小中高合同研究授業をお訪ねして(その3)
授業を拝見していて強く感じたもう一つのことは、生徒同士、生徒と先生の間に見られる良好な人間関係です。ペアを変えながら練習をする場面でも、新しいパートナーともすっと練習を再開できるし、生徒が周囲の目を気にして発言を躊躇するような場面もほとんど見られません。良好な人間関係が授業を支える基盤であることを改めて感じました。 ❏ 好ましい人間関係を、授業が作っている可能性 現場の先生方が、良好な人間関係作り…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
授業を拝見していて強く感じたもう一つのことは、生徒同士、生徒と先生の間に見られる良好な人間関係です。ペアを変えながら練習をする場面でも、新しいパートナーともすっと練習を再開できるし、生徒が周囲の目を気にして発言を躊躇するような場面もほとんど見られません。良好な人間関係が授業を支える基盤であることを改めて感じました。 ❏ 好ましい人間関係を、授業が作っている可能性 現場の先生方が、良好な人間関係作り…
教員側の主導で進める講義形式、学習者を主体とする支援者としての役割、協働学習など、様々な授業観があり、前の時代の主流であったスタイルは何となく否定される傾向があるように感じます。しかしながら、それらはどれか一つを「選択」するものではなく、その場の必要に応じて使い分けられるべきものであり、最適なバランスの中で組み合わされるべきものだと考えます。 ❏ 教員主導、学習者主体、協働学習、… 今回の公開授業…
10月2日、東京都立両国高校等学校(大井俊博校長)をお訪ねして、授業公開&小中高合同研究協議会を見学させていただきました。近隣のみならず広い地域から、小学校、中学校、高校の先生方がお集まりになり、のべ50以上の公開授業を熱心に参観され、研究協議では密度の高い議論を交わしておられました。この小中高合同授業研究は、同校が平成24年度からの3ヵ年で段階的に進めている学校改善計画“両国スカイツリープラン”…
手帳を使った、日々の、あるいは週ごと月ごとの振り返りの効果は、その場だけのものに限りません。記録を残して定期的に読み返すことで、様々な副次的効果も期待できます。同じ轍を踏まないこと、そして成功したときの自己イメージを強く持つことも、記録によってもたらされる効果です。 ❏ 反省や思いを記録に残すこと自体に意味がある うまくいった時の記憶をはっきりさせておくことは、次の似たような状況で採るべき行動を示…
手帳の回収・点検を通じて、日々の学習時間を把握している学校があります。当然ながら、生徒が手帳に記録したままの状態では、集計したりデータとして解析に利用したりすることができないため、担任の先生が手帳を見ながらエクセルに手入力しているケースがありました。 ❏ 手帳に記録されている定量的情報をデータ化 手間の負担は計り知れません。生徒指導のために行っていることが、生徒指導の時間を奪うというジレンマは避け…
3ヵ月先、半年先を見据えて今なすべきことをイメージできる状態を保つことは、分岐点となる「選択の機会」に十分な準備を整えて臨むために欠かせません。そのためのツールとして、ビジネス手帳には大きな可能性と優れた機能が備わっています。 ❏ 進路の手引きや進路通信との併用を前提に しかしながら、同様のことを手帳なしで実現している学校も少なくありません。都内で毎年多くの東大合格者を出しているトップ校の一つでは…
中学生や高校生が養うべきと考えられる自己管理能力のうち、2つ目は「予定を立てて、計画的に行動できること」です。これについても、時間軸に沿って配置された紙面を眺めて全体を掴む、という手帳が持つ利点が生かせそうです。 ❏ 予定を立てる=所用時間を見積って、優先順位をつける 宿題や提出物など、それぞれの用事について、どのくらいの時間が掛かるのかを見立て、どのタイミングで処理していくのかは、頭の中だけであ…
提出物などの忘れものが減ったという報告は、手帳を導入した学校の大半で聞かれます。授業、ホームルーム、部活、委員会など、様々な場面からのタスクを一括で情報管理しておくことは、失念を防ぐのに効果的であることは容易に想像できます。 ❏ 情報の一括管理が、忘れ物を減らす たとえば宿題が出されたときに、科目ごとに作っている授業用のノートに書き留めても、予復習の習慣がない限り、宿題が出たことを覚えていなければ…
ビジネス手帳を使って生徒の自己管理能力を高めようという取り組みが、広がりを見せています。当然ながら、使うのは先生ではなく生徒です。宿題や提出物の期限を書き込むことで忘れ物が減ったり、学習生活を振り返らせることで自律的な生活態度が養われたり、といった効果が報告されています。首都圏の私立高校で実際に採用されているオリジナルの手帳(生産性手帳:学生ダイアリー)を拝見しました。普通のビジネス手帳と違うのは…
各地で小中高連携の輪が広がっています。都内でもこの秋、小中高合同の授業研究会がいくつも行われます。すべての研究会の成功と盛り上がりを祈念しつつ、先生方を対象に代ゼミで開催した夏のセミナーで担当させていただいた箇所を本稿で再現してみたいと思います。 ❏ 上級学校の求めに応じるだけが連携にあらず 校種間連携は、様々な形で整備が進んでいますが、その多くは上級学校で行われていることを下級学校が知るための機…
先日、都内のある学校をお訪ねして、ちょっと変わったワークショップを行ってきました。タイトルは「面白い授業とは何か」です。このタイトルに正攻法で答えを探そうとすると、早々に発想が行き詰ってしまうことが少なくありません。ワークショップの冒頭で参加者の皆さんに考えていただいたのは、「面白くない授業」です。 ❏ まずは、「面白くない授業」を思い浮かべる 短時間のうちに、実に色々なご意見が続々と出てきました…
学習の手引きやシラバス、あるいはオリエンテーションで配布する資料には、評価方法や評価基準が明示されているはず。まったく言及されていないようなら、加筆が必要です。特にシラバスに評価に関する記載がないと、シラバスたる要件を満たしていないことになってしまいます。 ❏ 評価基準も、学習の成果を踏まて段階的に引き上げる どのように評価されるかを十分に理解すれば、生徒はそれに応じた行動をとるようになります。中…
中高一貫校では、中学と高校、前期課程と後期課程との間で、過剰なギャップや大きすぎる重なりが見つかることが少なくありません。このあたりにも注意が必要です。 ❏ 上下左右と見比べながら、修正案を書き込んでいく シラバスに記載されたことと付箋に書き出して、模造紙の上に張り出していくことで、「あれっ?」と思う機会も少なくないはずです。学年ごとに、また科目ごとに起草してきたものを、付箋で分解し、模造紙の上に…
新入生に対して、あるいは学期が切り替わるごとに、学習方法や教材への取り組み方などを伝える「オリエンテーション」が多くの学校で行われています。また、それらを実地に経験させて学ばせる「勉強合宿」も広く行われ、もはや特別な行事ではありません。オリエンテーションの内容、特に予習・復習の方法や授業への取り組み方は、学年教科の判断や考えに任されているのが一般的なようです。 ❏ 学年をまたぎ、成果と反省を踏まえ…
学習指導は教科ごとに行われますが、学習姿勢や学び方を生徒が獲得していく過程は、教科を跨いで同時に進行していきます。ある教科を通じて身につけた姿勢や技術は、ほどなく他の教科にも転用されるようになるのが普通です。 ❏ 獲得した資質や行動様式は科目を超えて ディスカッションに臨んで、相手の発言を理解したうえで自分の意見を組み立てられる/表現できるようになること、わからないものを見つけたときに適切な参照手…