主体的・対話的で深い学びをしっかりと根付かせるには、その実現に向けた取り組みの成果を検証する必要があります。様々な方法を試すのが可能性と選択肢を増やすことは間違いありませんが、目標は何かしっかり見定め、取り組みが生徒を目標に近づけているかを確かめないことには、あらぬ方向にさまようリスクを抱えます。
先生方がそれぞれ最善と考える方法を試してみて、その成果を互いに比べてみることで、自校の生徒に最もよくマッチした方法を選び出せるはずですし、足りないものに気づけば新しい工夫を考えるときの方向性も見出せます。
いわゆるアクティブラーニング的な手法を積極的に採り入れていても、それが主体的・対話的で深い学びの実現に繋がらなければ、単に活動性を高めただけです。
授業中に寝る生徒は減るでしょうが、本来の目的である学力の向上/コンピテンシーの増大に繋がらなければ意味はありません。
“正解を言って欲しい”と言う生徒は、もしかしたら”学びに対する主体性”を獲得できていないのかもしれず、放置するわけにもいきません。
主体的・対話的で深い学び~どこまで実現したか #1
検証の指標は、授業者ではなく学習者の行動と成果
主体性とは、自らの目的意識と方法考案への姿勢
評価結果を数値化して残すための方法(例)
対話の目的は、発想の拡充と自己の客体化
「学びの場での対話」は話し合いだけではない
深い学びを考えるには、まずは「浅い学び」をイメージ
評価規準の完成を待たず、できた部分から使ってみる
様々な場面での評価を組み合わせて多角的に
生徒が自分の行動を振り返り、評価できてこそ
美味しい料理を食べさせる≠作り方を覚えさせる
内容を理解させることと学び方を身につけさせること
「主体的な学び」の意味を少し拡張して考える
学び方を学ばせるには、生徒が解くべき課題が必要
プログラムを刷新しても、学力観の転換を図らなければ…
本シリーズは、ジャンル別記事インデックス「活動性を高める方法と効果」に新しいサブセクションとして追加しました。
以下の記事と併せ、お時間の許すときにご高覧いただければ光栄です。
■ご参考記事:
追記: 生徒による授業評価アンケートでも、「授業中の対話を通じて学びの深まりを実感するか」「この科目の学び方が身についてきた」といった項目を新設するなど、新しい学力観に沿った学習指導評価に切り替えを図るケースを見かけるようになってきました。
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一