授業改善での協働のあり方

授業評価の結果に基づく「改善行動の効果検証」

年末を迎え、今年も授業評価アンケートの集計結果をお届けする時期になりました。1学期に続いて本年度2回目という学校もあれば、昨年の実施から1年ぶりとのケースもありますが、集計結果がお手元に届いたら、まず「授業改善に向けた取り組みの効果検証」をお願いします。前回の結果を踏まえ、先生方はそれぞれに「より良い授業の実現」を目指して様々な工夫を重ねて来られたはず。それが「生徒が備える学習者特性にマッチしてい…

実践共有は、学習効果への寄与が大きい項目に焦点化して

授業改善(より良い授業の実現に向けた思考と行動)は、先生方一人ひとりがプロフェッショナルとして取り組む仕事ですが、一人で頑張っているだけでは、発想も手札も膨らまず、なかなか加速がつきません。教科内、あるいは少し狭め、同じ科目を担当している学年教科の先生方の間で、手応えのあった手法を公開し合うことが重要です。改善が遅れているケースがあったとしても、高い評価を得た(=自校の生徒の学習者特性にマッチした…

主体的・対話的で深い学び~どこまで実現したか #2

新しい学力観に沿った学ばせ方への転換を図る中で「主体的・対話的で深い学び」がどこまで実現できたか測定することは、これまでに重ねた授業改善に向けた行動の妥当性を検証し、効果を挙げてきた優良実践を抽出するために欠かせません。今後のさらなる改善に向けて、どこに次の一歩を踏み出すべきかの判断をするにも欠かせないデータの一つになるはずです。授業者としての行動/活動の配列などに視点を置くことも大切でしょうが、…

主体的・対話的で深い学び~どこまで実現したか #1

現場で頑張る先生方が「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指して様々な工夫を凝らし、日々の授業改善に取り組んでおられる様子に大いに刺激される今日この頃です。このキーフレーズを定義し直し、構成要素ごとに到達段階の指標を書き出せれば、新しい授業観にそった学ばせ方の転換がどこまで進んできているかの検証もできそうです。 2018/06/19 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 検証の指標は、授業者では…

より良い授業の実現に向けた、管理職の役割

現場で頑張る先生方が日々取り組んでおられる「より良い授業の実現」がどれだけスムーズに進み、大きな成果を結ぶかどうかは、管理職からの支援や関与に左右される部分が小さくないと考えます。別稿「授業観察を行うときに押さえるべきところ」でお伝えしたことはもちろんですが、それ以外にも管理職の関与なしには実現が難しい「授業改善を進めるための環境づくり」があります。授業観察を通して見つけた優良実践を校内に伝えるこ…

研究授業の実りをより大きくするために#INDEX

より良い授業の実現を目指して、参加する先生方の気づきと智恵を交換する場が研究授業です。実施には小さからぬエネルギーが必要ですが、他には代えがたい、先生方にとって貴重な学びの機会です。コストに見合った成果が得られるかどうかは、ファシリテーターを含む参加メンバーの構成に加えて、実施の方法によるところも大です。このシリーズでは、以下の6フェイズで構成する実施手順を提案します。 2017/10/30 公開…

研究授業の実りをより大きくするために(その3)

明確なテーマに沿った研究で継続的に成果を積む 授業を参観し、協議を通じて「より良い授業」を実現するための気づきを交換したり、学習効果をより大きくする方法を考えたりすることで、研究授業は所期の成果をおさめたことになりますが、毎回、これを繰り返しているだけでは発展的、継続的な取り組みにはなりません。そもそも「研究授業」というからには、何らかのテーマにそって研究を進める場として位置づけを明確にする必要が…

研究授業の実りをより大きくするために(その2)

グループの成果をシェアして改善への仮説作り 前稿「参観メモをもとに小グループで気づきの交換」で紹介したような手順を、授業公開後の研究協議の冒頭で踏んでおけば、授業者の工夫や共有すべき優れた手法、改善すべき箇所とその修正案などの多くは、各グループの中で、既にかなりのところまで抽出されているはずです。次のステップはグループごとに取りまとめた「気づき」を発表してもらい、知見の共有を参加者全員まで広げてい…

研究授業の実りをより大きくするために(その1)

参観メモをもとに小グループで気づきの交換 授業改善を目的とする取組のひとつに研究授業があります。複数の先生が同じ授業を参観した後で研究協議に臨むという枠組みは同じですが、後半の研究協議のやり方次第では、より良い授業の実践に向けて得られる知見(=研究授業の成果)の質と量に大きな違いが生じます。 2017/10/25 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 効果の上がる研究授業、形だけで終わる研究授業…

授業改善を確実に進めるための年間実施計画作り

年度末が近づき、新年度の年間行事予定も固まりつつある時期ですが、より良い授業の実現に向けた取り組み/協働についても、スケジュールを考えてカレンダーに落とし込んでいく必要があろうかと存じます。生徒の指導が本分であり、それを中心に年間スケジュールを決めていくのは当然ですが、教育に向けられた期待が膨らみ、大きく変化していく中、指導法の研究と開発に十分なリソースを割り当てたいところです。多忙な毎日の中で、…

