月: 2015年7月

学習効果が期待値を下回るとき(その2)

目的もしっかり示し、活用機会も十分、しかも「わかりやすさ」も十分に備わっているのに、学習効果だけが思ったように向上しない。そんなときに「当座の目標を達成した先をイメージできているかどうか」 を点検してみましょうというのが、前稿のお話でした。本日は、その続きから。 ❏ 当座の目標を達成した先にイメージできるもの 下図は、活用機会の得点から導き出した学習効果における期待値と実測値の乖離を…

学習効果が期待値を下回るとき(その1)

目標提示が十分になされ、且つ習ったことを活用して課題を解決する機会をしっかりと経験していれば、学力や技能の向上を生徒が実感することがデータからわかっています。公式のように表現するなら、こんな感じでしょうか。 学習効果∽目標理解☓活用機会 しかしながら、活用機会と学習効果の間に極めて高い相関が見られるとはいえ、近似線から遠く離れるケースも少なくありません。そんな場合に考えられるのは他の要…

書くことと振り返りが学力を伸ばす

――親の学歴や年収が同じくらいの子どもが通う学校の中で、全国学力調査の成績が良かった学校は、自分で調べたことを文章にさせる指導や授業の最後に学習を振り返る活動などを取り入れていた。――ご覧になられた方も多いかと存じますが、7月8日の朝日新聞朝刊に掲載されていた記事です。 記事のもとになった平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究…