小中高合同研究授業をお訪ねして(その3)

授業を拝見していて強く感じたもう一つのことは、生徒同士、生徒と先生の間に見られる良好な人間関係です。ペアを変えながら練習をする場面でも、新しいパートナーともすっと練習を再開できるし、生徒が周囲の目を気にして発言を躊躇するような場面もほとんど見られません。良好な人間関係が授業を支える基盤であることを改めて感じました。
❏ 好ましい人間関係を、授業が作っている可能性
現場の先生方が、良好な人間関係作りには相当に注力しておられることは、様々な場面から窺えました。拙い筆力で伝えきる自信がありません。来年度も同じような行事が行われると思いますので、是非とも足を運んで、先生方のお話に耳を傾けて頂きたいと思います。
しかしながら、参観していて別のことも感じました。授業内の活動、よくコントロールされた教室の中での学習活動そのものが、生徒同士の関係性の良化を推し進めているという可能性です。
授業内で与えられたタスク(練習や解を導くべき課題)という共通目的のために、互いが協力し合わなければならない場面を日常的に経験していれば、その中で互いを尊重するようになったり、相手のことをより良く理解しようという意識を持ったりするのも当然です。
大人の社会、企業や団体、あるいは自治会などでも、一緒に取り組む課題や仕事を通じて人間関係が作られていくのと同じであると感じました。先生が一方的に進める話を聞いて、自宅に帰ってそれを覚えて、・・・というだけでは、生徒が互いを知り、刺激を受け合いながら尊重し合う機会は得られないのではないでしょうか。教員の側でも、発信に専念していては、生徒のうちで何が起きているかを知る手掛かりが得られません。
❏ 大学の先生方にも見てもらいたい
別稿で述べた通り、校種間連携は、上級学校の求めに下級学校が応じるだけでは成立しません。小学校でどんな活動を経験し、どんな課題に取り組んだかを知らないと、その成果の上に立った中学校、あるいは高校での指導を設計することはできないはずです。
 ご参考記事: 校種間連携でできること
今回は、高校の授業を公開して、その後の研究協議を通して小学校や中学校での指導の様子を知るという形でしたが、別の機会には中学校、小学校での授業公開に高校の先生が足をお運びになる番ではないでしょうか。ちなみに、今回の参加者には大学の先生はお越しになられていませんでしたが、次の機会には是非ともご招待したいものです。
高大連携は各地で盛んに行われていますが、大学の先生や職員の方が発信側にいるだけでは、話が先に進みません。高校の授業公開と大学の説明会を同じ日に同じ会場で行うケースがあってもよさそうな気がしますが、如何でしょうか。高校と大学がWin-Winの関係を強化する絶好の機会になるに違いありません。
その4に続く

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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