めの緊急事態宣言~分散登校、リモート学習への備え

東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言が発出されることになりますが、都立高校などでは分散登校を実施し、自宅でのオンライン授業と組み合わせて、通学する生徒を減らす方針とのこと。 期間が大型連休と重なるため、実質的に影響を受ける授業日数はそれほど多くならずに済むかもしれませんが、感染拡大が収まらず、他の地域にも緊急事態宣言の対象が広がっていく可能性も否定できません。 ここでもう一度、リモート指…

既卒生が残した「成果」を教材に~探究活動の導入指導

高校に入学してくる生徒は、小学校や中学校で横断的、体験的な「総合的な学習の時間」を経験してきていますが、高校で新たに取り組むのはその先にある「総合的な探究の時間」です。数学や情報の授業で新たに獲得する知識や技能なども駆使して課題の解決に取り組む中、これから自らが生きていく社会に自分がどう関わり、どんな接点を持ちえるのかを「探究」していくことになります。当然ながら、初めて挑戦する学びである以上、取り…

声に出して教科書を読むことの効能

ICTの導入が進む中で、個々の機器も技術の進歩でどんどん使い勝手が良くなっています。道具は上手に使えば、余計なところで浪費していたエネルギー(時間や手間)を目的に直結するところに集中して使えるようになるだけに、使い方を工夫し、積極的に活用したいところです。その一方、手を使って板書や資料を書き写すことや声に出して教科書を読むといった、特別な道具もいらなければ、やり方を改めて学ぶ必要もない「クラシカル…

令和3年度も宜しくお願いいたします。

新年度となりました。お陰様で当オフィスも、マイペースながらも充実した日々の中、あしかけ8年度目を無事に迎えることができました。ひとえに、皆様のご厚情の賜物と、衷心より御礼を申し上げます。これからも引き続き、「現場で頑張る先生方を応援します」という開業以来のミッションを実現すべく、できる限りを尽くして参る所存です。ご指導を賜る機会も今後ますます多くなるかと存じますが、何卒宜しくお願いいたします。新年…

探究活動やPBLを通して涵養すべき統計スキル

令和7年度以降の大学入学共通テストのサンプル問題が大学入試センターのホームページに公開されました。(こちらをご参照下さい。)公開されたサンプル問題は、地理総合、歴史総合、公民、情報の4科目ですが、これからの教室において「どのような学ばせ方」が求められるようになるかは、これらの科目に閉じた話ではありません。他教科の先生方も、お時間を見つけて一度は目を通しておくべきかと思います。 出題研究を通して&#…

中学での経験を踏まえて考える「高校での探究活動」

中高一貫校では、6年間という長い指導期間を活かして探究型学習プログラムの整備が比較的進んでいます。これに対して指導期間が3年(実質的には2年半)しかない高校では、本格的なプログラムを組み込むには時間的な制約が小さくありません。成果が確認できるまでの期間が中高一貫校の半分の3年間で済むという利点を活かし、短いサイクルの中でプログラムの改善を加速させるとともに、生徒が中学校までに経験してきたことをうま…

互恵意識で結ぶ学びのコミュニティ

一人ひとりが意欲をもって学び、生徒が互いを支え合う、互恵意識で結ばれた学びのコミュニティを作り上げることは、ホームルームの担任に限らず、各教科の授業担当者としても切なる目標の一つだと思います。新学期スタート後の数週間は、好ましい学びのコミュニティを作れるかどうかを決める大切な期間です。どんな手立てと見通しでコミュニティ作りを進めていくかしっかり戦略を立ててから新年度を迎えましょう。互恵という言葉が…

グループワークで作る学びへの積極姿勢

授業評価アンケートの自由記述意見を読んでいると、グループワークを多く経験する中で、協働での学びに貢献する「責任」を感じた、「役割をきちんと果たさなければ」との思いを強くした、といった記述に出会うことが少なくありません。グループワークは、個人の発想を超えたところに解を見出すことを目的に、集団知/分散知の活用や対話による気づきの交換を図るために採り入れる活動ですが、協働を経験する中で、個々の学習者とし…

プレゼンテーション/成果発表を機につくる成長の場

探究活動を始めとして生徒が自分(たち)が取り組んできたことの成果を発表する機会は以前に比べて多くなっています。日々の授業の中でも個人/グループで調べ学習や討論を行った結果をプレゼンテーションにまとめるのは既に「ごく普通の光景」になったように思います。プレゼンテーションの準備に取り組む工程での試行錯誤や努力そのものに加え、発表の場を通して得る直接/間接のフィードバックは、生徒にとって他に代えがたい成…