改めて迎える「新年度」の始動に当たって押さえたいこと
緊急事態宣言の解除を受け、様々な活動が再開します。学校もリモートでの学習指導を続けてきたとはいえ、学年での指導、進路指導、生徒会活動なども含めた学校全体の教育活動では「改めての新年度」です。 新しい生活様式の中でどんな学校を作るか/作りたいか、展望と意志を示し、校内外のステークホルダ(生徒、保護者、教職員、地域の方々)の理解と共感を得るべき局面であるのは、例年の新学期と同じです。 ❏ 教員間の「目…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
緊急事態宣言の解除を受け、様々な活動が再開します。学校もリモートでの学習指導を続けてきたとはいえ、学年での指導、進路指導、生徒会活動なども含めた学校全体の教育活動では「改めての新年度」です。 新しい生活様式の中でどんな学校を作るか/作りたいか、展望と意志を示し、校内外のステークホルダ(生徒、保護者、教職員、地域の方々)の理解と共感を得るべき局面であるのは、例年の新学期と同じです。 ❏ 教員間の「目…
緊急事態宣言の解除が進む中、学校の再開にむけた準備が本格化しています。「休校期間中の自学自習/遠隔指導」と「学校再開後の教室での対面授業」との円滑な接続をいかに実現するかは、この局面での最重要課題の一つであると考えます。 まずは、休校期間中の学びの成果をしっかり確かめることが先決です。3か月近くに及んだ臨時休校の間に、生徒が何を身につけ、どんなことができるようになっているのかを見極めないことには、…
緊急事態宣言の解除を受けて、一部の地域では学校が再開されますが、当然ながら再開を以て学校に日常が戻るわけではなく、むしろこれからの課題の方が大きいのではないかと思われます。休校期間の遅れを解消すべく先ずは年間授業日程を組み直すことからでしょうが、カレンダー上で授業計画をスライドさせるだけでは解消できない問題が多々ありそうです。再開後の教育活動をいかに円滑に素早く正常化できるかは、再開前の準備にかか…
先生方の多忙はもはや限度を超えており、業務の削減と効率化は先送りできない課題の一つです。多忙の原因には、制度改革を必要とする構造的なものと、現場レベルでの仕事の進め方しだいで解消を図りえるものとがあります。構造的な問題の改善を急がなければならないのは当然として、同時に、日々の教育活動に改善の余地がないかを洗い出し、ひとつひとつ片づけていきたいところです。制度改革で構造的な問題に解決の筋道がついても…
公立の小中学校での携帯電話やスマートフォンの学校への持ち込みを原則禁止とする従来の指針を見直すことになったとの報道がありました。子どもの携帯・スマホの所有率が上がったことや、緊急時の連絡に役立つことなどが見直しの理由に挙げられています。 内閣府による調査(2017年度)では、小学生の55.5%、中学生の66.7%、高校生の97.1%がスマホか携帯のいずれかを所有しているとのことですので、学校への持…
昨日の記事では、卒業生と新3年生に対して仕上げておきたい指導を扱った過去記事をまとめてみましたが、本日は、来年度の指導計画作りに向けて、新年度を待たずに今やっておきたいことをピックアップします。 新年度の指導計画作りは、すでに昨秋あたりから順次作業が進められてきたと思いますが、仕上げのフェイズを迎えて様式にまとめ直してみることで、見落としていたことに気づくこともあります。 新年度の指導が回り始めて…
2月に入ると合格の知らせが次々と届き始めますが、同時に、卒業していく生徒に対して行ってきた3年間/6年間の指導をその成果に照らして振り返りつつ、次の学年の指導の設計にあたる時期でもあります。 進路指導の方針や一つひとつの指導の具体的な方法について、効果を上げたものはきちんと抽出し、継承しなければなりませんが、反省すべき点があったものをそのままにしてはいけません。 指導を担当されてきた先生方が、それ…
半年ほども前になりますが、平成29年4月25日に「地域学校協働活動の推進に向けたガイドライン」 が文科省から公表されました。従来からの地域による学校の「支援」から、地域と学校のパートナーシップに基づく双方向の「連携・協働」へと発展させていくことを目指すそうです。確かに、地域活動に参画することは生徒の視野を広げ、社会の中で引き受けるべき役割を知る機会であり、また、学校の運営に地域の協力を得ることの意…
