探究型学習を使った進路指導(その1)

探究型学習を通して、興味を持てる学問・研究や社会の取り組みを見つけ、そこから具体的な進路希望を作っていく生徒がいます。テーマに沿って広く調べ、考察を深めていく中で、学んでみたいこと、研究してみたいことを見つける可能性は低くないはずです。別稿「カッコつきの“キャリア教育の充実!”に思うところ」にも書いた通り、職業をターゲットにして逆算的に作ったルートに乗せる指導に限界が見える中、キャリア教育を補完す…

探究活動の舞台としての地域連携

これまで(=新課程への移行前)に教育活動の一環として「地域連携」に力を入れてきた学校では、新たに始まる「総合的な探究の時間」でも引き続き「地域課題」に取り組ませることが多いかと思います。長きに亘り築いてきた地域との関係は大いに生かすべきであろうと思いますし、学校が教育目標として「地域課題に向き合える人材の育成」を掲げてきたのであれば、急に旗を降ろすわけにはいかないはずです。地域課題の解決を「ターゲ…

キャリアは選ぶものではなく重ねるもの

進学先や就職先を決めるのは、ここから先、自分がどの道を進んでいくのか(=進路)を選択することです。同時に2つ以上の道を歩くことはできませんから、他の選択肢に後ろ髪を引かれる思いがあっても一つを選ぶしかないのが通常です。この意味では「進路選択」というよく使われる言葉の成り立ちは十分に合理的なものだと思います。これとは対照的に、「キャリア」は選ぶものではなく、積み重ねるものです。ある時点で選択した道を…

教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計

中学に続き、高校も新課程に移行した今、これまでと同じように教えていては、学ばせること(学習内容)は減らさず、様々な能力(21世紀型能力でいうところの「基礎力、思考力、実践力」)をより高い次元で獲得させていくという要求には応えきれません。教室を離れた生徒が個人でできることと、教室でしかできないことの線引きをこれまで以上に明確にした上で、後者に重点をおいた授業デザインへの転換が求められます。 2020…

総合的な探究の時間

新課程への移行で、高校での「総合的な探究の時間」が本格的に始まります。先行実施も行われ、各地の学校で進められてきたプログラム開発や指導法研究は、小さからぬ成果を既に収めています。先行実施で得られた知見を活かして、プログラムのブラッシュアップを図るフェイズを迎えています。個々の先生方が工夫を凝らした実践から優れた成果を得た指導例を抽出し、それを共有した上で先生方の協働でさらに磨き上げていく体制の確立…

探究を軸に各教科の学びをつなぐ

各教科の学習を重ねる中で、生徒は様々な能力・資質を身につけていきます。教科固有の知識や技能、考え方を獲得しながら、「汎用スキル」 と呼ばれるものや「学習方策」 なども形成が進んでいくはずです。ある科目で獲得した思考様式もまた、当然ながら教科の枠を越えて様々な場面で利用されますが、それらを統合し、実戦的なものに高める機会として、総合的な探究の時間に期待されるものは小さくありません。総合的な探究の時間…

生徒募集を通じて入学前の生徒と交わした約束

より良い教育活動の実現を目指すと、学校行事のあり方や指導計画にも毎年手を加えていくことになりますが、生徒募集活動を通じて入学前の生徒や保護者と交わした約束からも軸足を外さないようにしたいもの。個々の指導の最適化を図ろうとする中で、上位にある学校の教育目的や各組織の指導目標との整合性には十分な注意が払われていると思いますが、それと同じように、生徒募集の段階で学校が生徒・保護者と交わした約束も違えては…

自ら学び続けられる生徒を育てる

科学の進歩や社会の変化で、新しい知識がどんどん生み出され、古いものは更新されていきます。学び続けていかなければ、正しい判断を重ねていく(=よりよく生きる)ことを、古い知識・常識が妨げます。卒業後にも自ら学び続けていけるように生徒を育てる/導くことは、各教科に固有の知識・技能を身につけさせたり、進路希望を実現させたりすることに劣らず、最優先して取り組むべきことだと思います。誰の周囲にも解決すべき問題…

主体的、対話的な深い学びへ~授業評価アンケート

高校でも新課程での指導が始まります。活動の配列/授業デザイン(=学ばせ方)のみならず、評価(=効果測定)の方法も、新しい学力観に沿ったものに切り替えていく必要があるのは言うまでもありません。既に十分な準備がなされているはずですが、新年度を迎えて、これまで準備してきたことを実際の教室で試して、想定通りにうまく機能するか点検をしながら、必要な修正を重ねていくフェイズに移りました。 新しい学力観の下での…

授業評価アンケートの分析に用いる様々な手法

授業評価アンケートでは、授業を受けた生徒が得ている学力向上の実感などを目的変数に様々な分析を行うことで、より良い授業の実現に向けて、どこから力を入れていくべきかを特定します。経年的にデータを追うことで、前回までの分析で特定された改善課題がどこまで解消されてきているかの「改善行動の成果検証」もまた忘れずに行うべきことがらの一つです。分析には様々な手法があり、状況に応じて使い分けますが、比較的良く用い…

