月: 2019年7月

問答を通じて論理性を養う(その3)

問答を通じた論理性・思考力の涵養は、すべての科目を選ぶことなく学ばせられる高校のうちにこそ推し進めたいところ。様々なジャンルを対象に思考の訓練を重ねた方が、より汎用性の高い力が得られます。しかしながら、生徒の思考を引き出しながら問いを重ねようと、ただ発問を増やしてみても、生徒の反応が鈍いままというケースも少なくありません。「正解を言い当てることではなく、自分の考えを言葉にすること自体が求められてい…

問答を通じて論理性を養う(その2)

スクール形式で行う、一見すると講義形式のような授業スタイルでも、頻繁に問いが発せられ、生徒の発言をきちんと拾い上げて次の問いに繋ぐという流れができていれば、生徒の頭を十分にアクティブな状態にすることができます。問いを重ねるということは、思考を掘り下げることであり、また見落としを減らし視座を広げることに繋がっていきます。もちろん、協働性を身につけさせる場では、各地で研究されどんどん開発されている&#…

問答を通じて論理性を養う(その1)

生徒に論理性や思考法を身につけさせる最上の方策の一つは、先生との問答(対話)です。問いを投げかけ思考させ、考えたところを言葉にさせることで、思考そのものやその土台となる観察の欠落に気づくことができます。外からの問いによって、それまでの考えを相対化させることは、より合理的な答えに近づくために欠かせないものだと思います。 2015/04/22 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 考え方そのものを身…

学びの重なりを上手に利用したコンパクトな学校経営

学校は様々な教育活動の集合体として成り立っていますが、相補関係を考慮しないで個々の教育活動を設計すると、部分最適化は図られても、リソースの最適配分という視点が欠落することもあります。新たな要請に応えて足し算(増築)を繰り返し、教育活動を膨らませていくばかりでは、リソースの枯渇は免れません。積み上げてきたものを振り返り、その先を描く中で、新しいものに置き換えるのが好適か、以前からのものを磨き上げるべ…

効果測定とスクラップ&ビルド(教育資源の最適配分)

高大接続改革と次期学習指導要領への対応の中で様々な新しい教育活動が採り入れられていますが、これまで作り上げてきた教育活動に「足し算」していくだけでは、限りある教育リソースが枯渇するのは火を見るより明らかです。以前から行われていることや新しく取り入れてみたことは一つひとつきちんと効果測定を行い、効果のないもの/費用対効果に劣るものを取り止める「引き算」の発想も必要です。残すものと取り止めるものの選別…

業務の無駄を省く~現場レベルで可能なコストカット

先生方の多忙はもはや限度を超えており、業務の削減と効率化は先送りできない課題の一つです。多忙の原因には、制度改革を必要とする構造的なものと、現場レベルでの仕事の進め方しだいで解消を図りえるものとがあります。構造的な問題の改善を急がなければならないのは当然として、同時に、日々の教育活動に改善の余地がないかを洗い出し、ひとつひとつ片づけていきたいところです。制度改革で構造的な問題に解決の筋道がついても…