月: 2018年11月

指導方法の効果測定#3 ポートフォリオの記録を利用

補習に参加した生徒としなかった生徒、ある課題に真剣に取り組んだ生徒と仕上げ切らずに形だけ整えて提出しただけの生徒。残念ではありますが、せっかく指導場面を用意しても、有効に利用してくれた生徒とそうでない生徒とがいるものです。これらの生徒を一緒くたにして、集団としての成績や行動などの変化を見ても、その課題や指導がどのくらいの効果をあげたか判断がつきません。両者を分けてデータを分析することが、次につなが…

指導方法の効果測定#2 定性的な指導目標の場合

教育活動の効果を測定すべきものは、テストの点で数値化できるタイプの目標だけではありません。協働性、多様性、主体性といった第三の学力要素に含まれるものの獲得を目指した指導もルーブリックなど様々な評価方法を組み合わせて多面的にその効果を測定する必要があります。効果測定なしには、指導方法の妥当性にも自信が持てず、取捨選択の判断がつきません。続けていいものかどうか確かな手応えがないまま生徒を巻き込んで進め…

指導方法の効果測定#1 平均値の変化だけでは…

新しい学力観に沿った学ばせ方への転換を図ろうとするとき、最初に考えるべきことは、「どのような方法で」ではなく、「何を目指して」であり、「どうやって目標の達成を検証するか」もまた指導方法の議論に先行して決めておくべきことだと思います。新しい道具やシステムが導入されれば、それらを使ってできることは増えますが、目標の達成にどれだけ寄与するかを視点にきちんと取捨選択をしないと、道具を使うことが自己目的化し…

指導方法の効果測定 #INDEX

別稿「勘に頼らず、データに偏り過ぎず」でも書いた通り、新しい学力観に沿って学ばせ方の更新を測る必要がある中、新たに採り入れた手法はきちんと効果を測定し、成果を検証していく必要があります。教育資源の最適配分は学校経営の重要課題ですが、その判断を勘に頼るわけにもいきません。エビデンスに基づいた判断が求められます。また、効果測定は、理解者と賛同者を増やすためでもあります。どれほど強い信念を持って取り組ん…

大学入学共通テストで求められる読解力

週末に大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)が行われました。新聞などで報道が出ていますが、出題内容や記述問題の採点基準は、早めに目を通しておきたいところです。求められる学力観の変化を捉えて教室での学ばせ方の転換を図るのに早すぎるということはありません。 大学入学共通テスト平成30年度試行調査_問題、正解等 私自身、まだ一部の問題しか解き終えていませんが、膨大なテクストを素早く読み取り、情報を集…

ポートフォリオの円滑な導入と効果的な活用に向けて

高大接続改革に向けてポートフォリオの導入が始まっています。プラットフォームは様々な事業者や機関が提供しているものの、使う側である高校では運用方法について試行錯誤が続いている段階のようです。大学がどんなデータを求めてくるかはっきりしないので運用方法の検討を進められずにいるとの声も方々で聞かれます。しかしながら、ポートフォリオは学習者の自己認識を深めさせて主体的に学ばせることを目的に考案されたツールで…

学校広報におけるSNSの利用

Twitterを学校広報に利用する学校は着実に増えていますが、使い方は、各学校でまちまちです。緊急連絡用に在校生向けに限った運用をしている学校もあれば、生徒募集活動をメインにしている学校もある一方で、地域の方や保護者を含めたステークホルダーとの良好な関係を結ぶ意図が感じられる運用も見かけます。何を目的に(≒誰をターゲットに)SNSを活用するかは、学校の広報戦略しだいですが、目的に照らして好ましい内…