一人一台端末を使ってアンケートを行うときの注意点

新型コロナ対応が拍車をかけ、一人一台端末の環境整備(外部リンク)が急速に進みました。教室でできることは大きく増え、コミュニケーション・ツールとしてのICTは大いに活用していきたいところです。新年度を迎えるにあたり、各地の学校での端末活用をお尋ねしてみたところ、意欲的な取り組みの数々が(新しい環境への多少の戸惑いとともに)見られます。今後、各校の実践に学べることが沢山ありそうです。学習(教科、進路、…

出題研究の成果を指導計画作りに活かす

大学入学共通テストも2回目を終えて、高大接続改革以降の新しい入試で求められる学力像もはっきりしてきました。新課程での「学ばせ方」にもあらかた方向性が定まったように見受けられます。入試シーズンの開始当初から、予備校等のホームページで入試解答速報のチェックを日々重ね、出題研究の成果を4月からの授業作りに活かす準備が既に整っている先生方も多いのではないかと拝察します。 2018年2月13日公開の記事をア…

学ぶことへの自分の理由を持たせる~新単元等の導入指導

どの教科、科目、単元でも言えることですが、生徒が「それらを学ぶことへの自分の理由」を持っていないことには、「深く確かな学び」を実現するための必須要素である「主体的な学び」は期待できません。能動的・積極的な学びには、目的意識と学びの方策の2つが必要です。目的意識をもって学びに取り組んでいるか、学習方策の獲得はどこまで進んでいるかによって、取り組みもその成果も違ったものになります。新年度に始まる新たな…

授業開き/オリエンテーション#INDEX

春休みが終わればいよいよ新年度の始まりです。オリエンテーションもあれば、それぞれの学年で教科・科目ごとの授業開きもあります。最初のコンタクトで何を伝えるかが、1年間の指導の成否を大きく左右します。新入生に限らず、新2年生、新3年生に対しても、しっかりと導入指導を行いましょう。こちらからどんなメッセージを伝えるかも大事ですが、生徒の行動様式や意識の在り方をできるだけ早く把握し、事前に想定していた指導…

授業開き/オリエンテーション(その4)

【スタートに立った生徒に伝えていること】 新年度を迎えての授業開きやオリエンテーションでは、新しく学ぶ科目の目的や学び方に加え、生活や進路に対する心構えや生徒に期待されるところが先生方から熱いメッセージとして伝えられます。こうした場を参観していると、それぞれの先生方の思いや考え方に触れ、聞いているこちらも生徒と一緒に様々な刺激を受けます。新入生を迎える場面での最初の指導とその前後の進め方を考えてき…

授業開き/オリエンテーション(その3)

【指導に臨む前の目線合わせと、効果検証への備え】 授業開きや学習オリエンテーションに臨むに当たり、「ここから始まる指導を通じて、生徒をどんな状態に到達させるのか」を改めて明確にしておく必要があるのは言うまでもありません。授業開きを起点とする一連の指導を通して目指すところが曖昧なままでは、生徒の学習行動を観察・評価する基準も持てないはずです。きちんと目線合わせをして先生方の間で指導にばらつきが出ない…

授業開き/オリエンテーション(その2)

【授業開きを起点に継続的に行う学習法確立指導】 授業開きや学習オリエンテーションでの指導はその場で完結するものではなく、新しく始まる学びに適合させる一連の取り組みの始まりに過ぎないはずです。指導で伝えたことは、生徒の学び方の改善、ひいては学力の向上という結果に結びついてはじめて意味を持ちます。如上の場にどれだけ明確なメッセージを用意して臨み、雄弁に伝えたとしても、受け手である生徒の行動に好ましい影…

授業開き/オリエンテーション(その1)

【シミュレーションを通じた学習法ガイダンス】 新学期には、新入生に対して様々なオリエンテーションやホームルーム合宿などが計画されているかと思います。進級した生徒に対しても新たに学び始める科目の授業開きでは学習法のガイダンスが行われます。いずれも生徒に対して「こんな行動を取って欲しい、こんな意識をもって日々を過ごしてほしい」というメッセージを伝える大切な場です。しかしながら、期待を伝える前には、生徒…

年度初めに生徒に伝えたことに照らした指導の振り返り

年度末のこの時期を逃さずにやっておきたいことの一つに、「新年度を迎えるに当たって生徒に伝えたことが、どこまで生徒の行動や思考に根付いているか」の点検があります。クラス担任/学年団として、教科担当者として、あるいは部活動の顧問として、1年前の年度初めに当たって生徒に伝えたことがあるはずですが、それらがどこまで生徒の中に形になって根付いたかは、この1年の指導が所期の成果をどこまで得たかを表します。 ❏…

探究活動の効果測定アンケート

いよいよ、この4月からの新課程で「総合的な探究の時間」が本格的に始まります。既に2019年度には先行実施が始まっていますが、これまでのところ、学校ごとに取り組みはまちまちのようです。指導を行う以上、きちんとその効果を測定し、「良いもの(効果をあげた働きかけなど)は教員間で共有するとともに、継承したものを土台に更なるブラッシュアップを図る」「改めるべきところは遅滞なく改善を図り、問題を残さない」よう…