カリキュラム・年間指導計画

夏休みの過ごさせ方を振り返って、来期の指導設計を

昨日のブログで、「自由研究/課題研究は狙い通りの成果を得たか?」と題して、夏休み中の宿題の代表格(?)である自由研究、課題研究について考えてみました。各教科で課した宿題・課題も含めて、所期の成果が得られたかどうか、2学期の初めにはきちんと検証をしたいもの。夏休み中の講習・補習も同様です。夏の間に行った指導/取り組ませた課題の成果を検証しないことには、2学期からの指導の起点を正しく定めることもできま…

補習・講習の目的再確認~どんな変化を期待するのか

1学期も終盤を迎えました。夏休みを前に期末試験の準備などご多忙の日々と存じます。終業式後も、補習や講習がすぐに始まり、行事の引率や部活動と相まってスケジュールはびっしりだと思います。さて、その補習・講習ですが、様々なタイプがあります。例えば、 目標大学群の出題傾向を学び、その対策を考えさせるもの 特定分野をより深く、広く掘り下げて学ばせるもの 成績が振るわなかった生徒のキャッチアップを図るもの な…

全教科でコミットすべき能力・資質の涵養

新課程の土台になった「21世紀型能力」で基礎力を構成する言語、数量、情報の各スキルは、すべての教科を学ぶ上での土台(=基礎)であると同時に、すべての教科の学び(教科固有の知識・理解を獲得する過程)を手段として、涵養を図るべきものだと思います。21世紀型能力の中核をなすのは「思考力」ですが、その主要な構成要素の一つである「問題解決・発見力・創造力」では、「問題」を見つけられないことがそもそもの問題。…

指導計画は所期の効果を得ているか~中間検証の準備

新学期が始まって数週間が経過し、学校もようやく平常運転と思っていたところに、緊急事態宣言の発出などで分散登校やオンライン授業への切り替えを余儀なくされている地域もあります。本年度の教育活動にも年度末の段階で計画した通りに進めるのが難しい部分が出てきているのではないかと思い、各地の学校のご様子をお伺いしてみると、計画に多少の変更はあっても、様々な工夫を凝らしたことで、成果が期待できる状況にあるとのお…

限られた授業時間を有効に使う

新課程への移行で、「各単元の学習内容をしっかり理解させ、知識として定着させた上で、且つ思考力や判断力、表現力も高める」という高い要求が教室に向けられます。これまで以上にやるべきことが増えるのは明白ながら、授業時間は基本的にこれまでと変わりません。この結果、当然ながら、「授業時間をいかに有効に使うか」がこれまで以上に重要な課題となりますが、解決のアプローチを何かひとつに求めたところで限界があるのは明…

6ヵ年のストーリーを描く、教育活動の配列

お任せコースのみでやっているような料理屋さんもあれば、メニューが壁一面に「これでもか」と貼り出されている居酒屋さんもあります。後者タイプのお店では、何度も足を運んでその店のメニューを熟知すれば、その日の気分で大いに楽しめますが、そうなるまでは何を頼むかの判断も容易ではないのが悩ましいところ。ときには、並んだ品書きには久しく注文を受けていないものも混じっています。おかしな喩えから入りましたが、学校の…

新課程に備え、改めて考えるカリキュラム・マネジメント

教科・科目を教育課程表に最適配置するだけでは、残念ながらカリキュラムを作ったことになりません。カリキュラムとは、各教科の内容を学習しつつ、様々な能力・資質を獲得させるという目的を達成するために作るものであり、その目標達成のために設計、実行、検証、修正を重ねる循環的・継続的な活動をカリキュラム・マネジメントと呼びます。新課程の土台となったのは「21世紀型能力」という新しい学力観です。これを改めて理解…

カリキュラムを活かす、目的意識を持った科目履修

各教科の内容をしっかり学習させつつ、21世紀型能力を構成する様々な能力・資質を獲得させるべく練り上げられたせっかくのカリキュラムも必要な科目を必要な生徒が正しく選択して履修してくれないことには、本来備えている性能を十分に発揮できません。嫌いな科目を避けたり、受験情報誌などが示すモデルパターンを鵜呑みにしたりの履修科目選択では、いざ出願校を選ぶときになって落とし穴に入り込んでいることに気づいたり、進…

カリキュラム・マネジメントの実行&検証フェイズ

カリキュラム・マネジメントという言葉が広く使われるようになってだいぶ経ちますが、マネジメントとは言うまでもなく「目標を達成する/成果を上げる」ためのものであり、計画、実行、検証、対処(いわゆるPDCA)で構成される活動です。カリキュラムを通して形成しようとしている学力が変化した以上、計画フェイズに当たるカリキュラムの作成には従来と違った発想が求められるのは、前稿で申し上げた通りですが、実行や検証の…

カリキュラムは{学習内容×能力資質}で設計する

新課程への移行がいよいよ目の前に迫ってきました。中学校では2021年度に全面実施、高校でも2022年度から年次進行での実施です。既に教育課程のアウトラインが完成し、細部の調整に取り掛かり、順調に進んでいる学校も少なくないものと拝察します。新しい科目も設定され、3ヵ年、6ヵ年の枠に必要な科目を配列するだけでも容易なことではありませんが、科目の適正配置を実現しただけでは教育目標の達成に十分な機能を備え…

