知識の拡充 vs 情報整理手法の獲得 #INDEX
科学の進歩や社会の変化で、現在の知識は絶え間なく更新されていきます。与えられた知識を覚えるだけでは、知識のアップデートもできず、時代遅れの知識と発想で正しい選択ができなくなります。教室の学びを通して身につけるべきは、単元固有の知識・理解だけでなく、「情報を整理して理解する/情報を集めて知に編む方法」です。うっかりすると、知識付与の効率を高めるばかりに、生徒が自ら行うべきことを、教える側が肩代わりし…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
科学の進歩や社会の変化で、現在の知識は絶え間なく更新されていきます。与えられた知識を覚えるだけでは、知識のアップデートもできず、時代遅れの知識と発想で正しい選択ができなくなります。教室の学びを通して身につけるべきは、単元固有の知識・理解だけでなく、「情報を整理して理解する/情報を集めて知に編む方法」です。うっかりすると、知識付与の効率を高めるばかりに、生徒が自ら行うべきことを、教える側が肩代わりし…
前稿では、問い掛けを重ねつつ黒板上で情報を構造化していくことで生徒に「情報整理のプロセス」を学ばせることをご提案いたしました。これにより、知識の断片化や丸暗記に偏る学びといったリスクも、かなりのところまで解消できるはずです。しかしながら、蛍光ペンやサブノート式プリントを使うことになった、根っこの問題がまだ解決されずに残ります。言うまでもなく、学習内容の多さに比して授業時間が足りないという問題です。…
生徒に一定の知識や理解を獲得させようとするときに、昔から最もよく用いられているのは「話して聞かせてわからせる」という方法かと思われますが、単元固有の知識・理解を獲得すると同時に、それらを獲得する方法を身につけさせることにも十分に意識を向けたいところです。学校を卒業した後も、科学技術の進歩や社会の変化によって新たな知識や理解を積み重ねていく必要がなくなることはありません。必要なことは自力で調べ、きち…
教室で発している問いのうち、「結果」を尋ねるものと、「過程(=プロセス)」を訊ねるものの割合はどのくらいでしょうか。新しい学力観の下では「答えを出すにはどのようにすればよいか、どう確かめるか」と解決へのアプローチそのものを尋ねる問いも増えて然るべきです。正解が何であるかを訊ねるときはもちろんですが、「~が~になるのはどうしてか」という理由を聞くときも、実は、思考の「結果」を引き出しているだけです。…
生徒や学生にアンケートで授業への感想を尋ねてみると「正解をちゃんと言ってもらいたい」という声がちらほらと混じります。先生は意図をもって敢えて正解を示していないのが傍からも明らかな場合にもです。ここから垣間見える問題は、「答えは与えられるものではなく、自分で作るもの」という発想をしっかり持っている生徒・学生ばかりではないということではないでしょうか。 2018/04/11 公開の記事を再アップデート…
様々な答えやアプローチが予想される問題を扱うとき、生徒一人ひとりに個人ワークで取り組ませるだけでは、発想も広がらず、多様な考え方を踏まえた上での答えに辿り着くのは容易ではありません。生徒同士が互いの気づきを交換して、視野と発想を拡充する場として、協働や討論などの活動を授業に組み込むことが不可欠です。当然ながら、グループでの話し合いが盛り上がり、何となく答えらしきものが見えてきても、そこで学びを止め…
単元内容が明示され、何を学び、何を身につけるべきかが示されたとしても、その前段階として、「何のために学ぶのか」という問いに生徒が答えを見いだせないことには、「学ぶことへの自分の理由」は生まれてこないのではないでしょうか。自分の理由がなければ、所詮は他人事。身を入れて学ぶ気にならなかったとしても、生徒を責めるわけには行かないような気がします。何のために学ぶのかという如上の問いには、「学ぶことがどのよ…
授業は50分という限られた時間の中で行われるものですから、その中でできることには自ずと限りがあります。授業内での学びで得た知識や気づきを携えて課題にじっくり取り組み、学びを深く確かなものにすることや、教室での学びの中で刺激された興味や関心に沿って学びを拡張していくことで、学びの総量(深さ✕広さ✕密度)を大きくしたいものです。 2020/01/27 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 教室での気…
生徒に考えさせたり調べさせたりしたことを、答案やレポートとしてシェアしたり、発表を行わせたりするときには、できることならすべての生徒に「成果発表の機会」を与えたいもの。 生徒の答案をシェアして作る学び(相互啓発) プレゼンテーション/成果発表を機につくる成長の場 それぞれの生徒が考えたこと/気づいたことを介した相互啓発はクラス全体に大きな学びをもたらしますし、頑張ったことを認めてもらえることも「繰…