生徒による授業評価

対話と協働による気づきと学びの深まり

授業内における学習者の活動性を高く保つことによって、学力や技能の向上をより強く実感できたり、苦手意識の発生を抑制できたりといった効果があることは、既に様々なデータで確かめられています。 これをもう一歩進めて、「深い学び」に繋がっているかどうかを確かめようというのが、以下の質問文(授業評価項目)を導入した意図です。【対話協働】 話し合いなどの協働で、気づきや学びの深まりが得られる。 2019/04/…

理解したことをもとに課題の解を考える機会

読んだり聞いたりして理解したこと(獲得した知識)を用いて課題への解を考えるとともに、その結果を第三者の理解と共感が得られるように表現する力は、新しい学力観の下でますます重要性を増してきました。授業毎にきちんと「学び終えて解を導くべき課題」を用意することは、獲得した知識・技能に「生きて働く場」を与えることにほかならず、思考、判断、表現の力を鍛え、きちんと評価するためにも欠かせません。本時のターゲット…

達成すべき目標やポイントをはっきり示す

学習を通じて到達すべき状態を生徒に理解させておくことは、授業のわかりやすさを大きく高めます。目指していることに照らし、生徒が一つひとつの説明や指示の意味をより良く理解できるようになるからです。目標が明確になればその分だけ到達したときの「達成感(次の学びへのモチベーションの原資)」もより強いものになりますし、目標に照らした振り返りも的確に行えるようになり、学習改善も期待ができます。また、指導と評価の…

理解を確かめてから次のフェイズに進む

生徒の理解を確かめるのは、学びを先に進められる状態を確かなものにするためです。「その場で」と「言葉にさせて」の2つを鉄則に、対話で行う理解確認を徹底していきましょう。前段の理解に不足や欠落が見いだされた場合は、機を逸することなく、その解消を図る必要がありますが、教え直しで「絆創膏を貼る」ことよりも、教科書やノートの該当箇所を参照させたり、生徒同士の教え合いを促したりすることで、学び方を学ばせること…

よくわかる説明、戸惑わせない指示

説明や指示のわかりやすさを決める要素は、話し方や板書の巧拙だけではありません。今やろうとしていること(目的)が何かを前もって理解させておくことや、前段までの理解をしっかり確かめながら進めることも重要な役割を持ちます。わかりやすさは学習効果を決定的に左右する要素であり、わからないことにはできるようにはなりません。また、生徒を活動させようとしても、指示が分かりにくく、生徒が戸惑っているようでは困ります…

学びの土台を作る、整理された板書・プリント

生徒に問い掛け、気づかせたことを全員に見えるところに書き出して、前段の理解を教室で共有していくのが「板書の基本的な役割」です。整理された結果を提示するだけならプリントやスライドで十分ですが、授業の展開は「対話的な学び」が根付くほど動的になるもの。臨機応変に展開/構成できる板書の強みを十分に活かしていく必要があります。電子黒板などのICTやデジタル教材の利用はますます増えていくでしょうが、「学びに対…

いつもはっきりと教室の隅々まで届く声

伝達技術の基本は「話し手の声がいつでもはっきりと聞き取れること」です。知識・理解を与えるにも、問い掛けて生徒に考えさせるにしても──視覚による補助が効果的であり且つ必要であることは言うまでもありませんが──、まずは先生が発した声による情報を、生徒が集中してしっかりと受け止め続けられることが大前提です。先生の話が聞きとれないのではどこかで授業内容がわからなくなるのも当然。「いつもはっきり聞き取れる」…

アンケートで探る“学ぶ側の認識” #INDEX

学習評価は、個々の生徒の現状を正しく捉えてゴールに導くまでの工程を探るためにも、先生方のこれまでの指導の成果を検証して更なる改善に向けた課題を形成するためにも欠かせないものです。獲得させた知識や技能がどこまで生きて働いているかを確かめるには、妥当性を十分に備えた「テスト」が不可欠、活動評価にはルーブリックなどのツールを用いますが、これらに加えて、「学習の主体」たる生徒や学生の認識を質す「アンケート…

年度の後半で授業評価が下がる?

1学期の授業評価アンケートで見出された改善課題を着実にクリアし、数ヶ月後に実施した2学期のアンケートでは大きく評価を改善しているケースが少なくありませんが、これとは逆に1学期の高い評価を2学期に維持できていないこともあります。経年データを見ると、年度が替わるごとに評価を上げて、夏を過ぎるとまた下がるという繰り返しが観察されるケースも少なくありません。集計結果を折れ線グラフにしてみると、あたかもノコ…

授業評価の結果に基づく「改善行動の効果検証」

年末を迎え、今年も授業評価アンケートの集計結果をお届けする時期になりました。1学期に続いて本年度2回目という学校もあれば、昨年の実施から1年ぶりとのケースもありますが、集計結果がお手元に届いたら、まず「授業改善に向けた取り組みの効果検証」をお願いします。前回の結果を踏まえ、先生方はそれぞれに「より良い授業の実現」を目指して様々な工夫を重ねて来られたはず。それが「生徒が備える学習者特性にマッチしてい…