授業間の差が拡大したときこそ実践共有の好機

授業評価アンケートは先生方が個々に担当される授業について生徒の評価を得るものですが、結果を見るときには、教科(あるいは学年教科)としての集計値にも注目を向けましょう。別稿でも書いた通り、授業評価アンケートを行う目的のひとつは、校内/教科に存在している優れた実践(授業)の所在を探し出すことです。そこでの工夫や実践を先生方の間で共有していけば、「より良い授業」を「より多くの生徒」が受けることができるよ…

授業改善行動の実効性を高めるために#INDEX

授業評価アンケートの集計結果や模試などの成績データなどから、授業改善の課題がどこにあるかを特定できたとしても、それだけで「改善に向けた具体的な行動」を描き出し、着実に実行できるとは限りません。改善課題の解決に必要な知見を集めるにも相応の工程が必要ですし、授業の進め方や指導計画の中に落とし込むには従来の発想を離れた工夫も必要になります。また、当然ながら、「プランの立てっぱなし(計画倒れ)/やりっぱな…

授業改善を進める準備が整っているか

本シリーズでは、「授業改善行動の実効性を高めるために」と題して、改善課題の特定から、改善に向けたプランの作成、その実行と改善行動の効果測定までの流れについて、考えるところをまとめてみました。授業改善を継続的、効果的に進めるには、如上のPDCAサイクルを適切に回せるだけの環境や準備が整っていることが前提要件。本稿では、シリーズの追記として、この辺りを考えてみたいと思います。もし、現状を鑑みて不十分と…

授業改善行動の実効性を高めるために(その3)

改善行動の効果測定とその後のアクション 授業改善に向けたプランを実行していく中で、所期の目標の達成を引き寄せるべく「中間検証」で小さなPDCAを回しながら、次の授業評価や模試などを機に「改善行動の効果測定」を行います。成果を挙げた取り組みはきちんと共有・継承することで、次の年度でほかの先生方が同じ試行錯誤を繰り返さないで済むようにしたいところ。巨人の肩の上に立つという言葉がありますが、先人が築いた…

授業改善行動の実効性を高めるために(その2)

改善プランの具体化、中間検証 授業改善を確実、且つ継続的に進めるためのPDCAサイクルの前半である「改善プランを立てて、実行する」フェイズでは、データに基づき現況を正しく理解しておくことに加えて、改善策を考える段階で、 という2点を確かめて進めないと、その先での行き詰りが懸念されるのは前稿でお伝えした通りです。これまでの発想の中に立ち止まったままで、あれこれと策を講じても、ブレイクスルーは期待でき…

授業改善行動の実効性を高めるために(その1)

課題形成から改善プラン作りの準備 授業改善を継続的かつ確実に進めていくには、現況把握に基づく課題形成、改善プランの策定、改善行動の効果検証からなるPDCAサイクルを着実に回す必要がありますが、様々な学校の取り組みを拝見していると、正しくサイクルを回せているケースばかりとは限らないようです。模試の成績や授業評価アンケートの集計結果など、改善課題を発見するのに十分なデータが揃っていても、合理的な手順に…

教科会に期待される役割~ちゃんと機能していますか?

教科会が年間スケジュールに組み込まれた定期開催となっている学校ばかりではなく、重要な確認事項があるときにのみ開催するというケースも少なくないようです。教科内の情報共有は主に職員室などでのカジュアルな対話を通じて行われているだけで、議論やすり合わせをしっかり行う場はなかなか確保できないというお話も耳にします。会議はそれ自体が時間という教育リソースを消費する活動ですので、できれば少ないに越したことはな…

自教科以外の授業も参考に「学ばせ方」を見直してみる

授業の進め方や学ばせ方を研究するとき、同じ教科の他の先生の授業を参考にするのが「普通/当たり前」のことだと思いますが、倣うべき実践を探す先は「他の教科・科目の授業」まで広げてみるのも好適です。授業の進め方には、教科ごとに「こういったもの」という固定観念みたいなものがあるのではないでしょうか。ご自身が中高で受けていた授業は思いのほか、意識に深く刻まれており、指導の組み立てを考えるときも、知らぬ間にそ…

大きな成果が出た時にこそ~実践の共有と継承

進学実績にしろ、模擬試験や外部検定の成績にしろ、あるいは授業評価や学校評価のアンケートにしろ、成果が出たときの行動こそが重要だと思います。結果を受けた振り返りというと、どうしても課題/反省点の洗い出しに意識が向きがちですが、成果をあげた好適な取り組みにも、しっかりとスポットライトを当てましょう。失敗に原因があるのと同様に、成功にもそれをもたらした要因があります。それをきちんと分析的に捉え、共有と継…

新たな取り組みを始めるときの鉄則

学校に限ったことではありませんが、新しいこと(学校なら、教科・科目の新設、授業デザインの更新、新しい評価方法の導入など)にチャレンジしようとするときには、きちんと踏んでおきたい「手順」というものがあります。目的とするところの確認や、その達成に必要な事柄の洗い出しもそこそこに、思いつくまま拙速に走り始めては「成果」は不確かなはずです。成果検証の方法も考えておかないと「やりっぱなし」になりがち。次の指…