授業開き/オリエンテーション(その3)
【指導に臨む前の目線合わせと、効果検証への備え】 授業開きや学習オリエンテーションに臨むに当たり、「ここから始まる指導を通じて、生徒をどんな状態に到達させるのか」を改めて明確にしておく必要があるのは言うまでもありません。授業開きを起点とする一連の指導を通して目指すところが曖昧なままでは、生徒の学習行動を観察・評価する基準も持てないはずです。きちんと目線合わせをして先生方の間で指導にばらつきが出ない…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
【指導に臨む前の目線合わせと、効果検証への備え】 授業開きや学習オリエンテーションに臨むに当たり、「ここから始まる指導を通じて、生徒をどんな状態に到達させるのか」を改めて明確にしておく必要があるのは言うまでもありません。授業開きを起点とする一連の指導を通して目指すところが曖昧なままでは、生徒の学習行動を観察・評価する基準も持てないはずです。きちんと目線合わせをして先生方の間で指導にばらつきが出ない…
【授業開きを起点に継続的に行う学習法確立指導】 授業開きや学習オリエンテーションでの指導はその場で完結するものではなく、新しく始まる学びに適合させる一連の取り組みの始まりに過ぎないはずです。指導で伝えたことは、生徒の学び方の改善、ひいては学力の向上という結果に結びついてはじめて意味を持ちます。如上の場にどれだけ明確なメッセージを用意して臨み、雄弁に伝えたとしても、受け手である生徒の行動に好ましい影…
【シミュレーションを通じた学習法ガイダンス】 新学期には、新入生に対して様々なオリエンテーションやホームルーム合宿などが計画されているかと思います。進級した生徒に対しても新たに学び始める科目の授業開きでは学習法のガイダンスが行われます。いずれも生徒に対して「こんな行動を取って欲しい、こんな意識をもって日々を過ごしてほしい」というメッセージを伝える大切な場です。しかしながら、期待を伝える前には、生徒…
2019年に出版されてベストセラーになった『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』では、その冒頭に簡単ながら、答えがちょっと意外なクイズが 13 個用意されています。例えば、こんな問題です。 自然災害で毎年亡くなる人の数は過去100年でどう変化したか。{2倍以上になった/あまり変わっていない/半分以下になった} 単純な三択問題ですので、まったく手掛かりなしに当てずっぽうで答えたとしても33%…
発表やプレゼンの評価、論述答案の採点などにルーブリックを適用してみたとき、生徒による自己評価の結果と先生方の目での評価の結果との間にどのくらいのズレが生じているでしょうか。同じ評価/採点基準(観点別に定めた段階的な評価規準)に照らしている以上、基準の適用が正しくできれば、先生がやっても生徒がやっても結果は同じになるはずなのに違いが生じるということは、生徒は観点や規準をきちんと理解できていない/適用…
学習目標を示すときに最も効果的なのは「学び終えたときに解を導くべき問い」を導入フェイズで示してしまうことですが、練習場面や話し合いなどの活動では、「問いを解く」こと以外にも目標があるので、その伝え方を別の形で考えなければなりません。練習を通じてできるようになるべきこと、活動への取り組み方、チームへの貢献の仕方といった行動目標を「目指すべき到達状態/評価規準」の形で示しておけば、生徒は求められる行動…
新しい単元を学ぶ入り口では、生徒がこれまでの学習(教室の中に限らず生活を送る中でのもの)を通して、これから学ばせる内容/対象について何をどこまで知っているか/どんなイメージを持っているかを把握しておくことが大切です。生徒が既に知っていること/イメージしていることと、授業を経て形成させるべき十分で正しい理解との「差分」を埋めることこそが、本時の指導で達成すべき目標である以上、学びのスタートで生徒がど…
思考のための道具は知識です。どの単元を学ぶときでもある程度まで体系的な知識を整えさせないと、その先に取り組むべき思考・判断・表現といった活動には進めませんが、体系的な知識を形成しようと先走り、導入フェイズから長々と説明を聞かせては生徒は退屈するばかりです。その日の授業で学ぶことに「興味」や「理解する必要性」を感じ取る前にあれやこれやと説明を聞くのを苦痛と感じる生徒もいるでしょうし、抽象概念を消化す…
新型コロナウイルスの感染拡大で5月の連休まで対面での教育活動は事実上不可能になりました。この状況下では、生徒一人ひとりがどれだけ主体的・意欲的に学習を進めるかが問われますが、生徒の意欲と力量に任せるだけでは学力差は大きく広がるばかりです。 しっかり取り組んだ生徒は、単元の理解や知識を十分に蓄えるだけでなく、学びのスキルも高めているはずです。その一方、形だけ整えて終わりという生徒や、表面をなぞること…
授業の冒頭や新しい単元に入るときに行う「導入」ですが、そこでの目的には何があるかをはっきりさせておかないと、工夫して作り上げた方法が目的にかなっているか/成果を挙げているかの判断がつかなくなってしまいます。導入フェイズを終えて達成しておくべきことを思いつくままに挙げてみると、次のようなことがらでしょうか。 本時の学習を通じて達成すべき目標を生徒に認識させる 生徒一人ひとりに学ぶことへの自分の理由を…
昨日の記事では、授業内外に「理解して覚えたことを課題解決に用いる場面を設けることが、学習目標の理解や学習を通じた成果(学力向上や自分の進歩の実感)を確かなものにする上、授業内活動を高めて対話的で主体的な深い学びの実現に近づく可能性をデータで示しました。しかしながら、理解したことを用いて解決する課題が授業内外に整えられているのに、生徒の側でそれを「知識活用の機会」として認識していないというケースが稀…