日々の教室では、大切な事柄をしっかり伝え、きちんと覚えさせようと様々な強調の工夫がなされていると思いますが、方法を誤っては、狙い通りの効果が得られなくなるだけでなく、知識を断片化させたりするなど、望まない悪影響(副作用)を招きかねません。
方法が正しいかどうかは、目的との整合性、つまり目的の実現にどれだけ効果的に寄与できるかです。 強調の目的が「対象に意識を向けさせ、強い印象とともに記憶に刻み付けること」だとすれば、声を張る/色を付ける/枠で囲むといった、所謂プレゼンテーション技術を駆使すること以外にも、様々な「正しい方法」が考えられます。
また、大事なところを選び出す工程を「不用意」に先生方が肩代わりしては、生徒が自力で重要度を判断する力は育ちません。
強調をどのように行うべきか、改めて考えてみると、結果的にシリーズタイトルから想像されるのと違うところにスポットライトを当てることになりました。視野を広くもって方法を考えなければ、効果的な強調は実現しないのだと実感しています。
2014/10/21 公開のシリーズを再アップデートしました。
広く行われている「強調の方法」とその問題点
・強い刺激を繰り返すうちに反応が鈍くなる
・繰り返してみたところで、定着が図れるとは限らない
・過度な強調は、知識や理解の断片化の遠因
強調点を絞り、他の表現を押さえる(メリハリの実現)
強調の必要性を判断するときの基準
学習者が投じるエネルギー∽記憶に残る度合い
大切な箇所をピックアップさせる場面での工夫
生徒にエネルギーを多く使わせる様々な工夫
・わざと小声で話す/自分で調べさせる/答えを仕上げさせる
エネルギー投資を最大化するにはテンポも大事
記憶への刻み付けは、インターバルを置いた重ね塗りで
テストは覚える方法/思い出す方法を学ぶ機会
書き上げた板書を辿り直すのも反復の機会
項目ごとの軽重判断で反復回数にもメリハリを
受験期に覚え直せば良いことに力を入れ過ぎない
お手軽マークアップは知識を断片化させる
マークアップは意図を明確に、必要最小限に
生徒自身にマークアップすべき箇所を探させる
対象語句を用いた論述問題を併用して理解を固める
テストの目的を「覚えること」に偏らせない
大事なところほど、ゆっくり発音&欠かさず板書
板書を辿りながら行う添え書き
後から行うハイライト/残しておいた空所を埋める
「大事だよ/試験に出るよ」の連発効果は甚だ疑問
問い掛けによって、受け止める側の準備を整えさせる
理解したこと/思考の結果を言葉にさせる
本シリーズを概観するイラストをChatGPTで製作しました。(クリックで拡大)

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一
