月: 2014年9月

ビジネス手帳を用いた指導の可能性(その6)

手帳を使った、日々の、あるいは週ごと月ごとの振り返りの効果は、その場だけのものに限りません。記録を残して定期的に読み返すことで、様々な副次的効果も期待できます。同じ轍を踏まないこと、そして成功したときの自己イメージを強く持つことも、記録によってもたらされる効果です。 ❏ 反省や思いを記録に残すこと自体に意味がある うまくいった時の記憶をはっきりさせておくことは、次の似たような状況で採るべき行動を示…

ビジネス手帳を用いた指導の可能性(その5)

手帳の回収・点検を通じて、日々の学習時間を把握している学校があります。当然ながら、生徒が手帳に記録したままの状態では、集計したりデータとして解析に利用したりすることができないため、担任の先生が手帳を見ながらエクセルに手入力しているケースがありました。❏ 手帳に記録されている定量的情報をデータ化手間の負担は計り知れません。生徒指導のために行っていることが、生徒指導の時間を奪うというジレンマは避けまし…

ビジネス手帳を用いた指導の可能性(その4)

3ヵ月先、半年先を見据えて今なすべきことをイメージできる状態を保つことは、分岐点となる「選択の機会」に十分な準備を整えて臨むために欠かせません。そのためのツールとして、ビジネス手帳には大きな可能性と優れた機能が備わっています。 ❏ 進路の手引きや進路通信との併用を前提に しかしながら、同様のことを手帳なしで実現している学校も少なくありません。都内で毎年多くの東大合格者を出しているトッ…

ビジネス手帳を用いた指導の可能性(その3)

中学生や高校生が養うべきと考えられる自己管理能力のうち、2つ目は「予定を立てて、計画的に行動できること」です。これについても、時間軸に沿って配置された紙面を眺めて全体を掴む、という手帳が持つ利点が生かせそうです。❏ 予定を立てる=所用時間を見積って、優先順位をつける宿題や提出物など、それぞれの用事について、どのくらいの時間が掛かるのかを見立て、どのタイミングで処理していくのかは、頭の中だけであれこ…

ビジネス手帳を用いた指導の可能性(その2)

提出物などの忘れものが減ったという報告は、手帳を導入した学校の大半で聞かれます。授業、ホームルーム、部活、委員会など、様々な場面からのタスクを一括で情報管理しておくことは、失念を防ぐのに効果的であることは容易に想像できます。❏ 情報の一括管理が、忘れ物を減らすたとえば宿題が出されたときに、科目ごとに作っている授業用のノートに書き留めても、予復習の習慣がない限り、宿題が出たことを覚えていなければノー…

ビジネス手帳を用いた指導の可能性(その1)

ビジネス手帳を使って生徒の自己管理能力を高めようという取り組みが、広がりを見せています。当然ながら、使うのは先生ではなく生徒です。宿題や提出物の期限を書き込むことで忘れ物が減ったり、学習生活を振り返らせることで自律的な生活態度が養われたり、といった効果が報告されています。首都圏の私立高校で実際に採用されているオリジナルの手帳(生産性手帳:学生ダイアリー)を拝見しました。普通のビジネス手帳と違うのは…

校種間連携で行う授業改善(研究授業&出前講義)

各地で小中高連携の輪が広がっています。都内でもこの秋、小中高合同の授業研究会がいくつも行われます。すべての研究会の成功と盛り上がりを祈念しつつ、先生方を対象に代ゼミで開催した夏のセミナーで担当させていただいた箇所を本稿で再現してみたいと思います。 ❏ 上級学校の求めに応じるだけが連携にあらず 校種間連携は、様々な形で整備が進んでいますが、その多くは上級学校で行われていることを下級学校が知るための機…

授業クリニックの現場から

タイトルにある「授業クリニック」というのは、当オフィスが提供している、授業を参観した後、授業をされた先生方とミーティングを持ち、フィードバックを行うサービスの名称です。校内に既に存在している「優れた工夫」や「意欲的な取り組み」を言語化して、校内で共有しやすいものに切り出していくのが目的です。一緒に参観した先生方との対話で、良さを改めて言語化する中で、さらに効果的を高めていくヒントが得られたり、より…

学級経営を定量的にとらえて知見の共有を

生徒による授業評価アンケートを行うにあたって、「学級経営評価」をオプションに加える学校が増えています。このオプションでは、 「ホームルームで学校からの連絡が漏れなく伝えられているか」 「担任の先生は進路を考える上で参考になる話をよくしてくれるか」 「叱ったり注意したりする時も生徒の言い分に耳を傾けてくれるか」 などを尋ねます。「私のクラスは、規律ある雰囲気の中で、生徒が相互に刺激しあい成長に向かっ…