先日行われた、代々木ゼミナール教育総研主催の教員研修セミナー「授業法研究ワンデイ特別セミナー」では概説講義を担当いたしました。年度末のご多用の中、多くの先生方にご参加をいただきましたこと改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
講義のテーマに取り上げたのは、「学力差を活かした指導授業~積極的な学習参加を促すために~」です。その中で、習熟度別クラスでの定期考査のあり方についても少しですが触れました。
習熟度別にクラスを編成した場合も、進度差を設けずに、全クラス共通問題で考査を実施した方が、評定の公平性だけでなく、様々なメリットが得られます。
考査問題の大問構成を、「知識や技能」を中心としたAパート、「思考や表現」を中心としたBパートの2階建てにしてみるのも好適です。
基礎や標準のクラスでは、Aパートでの〇割の得点を必達目標とし、発展クラスではAパートでの高得点は当然として、Bパートでどれだけ得点を重ねられるかに挑ませる、という発想です。
併せて、関連記事である、「クラス内で生じた学力・学欲差への対処法」もお時間のある時にご高覧いただければ幸いです。
- 進度差は設けるべきか
- 進め方ではなく、深め方で差をつける
- 習熟度の不足を補うのは「集団知」
- 共通問題にする理由
- 相互の目で、考査の妥当性を高める
- 共通したモノサシで「優良実践」を見つける
- 内部の優良差分にこそ学ぶべきものがある
- 考査問題を2部構成に
- パートを分けて、指導上の改善課題を発見しやすく
- 目標管理に「平均点」はNG
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一