休校明けの授業を円滑に再始動する

緊急事態宣言の解除を受けて、一部の地域では学校が再開されますが、当然ながら再開を以て学校に日常が戻るわけではなく、むしろこれからの課題の方が大きいのではないかと思われます。休校期間の遅れを解消すべく先ずは年間授業日程を組み直すことからでしょうが、カレンダー上で授業計画をスライドさせるだけでは解消できない問題が多々ありそうです。再開後の教育活動をいかに円滑に素早く正常化できるかは、再開前の準備にかか…

学びの重なりを上手に利用したコンパクトな学校経営

学校は様々な教育活動の集合体として成り立っていますが、相補関係を考慮しないで個々の教育活動を設計すると、部分最適化は図られても、リソースの最適配分という視点が欠落することもあります。新たな要請に応えて足し算(増築)を繰り返し、教育活動を膨らませていくばかりでは、リソースの枯渇は免れません。積み上げてきたものを振り返り、その先を描く中で、新しいものに置き換えるのが好適か、以前からのものを磨き上げるべ…

手段科目としての言語系教科の学びを活かす場

以前の記事でも書きましたが、英語は目的科目から手段科目へと立場を変えていくように思われます。ある程度の基礎(言語材料の理解)を身につけた段階では、他教科を学ぶ中で様々な内容の文章を読んだり、考えたことを表現したりする機会をどんどん作ることが、言語能力の向上を促すはずです。同じ言語系教科である国語も同様かもしれません。所謂「イマージョン・プログラム」(1960年代にカナダで始まった目的言語で他教科を…

補習・講習は、一つひとつの設置目的を明確に

五月の連休が終わると、夏休みに設置する補習や講習を一覧にまとめて生徒に伝える時期を迎えます。先生方の学校でも、新学期が始まると間もなく講座開設の準備に取り掛かることになるのではないでしょうか。生徒一人ひとりが抱える学習上の課題を解決する場として、内容や対象を明確にして、講座群を整備するとともに、各講座に用意された学びを必要とする生徒が確実に受講できるようにしたいものです。合理的に配置された講座群と…

シラバスを熟読・活用させることの効果

大学での授業評価アンケートの集計結果を分析したところ、「シラバスを熟読している学生ほど、科目の到達目標を達成できる見込みが高まると同時に、学習したことへの興味が膨らみ、発展的な内容を学ぶことへの意欲が向上する」という傾向が見て取れました。高校でのシラバスは、”講座選びのカタログ”としての大学シラバスとは性格が異なる面がありますので、同じことがそのまま当てはまるとは限りません…

大学入学共通テストの試行調査の結果から(まとめ)

共通一次やセンター試験の出題には、できるだけ高校現場の邪魔をしないようにとの配慮が感じられましたが、2年後に迫る新テストは一転して、大学の教育の在り方のイメージのもと「これからの高校教育はこうあるべき」との方向性を明確に示そうとしています。 これまで幾度もチャレンジしてきた高等教育と中等教育の改革により確実な効果を生み出そうと、大学教育と高校教育の接点である大学入試に手を入れたこと自体にも強い覚悟…

高大接続改革入試初年度生を迎えて9か月

新しい年を迎えて一週間が経ち、今日が始業式という学校も多いかと思います。昨年4月に高大接続改革入試初年度生となる新入生を迎えて既に9か月が経過したことになりますが、新しい学力観に沿った学ばせ方の転換はどこまで進んできたでしょうか。本年度の成果をきちんとたな卸しして次年度以降に継承するとともに、新しい取り組みの中に見出された課題をしっかり特定し解決を図る必要があります。今日から年度末まではこれに当て…

学習指導、進路指導、探究活動で作るスパイラル

学習指導と進路指導という二本柱をしっかり立てれば成立したのがこれまでの指導計画でしたが、次期学習指導で加わる探究活動を組み合わせるとなると、単純にもう一本の柱を立てれば済む話ではありません。学習、進路、探究という三領域が「並列」していては、互いの関連が希薄になりますし、ただでさえ「教育の強じん化」で、思考力・判断力・表現力を高めるための活動を組み込むとなると、3年間/6年間で指導に当てられる時間の…

新課程への取組を伝える学校広報

高大接続改革に最初に挑む学年を迎え入れ、新しい学力観に沿った学ばせ方への転換が図られていますが、その次に控えるのは、本丸である新学習指導要領への移行です。2022年から始まる高校の新課程に学校としてどう対応するかを明確に示すことは、生徒募集戦略上の重要な課題です。新課程初年度生がすでに小学校6年生になっていることを考えると、まだ丸3年以上も先のこととのんびり構えているわけにはいきません。中高一貫校…

シンプルさと重ね塗りで、認知を高め、理解を得る

建学の精神や校是、校訓を現代的に読み直し、新たなグランドデザインを描き出しても、それが受験生や保護者の目と意識まで到達しなければ生徒募集の改善にはつながらず、せっかくの教育理念にも賛同や共感をしてくれる人が増えるわけではありません。伝えるものを作り上げたら、今度は伝え方を考える番です。たとえ作りかけの状態であっても、学校の意思を積極的に伝え、レスポンスを拾いながらより良いものを作っていくという発想…