月: 2026年7月

"探究活動の作法"を学ぶ機会は整っているか

総合的な探究の時間(探究活動)が「自己の在り方生き方を考えながらよりよく課題を発見し、解決していく」ための能力・資質の育成を目標とする学びの場であることは言うまでもありません。前半の「自己の在り方生き方を考えながら」を実現するには探究テーマの選択に際して「進路との接点」をしっかり意識する必要があります。 ここで目指しているのは、21世紀型能力の外縁を形成する「実践力」に含まれる「自律的活動力」「持…

身の回りの問題を多角的に捉えさせる

身の回りに起きていることの中にも様々な問題があり、それらの多くは日々の授業や総合的な探究の時間の中に、学んだり、解決策を考えたりする機会を持ち得るものであると思います。各単元の学習の中で扱うことができるものもあれば、単元を跨いだ融合問題を設定することで学習機会が作れるものもありますし、他の教科と連携した合教科型学習、探究活動で扱うのが好適なものもあります。そうした問題について学んだり考えたりする中…

授業観察を行うときに押さえるべきところ

管理職の先生方が「授業観察」を行うときや、教育実習生の授業を指導役の先生が観るときには、押さえておきたいポイントが多々あります。さらには観察で実際の教室に足を運ぶ前にも、観察者と授業者との間で行っておくべきことがあり、参観を終えた後も同様です。どこに観点を置いて授業を観るかに加えて、参観結果をどのように授業者にフィードバックするかは、授業を観察する先生方それぞれの経験則に頼りがちかと思います。授業…

実践報告に触れての気づきを言語化することの効果

より良い授業の実現を目指し、全国各地で様々な指導法研究や実践報告が行われています。ご参加の先生方からの意欲的な提案や報告にいつも大きな刺激をいただき、たいへん勉強になります。 各地の先生方が、それぞれの置かれた状況の中で「あるべき学びの姿」を考え続けて生み出してきたアイデアの数々は、それに触れた人が授業をデザインするときの手札を増やし、それを使ってさらに工夫を重ねた実践はまた別の機会で報告され、さ…

明日、ブログの更新をお休みします。

いつもブログをお読みいただき有難うございます。都合により、明日(7月15日)はブログの更新をお休みいたします。閲覧はいつも通りに可能です。先生方におかれましては、ご多用の日々をお過ごしのことと拝察いたします。くれぐれも御身大切にお過ごしくださいますよう。 教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

改善が遅れた授業のキャッチアップを支える

授業評価アンケートの集計結果や、模試や外部検定のデータを拝見していると、改善を重ねてより良い指導を実現している授業/先生/クラスがある一方で、キャッチアップが必要なのに改善が遅れてしまうケースも少なからず見られます。これをそのままにしては、改善が進まない先生ご自身もお困りでしょうし、そこで学んでいる生徒にも小さからぬ不利益が及びます。自校に通うすべての生徒に「より良い学び」を約束するために、改善が…

優れた実践にも手札は様々、組み合わせて更なる進化

生徒による授業評価アンケートを利用して、継続的な授業改善(=より良い授業の実現)に取り組んでおられる学校が各地にあります。多くのケースでは、集計結果を用いて、校内に既に存在している優れた実践の所在を探り、そこでの工夫やノウハウを共有することで、改善が遅れた授業でのキャッチアップを支える取り組みがなされています。 また、高い評価を得ることができた授業における工夫も様々。それらを効果的に組み合わせれば…

キャッチアップ(授業改善)を効果的に進めるために

~優良実践を「自分の授業の次の一手」に変える~ 優れた実践を知る機会があることは、授業改善にとって大きな助けになります。ただし、実践報告を聞いたり、授業を参観したりしただけで、自分の授業がすぐに改善に向かうとは限りません。場合によっては、次のように感じることもあります。「良い実践だと思うが、自分の授業とはスタイルからして違う」 「実際にやるには、特別なスキルや教師のキャラが必要なのでは?」 「担当…

改めて考えてみる「問いを立てる」ということ

このブログでも、以下のように「問いを立てる」という言葉をたびたび使ってきましたが、改めてその意味するところを考えたいと思います。 単純に「なんだろう」「どうなっているのだろう」と疑問や興味を持つ段階から、「疑問の正体を特定し、共有可能な表現でその本質を表現する」という過程を経てようやく「問いを立てる/起こす」に至ります。目の前の事物を注意深く観察したり、資料などを注意深く読んだりしないと、起点の「…

探究活動を成立させるための全体構造

探究活動については、これまで様々な視点・角度から記事を書き起こしてきました。テーマ選びの工夫、教科との連携、評価の設計、成果発表会の意味づけなど、切り口はそれぞれ異なります。今回は、それらの記事に通底する、探究指導の骨格となる基本的な考え方を改めてまとめてみたいと思います。個々の記事は、いわばこの骨格のどこかを掘り下げたものです。先に全体を通した「主旨」を踏まえていただくと、それぞれの記事が何を意…

探究活動、課題研究

全体の見取り図:探究活動を成立させるための全体構造 探究活動については、これまで様々な視点・角度から記事を書き起こしてきました。テーマ選びの工夫、教科との連携、評価の設計、成果発表会の意味づけなど、切り口はそれぞれです。各記事に通底する、探究指導の骨格となる基本的な考え方を、別稿にまとめてみました。 1 横断的・体験的な調べ学習の先にある探究活動 1.1 調べたことの先に~新たな知と当事者としての…

違和感は思考[探究]の入り口(まとめ)

本稿を起こしたひと月前、2025年7月の朝日新聞『折々のことば』に美術家・評論家である岡﨑乾二郎氏の「批評の始まりは、まず説明しがたい奇妙な細部を見つけることだ」との言葉が紹介されていました。 どんな絵にもうまく説明できない細部がある。そこで感じた違和を抑え込み、既存の枠組みで説明しようとすると、対象は歪(ゆが)んでしまう。逆にその違和をもはや違和としない理解の枠組みを組み立てるのが批評だと、造形…