大学における授業での「学習時間の延伸を図る方策」について、考えるところをまとめてみました。最初にこの記事を起こしてから10年近くになりますが、現実の教室での状況はあまり変わっていないようです。
これまでに、様々な大学での授業評価アンケートのデータを拝見する機会を得ましたが。集計結果を合理的に説明するために立てた仮説から、具体的に採るべき「教室で採るべき方策」も見えてきたところです。
2014/11/05 公開の記事インデックスを更新しました。
令和4年度の大学設置基準等の改正でも、「1単位の授業科目について、授業時間外の学修時間も含めた45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とすること」は維持されました。
- 令和4年度大学設置基準等の改正に係るQ&A(外部リンク)
基準に満たないケースで、ただ予習や復習のタスクを膨らませ、宿題をふやしてみたところで、学修時間延伸の効果は限定的です。
4編に亘り、拙文を連ねましたが、何かのご参考になれば幸甚です。
大学の授業評価アンケートにおける学習時間の調べ方
学習時間と到達目標達成をクロス集計してみると
課題を与えるだけでは、学習時間の延伸は不確実
課題の達成可能性を担保していたか?
授業を始める前に学生が備えているものを正しく把握
課題の読み合わせで、履行のための土台を整える
まずは解消すべき不明の所在に気づかせる
テストやレポートなどの「外圧」的アプローチは…
それぞれが考えたことを持ち寄る場を作る
・各自が調べてきたことを発表(+質疑応答や相互評価)
・調べてきたことを持ち寄って行うグループ協議
活動に求める要件を評価基準として明示すること
対話や協働を終えたあとの学びの仕上げ
レポートやプレゼンで図る「さらなる学びの拡張」
課題は、提出させる前に基準に照らした自己評価
学習時間は、教える側の工夫で伸ばせる
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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一