強調の正しい方法(その1)
教室に限らず、何かを伝えようとしているとき、ポイントとなる部分に焦点を当てるための強調を、発信者/授業者は意図的にあるいは無意識のうちに行っているものです。しかしながら、意図や方法を誤った強調が、却って生徒を退屈させ、わかりにくさの原因になっていることもあります。何のために強調するのか、何に焦点を当てるべきか、どのような方法が最適なのか、いちど立ち止まって考えてみる必要がありそうです。 2014/…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
教室に限らず、何かを伝えようとしているとき、ポイントとなる部分に焦点を当てるための強調を、発信者/授業者は意図的にあるいは無意識のうちに行っているものです。しかしながら、意図や方法を誤った強調が、却って生徒を退屈させ、わかりにくさの原因になっていることもあります。何のために強調するのか、何に焦点を当てるべきか、どのような方法が最適なのか、いちど立ち止まって考えてみる必要がありそうです。 2014/…
教科・科目を教育課程表に最適配置するだけでは、残念ながらカリキュラムを作ったことになりません。カリキュラムとは、各教科の内容を学習しつつ、様々な能力・資質を獲得させるという目的を達成するために作るものであり、その目標達成のために設計、実行、検証、修正を重ねる循環的・継続的な活動をカリキュラム・マネジメントと呼びます。新課程の土台となったのは「21世紀型能力」という新しい学力観です。これを改めて理解…
各教科の内容をしっかり学習させつつ、21世紀型能力を構成する様々な能力・資質を獲得させるべく練り上げられたせっかくのカリキュラムも必要な科目を必要な生徒が正しく選択して履修してくれないことには、本来備えている性能を十分に発揮できません。嫌いな科目を避けたり、受験情報誌などが示すモデルパターンを鵜呑みにしたりの履修科目選択では、いざ出願校を選ぶときになって落とし穴に入り込んでいることに気づいたり、進…
学習評価は多様なツールを組み合わせて多面的・総合的に行わなければなりませんが、そこで用いる様々なツールの内、授業評価アンケートが測定を担うのは、「学習の主体である生徒の認識」についてです。とりわけ、確実に把握しておきたいのは「授業を受けて、学力の向上や自分の進歩を実感できているか」です。この質問にYESと答えた生徒は、その科目を学ぶことへの自己効力感を保ち、興味関心膨らませることがデータで明らかに…
学校に限らず組織経営にはスピード感が大事だと言われますが、矢継ぎ早に手立てを講じながら、その一つひとつの実行が疎かになっては何にもなりません。スピードと着実性を両立させる必要があります。対策の打ち出しだけはスピード感があるのに、肝心の実行フェイズでブレーキが掛かり、頓挫しては何にもなりません。 新型コロナの感染拡大が始まってから状況が刻々と変化する中で、各校はそれぞれの対策を講じていますが、多くの…
新型コロナが教育現場を取り巻く環境にもたらした様々な変化に、生徒や保護者は大きな不安を抱えています。緊急事態宣言が解除され、一時の切迫した状態は脱したかのように思われますが、今後も状況は刻々と変化するでしょうし、そのたびに新たな不安が生まれます。 その不安に対して、自分が/我が子が通う学校がどんな答え/解決策を提示してくれるか、生徒と保護者は強い関心と期待を向けています。 ❏ 学校が導いた解をタイ…
臨時休校が終わり、学校が再開されました。新しい生活様式への転換が求められる中、昨年度末に描いていた2020年の学校像にも大きな変更が余儀なくされたと思いますが、そんな状況だからこそ、改めて「様々な制限がある中でどんな学校を目指すのか」「どうやって新しい学力観での学びを実現していくか」を示す必要があると考えます。校内外のステークホルダーも多くの不安を抱えています。この先にある新たな学校像/目指すべき…
授業ごとに/単元ごとにターゲットとなる問いや課題を設定するのは、教室での対面で行う学習活動と、それ以外の場で獲得させるものを切り分けることで限られた授業時間を効率良く活かすための方策の一つになるのは、別稿で申し上げた通りです。 そうしてデザインした授業をワンステップずつ確実に進めて行くには、前稿のように、ターゲット設問を分割した小さな問いで要所ごとにそこまでの理解を確認していく必要があります。 …