実践共有は、学習効果への寄与が大きい項目に焦点化して

授業改善(より良い授業の実現に向けた思考と行動)は、先生方一人ひとりがプロフェッショナルとして取り組む仕事ですが、一人で頑張っているだけでは、発想も手札も膨らまず、なかなか加速がつきません。教科内、あるいは少し狭め、同じ科目を担当している学年教科の先生方の間で、手応えのあった手法を公開し合うことが重要です。改善が遅れているケースがあったとしても、高い評価を得た(=自校の生徒の学習者特性にマッチした…

生徒の特性に合わせた教え方・学ばせ方のアジャスト

授業評価アンケートの集計結果が伝えてくれるのは、生徒が身につけている学び方と先生の教え方/学ばせ方のマッチングの度合いです。同じように教えていても、クラスによって集計値が違うのは当たり前で、その違いは想定を超えて大きく出ることもしばしばです。質問項目ごとの集計値から学習者の集団特性を素早く捉え、教え方/学ばせ方のアジャストを図ることも授業評価アンケートの重要な活用法の一つであり、引き出しの中にどれ…

担当クラスごとの評価の違い

同じような教え方/学ばせ方をしていても、生徒の反応が全く違ったものになることがあるのは、先生方もご経験かと思います。生徒による授業評価アンケートでも、同じ先生が同じ科目を担当しているのに、クラス間で評価結果に想像以上の差が生じることがあります。アンケートが測定するのは、「先生の教え方」と「生徒が身に付けている学び方」もマッチングの度合いであり、クラスが備える集団としての学習者特性が違えば、同じ教え…

学習効果への寄与度が通例と外れる/偏りがある場合

この夏も各地の学校で行われた授業評価アンケートのデータが続々と届き、その分析に取り組む毎日を過ごしています。アンケートのご利用をいただきました学校には、心より御礼を申し上げます。さて、別稿「授業評価アンケートの分析に用いる様々な手法」でもお伝えしましたが、アンケートのデータを分析するときには、目的変数とする項目(授業評価の場合は「学習効果」です)を選び、他の項目からの寄与度を重回帰分析という手法で…

授業間の差が拡大したときこそ実践共有の好機

授業評価アンケートは先生方が個々に担当される授業について生徒の評価を得るものですが、結果を見るときには、教科(あるいは学年教科)としての集計値にも注目を向けましょう。別稿でも書いた通り、授業評価アンケートを行う目的のひとつは、校内/教科に存在している優れた実践(授業)の所在を探し出すことです。そこでの工夫や実践を先生方の間で共有していけば、「より良い授業」を「より多くの生徒」が受けることができるよ…

負荷を抑えて「できた気」にさせてしまうことのリスク

適正な負荷を掛けることは力を効率的に伸ばします。少し背伸びすれば手が届くところに目標が設定されてこそ、頑張ってみようという気にもなるのではないでしょうか。楽々と飛び越えられるハードルでは「本来はできなければならないことなのに出来ていないこと」に気づく機会も持てず、より良いパフォーマンスに向けた課題形成も行えなくなり、メタ認知・適応的学習力の獲得にもブレーキがかかります。生徒が学習内容を確実に理解で…

対話などの学習活動が、学びの成果に直結しない?

授業評価アンケートの標準的な質問設計に含まれる、Ⅵ対話協働「話し合いなどの協働で、気づきや学びの深まりが得られる」は、対話的な学び、深い学びがどこまで実現しているかを測る意図で設けた項目です。対話は、気づきや発想の交換で思考を拡充するために欠かせないものですし、協働の場面は、様々な課題の解決に協力し合って取り組むときに必要な姿勢やスキルを獲得させるトレーニングとして不可欠です。思考力のみならず、表…

学びの成果を妨げているボトルネックはどこに?

授業評価アンケートの集計結果を分析してみると、「目的変数」であるⅦ学習効果への寄与度で最も大きな値を示すのは、Ⅴ活用機会です。Ⅶ学習効果を目的変数、先生方の直接的なコントロールが比較的容易なⅠ~Ⅵの各項目(評価項目と質問文はこちらでご参照いただけます)を説明変数とする重回帰分析の決定係数は0.827と十分に大きな値です。習ったことをもとに考える機会が課題などで整っていることは、新課程が求める「知識…

授業評価アンケートの集計結果を相対的にみる

今年も多くの学校で授業評価アンケートをご利用いただきました。この場を借りて、改めまして心より御礼を申し上げます。集計データの分析結果のご報告に各校をお訪ねするのはこれからが本番ですが、この機に多くの学校の集計結果を横断的に眺めてみました。下図は、この夏に授業評価アンケートをご利用いただいた様々な学校のデータ(質問設計は当オフィス推奨のものをご採用いただいているため共通です)をマージして作成したもの…

授業評価アンケートの結果の見方、活かし方 #INDEX

より良い授業の実現を目指して、改善課題の形成と改善行動の効果測定を行ったり、校内に存在する優れた実践を共有・継承すべくその所在を特定したりするのに欠かせないデータのひとつが、生徒による授業評価アンケートの集計結果です。質問項目に組み込まれている「授業を受けて学力の向上や自分の進歩を実感できるか」という質問に肯定的に答える生徒がどれだけ存在するか/増加したかを観察すれば、授業改善の進み具合が推定でき…