多くの学校で実施されている学校評価アンケート。集計の結果から教育活動の成果を捉え、さらなる改善に向けた課題形成を行うことが第一義ですが、ほかにも回答を求めることで学校の取り組みを知ってもらうことや、立場の違いによる捉え方の違いから校内の目線合わせを図ることなど、様々な狙いが併存します。
コストと手間をかけて行う学校評価を、より実りあるものにする最大のポイントは質問設計にあります。学校の教育目標や重点的な取り組みがきちんと項目に含まれていることに加え、尋ね方そのものにも押さえておくべきポイントが少なくありません。
2019/06/07 公開のインデックスページを更新しました。
自分のことについて?クラス全体のこと?
回答の分布に違いを生じた原因を考えてみると
二つのことを同時に訊かれては、答えに窮する
教育目標に照らしながら、じっくりと質問文を推敲
例えば、勉強と部活動の両立について尋ねるとき
生徒への質問文では、自分のことに焦点を
保護者が答えられるのは、家庭での姿から窺える範囲
教職員に対しては、教育活動の適正さを焦点に
地域には、学校をよく理解してもらうことを主眼に
#3 属性情報を取得することで
力を入れている教育活動ほど、効果測定の必要は大きい
授業外に設けた学びの場への関わり方でも
先生方の「現況の捉え方」も立場によって異なる
保護者や地域の方についても「属性」を意識して
学校評価アンケートの質問設計については、以下の記事でも触れております。お時間の許すときに合わせてご高覧いただければ幸甚です。
質問文を書き起こすことで、目指すものを共有する
まずは、質問文とグランドデザインとの照らし合わせ
学校広報に用いるエビデンスを得るためにも
解析結果から質問設計改善のポイントを探る
総合満足を目的変数に、寄与度を探れる質問設計
教育目的や指導方針はわかりやすく説明できているか
生徒や保護者が答えられる範囲をきちんと想定
また、学校評価アンケートの集計結果をどのように活用するかについては、こちらの記事をご参照ください。
#1 意図は伝わっているか、成果はあがっているか
#2 より良く知ってもらい理解と共感を得るために
#3 効果を確かめ、教育リソースを最適配分
#4 データを使ってゴールの共有&目線合わせ
#5 教育目標や指導方針をちゃんと伝える
#6 結果の十分な活用のためのスケジュール
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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一