思考力をはぐくみ評価する(その1)
家庭学習の習慣形成に向けて
もうじき新学期です。「授業開き」やオリエンテーションでは、予習や復習の方法、家庭学習の時間についてもお話しをされているかと。家庭学習について、昔からよく言われるのは、「学年+2時間」とか「平日は2時間以上、休日は4時間以上」といったもので、そう伝えているのは、今もよく見聞きします。確かにこれだけ勉強すれば、成績も伸びるでしょうし、進路希望の実現にも近づけると思いますが、あくまでも「実のある学びを、…
自分の頭の中を覗かせる(思考の外在化)
妙なタイトルになってしまいましたが、頭の中を覗くといってもMRIやCTで頭蓋内の検査をすることでも、ましてや開頭して目視で脳を観察することでもありません。生徒に自分の頭の中で起きていることを、様々な方法で客観的に捉えさせようということです。 ❏ どうしてそう考えたのかを尋ねてみる 問いに答えを導いたり、課題を解決したりする場合、きちんとロジックに沿って答えを導き出しているなら、別の機会に新たな問題…
難易度をどう考え、どのように調整するか #INDEX
教材や課題の難易度をどのように設定するかは、生徒の学力分布だけを見て決めるものではありません。同じ負荷をかけていても、生徒が感じている得意/苦手の意識や、授業を通じた学力伸長の手応えを把握しながら調整を行う必要があります。得意/苦手という意識においても、授業内での学習者活動や、それまでの指導で形成してきたレディネスによって生徒の感じ方が変わります。模擬試験の成績や進路希望の分布だけを見て、そのクラ…
難易度をどう考え、どのように調整するか(その2)
難易度をどう考え、どのように調整するか(その1)
シラバスの起草・更新に際して(その4)
十分な検討と協議を経て、3年/6年間を見渡したグランドデザイン、科目・教科ごとの到達目標、学び方を生徒に伝える手引きの3つが調ったら、いよいよ年間授業計画を書面に起こして最終的な仕上げです。 ❏ 年間授業計画の起草は、約束事を確認する機会 年間授業計画は、授業の進め方や指導法についての約束ごとを明文化して、授業に様々な立場から関わるすべての当事者(先生、生徒、学校、保護者)が互いに確認・共有するた…
シラバスの起草・更新に際して(その3)
年間授業計画を起草・改訂するときに欠かせない前段階であるグランドデザインの描出と学年✕教科ごとの検証可能な到達目標の設定が完了したら、次に取り掛かるのは、それらを達成するための方法の立案です。学年✕教科ごと到達目標を、どの教材を、どの時期に、どう使って達成を図るかを考え、総指導時間の中に配置していきます。その中で、授業時数に収まり切れないものをどう扱うかという検討も必要になります。 ❏ 副教材の取…
シラバスの起草・更新に際して(その2)
シラバスや年間授業計画を書き起こしたり、改定したりするときのスタートは、前稿でもふれた「3年/6年を見渡したグランドデザインを描くこと」ですが、グランドデザインができたからといって、すぐに各科目で起草に進むのは早計です。指導や学習の方法・手順を考える前には、学年・学期といった時期ごとの到達目標と、達成検証の手段を決定する必要があります。 ❏ 教科✕時期ごとに、目指すべき到達状態を規定する 指導計画…
シラバスの起草・更新に際して(その1)
シラバスや年間授業計画は、学校によって構成や内容がまちまちです。使う場面を想定して、学校独自のフォーマットが確立されたケースも見られますが、どちらかというと記述の約束ごとが曖昧なまま各科目で起草や更新を重ねる中、いつの間にか整合が取れなくなっているケースが多いように見受けられます。 多大な手間をかけても作成しなければならないものなら、「誰がどう使うのか」 をしっかり考えた作りにしたいもの。何のため…
活動の成果を可視化する(英語の音読を例に)
推薦入試を利用させる条件
文化祭も終わり、3年生は本格的な受験態勢に入った頃かと存じます。夏休みにしっかりと力をつけて第一志望の実現に走り出してくれていれば良いのですが、中には、受験モードへの切り替えがうまくいかなかったり、成績の伸びが感じらなかったりした生徒もいるはず。何となく弱気になってしまい推薦入試に狙いを変えようとしている生徒がいるかもしれません。 ❏ 推薦入試は、明確な志望理由があってこその選択肢 もちろん、推薦…
ルーブリック評価の導入はなぜ必要なのか
協働の進み具合を測る指標
苦手意識が膨らんでしまったら(その3)
苦手意識が膨らんでしまったら(その2)
新しい単元に進むとき、もしそれまでに生徒の側で苦手意識を持ってしまっていたり、学力の向上を感じ取りにくくなっていたりしたら、次に進むレディネスが整っていないことを前提とした指導を設計しなければなりません。 これをやれば大丈夫という“万能薬”はありません。いくつかの対策を複合的に講じることが大切です。 もちろん、こうした対策にはそれなりの時間を投じる必要がありますので、順調に勉強を重ねてきた生徒の足…