センター試験に代わる新共通テストで、民間の検定試験を利用して4技能を測る方針が打ち出され、小学校では外国語活動が3年生から、5年生からは正式な教科になるなど、英語教育についての議論が盛んです。 ❏ 地域コミュニティの国際化 かつて、国際化社会といえば、海外に出て活躍するというイメージでしたが、今や、国内で暮らしていても外国人との交流や関係は珍しくありません。 2016年の在留外国人は…
昨日の記事でご紹介した「採点ルーブリック」ですが、すでに一部の学校では、定期考査において自由英作文や意見論述問題などで利用が始まっているようです。最初から満点のものなど作りようもなく、使いながら、規準そのものの妥当性(※)を高め、適用しやすいものに改めていくことが大切です。 「直感で与えた点数と、基準に沿った点数が一致するのが良い基準」というのも荒っぽく聞こえるかもしれませんが事実です。良い答案だ…
日本生産性本部のホームページで、「2015年度 新入社員 春の意識調査」の結果が公表されています。 http://activity.jpc-net.jp/detail/mdd/activity001440.html 今春実施した新入社員教育プログラム等への参加者を対象に行った結果をまとめたもので、1990年から数えて今回は26回目だそうです。 本来は、新入社員を迎え入れる側である企業が、世代として…
平成26年12月、東京都立西高等学校で開催された、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学する機会に恵まれました。西、日比谷、湘南、浦和の4校の生徒さんたちが集まり、会場は熱気に包まれていました。この大会は、文部科学省助成事業である「高等学校における多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」のうち、「即興型英語ディベートを活用した統合型ルーブリック評価の研究」(研究代表者:大阪府立大学工学…
この大会は「即興型英語ディベート」ですから、当然ながら「英語の使用」という点でも教える側に大切なメッセージを伝えてくれています。学んできたことが 「運用力」 に昇華するには、「使う場面」 が整えられる必要がある、ということです。 ❏ 適切な使用場面が、学んできたことを統合する ディベートの参加者たちは、さすがにトップ校の生徒ですが、それでも英語力には個人差もあります。しかしながら、誰もが、必死に且…
前回に引き続き、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学して感じたところをお伝えします。学校の垣根を越えた生徒同士の交流の起点になっただけでなく、チームディベートという活動そのものが、生徒の間に良好な人間関係を築くきっかけを与えました。当然ながら、この大会を通じて生徒が得たものはこれだけに止まりません。 ❏ 課題解決力/協働力を、意識させずに養う機会として 即興型英語ディベー…
先日、東京都立西高等学校で開催された、首都圏公立高等学校即興型英語ディベート大会を見学する機会に恵まれました。西、日比谷、湘南、浦和の4校の生徒さんたちが集まり、会場は熱気に包まれていました。 この大会は、文部科学省助成事業である「高等学校における多様な学習成果の評価手法に関する調査研究」のうち、「即興型英語ディベートを活用した統合型ルーブリック評価の研究」(研究代表者:大阪府立大学工学研究科の中…
汎用スキルの一部をなす 「批判的思考」 は、教科学習指導や進路指導を行う上できちんと整えておきたい土台の一つです。その能力は、それだけを取り出して訓練するより、具体的な場面で教えるやり方(文脈モデル)の方が所期の成果を得やすいとのこと。学習・進路の指導に、どんな発想を持って臨んだらよいか、もう少し考えてみたいと思いますのでおつきあいください。 ❏ 言語活動を自己目的化させない 自由研…
11月1日に玉川学園で行われた、「21.5世紀探究型学習研究会」で勉強してまいりました。実践報告からは多くの刺激と学びを頂戴しました。また、京都大学大学院教育学研究科の楠見孝教授による「批判的試行を育む:探究学習スキル」と題する基調講演では、探究型学習について理解を深め、整理できただけでなく、たくさんの新たな可能性に気づかされました。楠見孝先生の基調講演は、文科省のホームページにある「批判的思考に…
タイトルにある「授業クリニック」というのは、当オフィスが提供している、授業を参観した後、授業をされた先生方とミーティングを持ち、フィードバックを行うサービスの名称です。校内に既に存在している「優れた工夫」や「意欲的な取り組み」を言語化して、校内で共有しやすいものに切り出していくのが目的です。一緒に参観した先生方との対話で、良さを改めて言語化する中で、さらに効果的を高めていくヒントが得られたり、より…