年度末を迎えようとしているこの時期に、やるべきことをリストアップし、それぞれの重要度を判断しておきたいところです。当ブログの中から「春休み」と「新学期」をキーワードに持つ記事を集めてみました。最終更新日が古い記事もありますが、残り5週間ほどの準備期間でのタスク管理に何かのご参考となればこの上ない喜びです。
2017/02/07 公開のまとめページを更新しました。
せっかく時間の余裕が生まれる春休み、何をやるかを生徒自身に考えさせ、自分できちっと計画を立てて実行させるトレーニングの絶好機です。学期中はこなしきれずに中途半端にしてしまった副教材、興味があったが読めなかった本などなど、…先生方が「普段はやらせることができないこと」を持つのと同じく、生徒もまた「普段はできなかったこと」を抱えているかもしれません。
学習機会としての模試受験(全3編)
3年次第1回の模擬試験に向けて「学び直しの機会」 を作る」なら、計画作りの予定を学年末考査の2週間前ぐらいにHRで告知しておくのがよさそうです。考査終了後の採点期間を1年間の振り返りと計画作りに充てさせましょう。学年末考査を終えて生徒なりに反省点も抱えています。この段階で、「さて春休みだ」と思わせるか、反省を活かしながら「いよいよ最終学年だ」と覚悟させるかでは大きな違いが生じるはずです。
最終学年を迎える生徒にとって、この時期にやるべきことの一つは、これまで重ねてきた選択の結果にきちんと向き合うことです。自分が目指しているもの、目指すことにした理由などを自分のものにできているかどうかは、難局に直面したときの頑張りも左右します。言葉にする機会をつくり、内省と外在化を促しましょう。
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授業開き/オリエンテーション(全4編)
新学期のオリエンテーションや授業開き、最近では合宿スタイルも増えていますが、そこで発信するメッセージの準備はできているでしょうか。年度末の忙しさの中、十分に練り上げる間もなく生徒を迎えてしまっては…。授業開きでどんなメッセージを伝え、生活・学習・進路の3領域でどのような取り組み方を示していくのか、先生方が思うところを持ち寄って、新しく迎える生徒に伝えるべきことを整理しておく必要があります。
#01 シミュレーションを通じた学習法ガイダンス
#02 やらせてみて観察しながら、自ら修正させる
#03 目指すべき到達状態に照らした生徒観察
#04 スタートに立った生徒に伝えたいこと
先生を扇のかなめとする生徒との一対一の関係に、生徒相互の関係性を加えることで、互恵意識を土台とする互いが支え合う学びのコミュニティを作ることができます。新年度の最初の数週間は学級経営の黄金週間というとか。2か月が経過し関係構築が進まず問題が現れ始めているとしたら、ここからの立て直しが急務です。生徒一人ひとりにとって必ずしも先生がベストティーチャーではないとの前提に立った改善方策を考えてみました。
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入学してきた生徒に、中学校での総合学習や課題研究でどんなことをしてきたか、どう取り組んで、どんな成果を得たのか。それを通じて、自分のうちにどんな変化・成長を感じたのかを、アンケートなどで聞いておくと、その後の指導場面の具体化をするときの大きな参考になるはずです。
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年間行事予定の書きだし方(全5編)
新入生を迎え入れるに当たり、改めて整えておきたいのが年間行事予定表。これから先の3年間/6年間を見渡し、どの時期に何が待っているかを予想しながら過ごす日々と、次々に訪れるイベントを、準備を整えるでもなく受け身の姿勢でただ経験していくだけの毎日とでは、大きな違いが生じるはずです。
シラバスの起草・更新に際して(全4編)
各科目の到達目標は、学校の教育目的を達成するために置かれるものです。教育活動の全体像(グランドデザイン)に照らして考えないと目標の妥当性が保てず、生徒を支えるスクラムも組めません。目標が決まらなければ計画が決まらず、計画遂行におけるこだわりや方針も定まらないことを考えると、年間授業計画は単体ではなく、グランドデザイン、到達目標一覧、学習の手引きとセットにした一体での運用が前提となるはずです。
#01 まずは全体を見渡したグランドデザインを
#02 指導計画立案の前に検証可能な目標の設定
#03 副教材の取り扱いや学ばせ方のすり合わせ
#04 使いながら記録を残してブラッシュアップ
学校のホームページを拝見していると、伝えるべき事柄がきちんと発信されていないことも少なくありません。更新漏れやリンク切れも決して珍しくないようです。年間行事予定表を組むときに、どのタイミングでどの組織から、どんな情報を発信していくのか、一緒に計画を立ててしまった方が、意図的・戦略的な広報ができますし、着実な情報発信につながるのではないでしょうか。
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追記: 併せて「ちょっと早いですが、新学期を迎える準備」もお時間が許すときにご高覧いただければ光栄です。
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一