知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得(その2)
知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得(その1)
情報を集めて編む作業で知識獲得の方法を学ぶ(その2)
情報を集めて編む作業で知識獲得の方法を学ぶ(その1)
生徒に一定の知識や理解を獲得させようとするときに、昔から最もよく用いられているのは「話して聞かせてわからせる」という方法かと思われますが、単元固有の知識・理解を獲得すると同時に、それらを獲得する方法を身につけさせることにも十分に意識を向けたいところです。学校を卒業した後も、科学技術の進歩や社会の変化によって新たな知識や理解を積み重ねていく必要がなくなることはありません。必要なことは自力で調べ、きち…
プロセスに焦点を当てた問い
教室で発している問いのうち、「結果」を尋ねるものと、「過程(=プロセス)」を訊ねるものの割合はどのくらいでしょうか。新しい学力観の下では「答えを出すにはどのようにすればよいか、どう確かめるか」と解決へのアプローチそのものを尋ねる問いも増えて然るべきです。正解が何であるかを訊ねるときはもちろんですが、「~が~になるのはどうしてか」という理由を聞くときも、実は、思考の「結果」を引き出しているだけです。…
対話によって学びはどこまで深まったか
中高一貫校での中高/前後期接続
"正解を言って欲しい"と言う生徒
生徒や学生にアンケートで授業への感想を尋ねてみると「正解をちゃんと言ってもらいたい」という声がちらほらと混じります。先生は意図をもって敢えて正解を示していないのが傍からも明らかな場合にもです。ここから垣間見える問題は、「答えは与えられるものではなく、自分で作るもの」という発想をしっかり持っている生徒・学生ばかりではないということではないでしょうか。 2018/04/11 公開の記事を再アップデート…
生徒の答案をシェアして作る学び(相互啓発)
様々な答えやアプローチが予想される問題を扱うとき、生徒一人ひとりに個人ワークで取り組ませるだけでは、発想も広がらず、多様な考え方を踏まえた上での答えに辿り着くのは容易ではありません。生徒同士が互いの気づきを交換して、視野と発想を拡充する場として、協働や討論などの活動を授業に組み込むことが不可欠です。当然ながら、グループでの話し合いが盛り上がり、何となく答えらしきものが見えてきても、そこで学びを止め…
解くべき課題で「何のために学んでいるか」を伝える
単元内容が明示され、何を学び、何を身につけるべきかが示されたとしても、その前段階として、「何のために学ぶのか」という問いに生徒が答えを見いだせないことには、「学ぶことへの自分の理由」は生まれてこないのではないでしょうか。自分の理由がなければ、所詮は他人事。身を入れて学ぶ気にならなかったとしても、生徒を責めるわけには行かないような気がします。何のために学ぶのかという如上の問いには、「学ぶことがどのよ…
授業を終えてからの学びの「仕上げ」と「拡張」
授業は50分という限られた時間の中で行われるものですから、その中でできることには自ずと限りがあります。授業内での学びで得た知識や気づきを携えて課題にじっくり取り組み、学びを深く確かなものにすることや、教室での学びの中で刺激された興味や関心に沿って学びを拡張していくことで、学びの総量(深さ✕広さ✕密度)を大きくしたいものです。 2020/01/27 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 教室での気…
負荷を抑えて「できた気」にさせてしまうことのリスク
対話などの学習活動が、学びの成果に直結しない?
学びの成果を妨げているボトルネックはどこに?
新課程が求める「学ばせ方」~学年間の円滑な接続
授業評価アンケートの集計結果を相対的にみる
答案のシェアや発表で相互啓発を正しく働かせる
生徒に考えさせたり調べさせたりしたことを、答案やレポートとしてシェアしたり、発表を行わせたりするときには、できることならすべての生徒に「成果発表の機会」を与えたいもの。 生徒の答案をシェアして作る学び(相互啓発) プレゼンテーション/成果発表を機につくる成長の場 それぞれの生徒が考えたこと/気づいたことを介した相互啓発はクラス全体に大きな学びをもたらしますし、頑張ったことを認めてもらえることも「繰…
生徒が学んできたこと、経験してきた学び方の確認を
どの教科の学習指導でも同じですが、本時の学びに繋がるところ[既習内容]を、目の前にいる生徒がどこまで/どのように学んできたか正しく把握した上でなければ、効果的な学びの場は作り出せないはずです。知っているだろうと先生方が思い込み、「既習」と想定していたことを生徒が学んでいなかったとしたら通じる話も通じませんし、既に学んで知っていることを「初出」と取り違えていても無駄が生じます。既視感の中で退屈を覚え…
フォーメーションは、意図的に且つ頻繁に更新
ペアワークやグループワークに取り組ませるとき、フォーメーションはどのくらいの頻度で、またどんな意図で変更しているでしょうか。生徒の組み合わせが固定してしまうことの悪影響は小さくありません。仲の悪さで活動が阻害されるのも困りますが、仲の良い生徒とばかり組んでいても、「なあなあ」になってしまうかも…。多様な人々とコミュニティを形成し、そこで課題の解決に協働で取り組むときに必要になることを身につけるのが…