予習・復習、課題のあり方
新しい学力観にそった授業と家庭学習の再設計
予習・復習、課題のあり方
1 予習・復習で何をさせるか~目的とタスクのデザイン 1.1 予復習に課すタスクで”教室の学び”を最適化 ★1.2 予習の目的と課すべきタスクの考え方 ・次回の予習ができる状態を作って授業を終える1.3 復習の目的と課すべきタスクの考え方 ・復習は間隔をおいた”重ね塗り”で(前・後編)1.4 予復習のデザインに加えて、履行率を高める工夫を1.5 学ばせ方の転換で、家庭学習の…
自由研究/課題研究は狙い通りの成果を得たか?
夏休みが始まって間もないのに「何、このタイトル?」と思われたかもしれませんが、タイトルの問いは、先生方がお盆過ぎに思い浮かべたのでは遅すぎかも。与えた課題の効果を測定するには準備も必要。当然ながら時間もかかるので、今のうちにスタートした方が良さそうです。夏休み中に取り組ませるタスク(宿題)は既に提示しているはず。履行にかかる時間を生徒に投じさせる以上、所期の成果が得られたかどうかは、タスクを与えた…
夏休みの過ごさせ方を振り返って、来期の指導設計
別稿「自由研究/課題研究は狙い通りの成果を得たか?」では、長期の休みに課される自由研究、課題研究について考えてみました。各教科で課した宿題・課題も、所期の成果が得られたか2学期の初めにはきちんと検証をしたいもの。夏休みに開設した講習・補習も同様です。夏の間に行った指導や取り組ませた課題の成果を確かめないことには、2学期からの指導の起点を正しく定めることもできませんし、来年度の指導計画を「今年の課題…
ひとつの課題から複線的なハードルを作る
やりきらずに放置してきたことを仕上げさせる
夏休みを迎える生徒に、今のうちに投げかけて考えさせておきたいことの一つは「1学期中にやり残してきたことはないか」です。夏休みは、やり残しに向き合い、きちんと仕上げ直す、かけがえのない機会です。英語の語彙増強(単熟語の暗記)といった単純なタスクも、先生が小テストまで行いペースを作ってくれたのに、十分に取り組めていなかったり、自分で立てた受験勉強の計画にも遅延が膨らんでいたりと、生徒一人ひとりに様々な…
予復習に課すタスクで”教室の学び”を最適化
原因から考える家庭学習時間の延伸策 #INDEX
家庭学習は、新しい学力観の下、教室でしかできない学びの充実を図るためにも、しっかりとその習慣を形成したいものですが、指導を重ねても、容易には思った通りの成果(家庭学習時間の延伸)が出ません。授業外で個々に行う「学びの準備や仕上げ」に生徒が十分な取り組みを見せてくれないことの背景には、様々な理由があるはずです。その一つひとつに応じた、適切な対策を取ることで、成果に結びつけましょう。履行率を高めるべく…
家庭学習の習慣化を妨げるもの~原因から考える対処 #3
家庭学習の充実を妨げる「生徒が家庭学習に十分な取り組みを見せてくれない理由」を5つに大別し、その4つを前々稿、前稿の2回に分けて考えてきました。本稿は、最後に残った5番目、「家庭学習に取り組む喜びが見いだせない(達成や自分の進歩の実感なし)」を考えます。もしかしたら、家庭学習の延伸や習慣化にブレーキを掛けている最大の要因は、本稿で取り上げるものかも。家庭学習のタスクには、達成感を得たり、自分の進歩…
家庭学習の習慣化を妨げるもの~原因から考える対処 #2
家庭学習の習慣作りに向けて指導では、「なぜ家庭学習が根付かないのか」を考え、阻害要因を一つひとつ取り除いていく必要があります。前稿では、以下の5つを想定した上で、最初の2つについて考えてみました。引き続き、3番目以降の原因について考えていきたいと思います。1.やろうと思ってもできない(生徒側のレディネスが整っていない) 2.やるべきことが明確になっていない(指示が曖昧、具体性を欠く) ───以…
家庭学習の習慣化を妨げるもの~原因から考える対処 #1
家庭学習の習慣の形成と維持は、程度の差こそあれ、どの学校でも課題にあがり、様々な対策が講じられてきましたが、成果が十分に上がっているケースばかりではなさそうです。お題目のように「一日あたり2時間の家庭学習!」を繰り返す声がけだけで、その目標をクリアできたとの話は聞いたことがありません。宿題を増やすことで学習時間の延伸を図るという戦略も、往々にして、こなしきれずに手を付けない生徒が増えるだけになりが…
次回の予習ができる状態を作って授業を終える
予習というと「次の授業で新たに学ぶことに生徒が自力で理解を試み、学びの土台を整えたり、疑問点を洗い出したりすること」と捉えるのが一般的ですが、それが上手くいくケースばかりではありません。生徒が自力でできることには、小さからぬ個人差があり、十分な策を講じることなく「生徒任せ」にしては、次の授業を始めるのにスタートがバラバラになります。発走地点に到着していない生徒も続出でしょう。その日の授業に向けた「…
解いたことで成長ができる問題こそが"良問"
どんな問いを立てるかは授業デザインの要。導入フェイズでそれを示して学習目標を認識させるにも、学んだ後でその答えを仕上げることで学びをより深く確かなものにするにも、問いの役割は小さくありません。予習に取り組ませるときも、範囲を指定して「予習しておきなさい」と指示するだけのときと、指定範囲をしっかり勉強すれば答えられる問いが用意され、その答えを作るために教科書や参考書に当たるのとでは、学びの質に大きな…
入試問題を授業の教材に使うときに
現行課程への移行を経て、新しい学力観を取り入れた出題も、意欲的な大学・学部では広く見られるようになっています。完成年度を迎え、現課程での最初の入試も終わりましたが、暫くは大学入試問題ウォッチに一層の力を入れて、新しい学力観の下での学ばせ方を模索すべきです。出題研究を通して”問い方”を学ぶ ことは、先生方ご自身の持つ学力観を更新するのに代えがたい機会のひとつですし、「問いの立…
年度末に行うべき、模試・考査のやり直し
年度末を迎え、進級を間近に控える1年生、2年生には、ゼロ学期のうちに是非ともやっておいてもらいたいことが幾つかあります。その一つが「これまでに受験した模擬試験と定期考査のやり直し」です。ちなみに、最上級生になる2年生に限れば、志望理由を言葉にしてみること(第一志望宣言)にもきちんと取り組んでもらいましょう。 2018/02/21 公開の記事をアップデートしました。 ❏ 一定の時間を経たところで「学…
春休みの宿題~やるべきものを選ばせる
副教材、こなしきれていますか?
生徒の進路希望を叶えさせてあげたいとの思いが強くなるほど、「学ばせたい」ことが増えるもの。教科書以外の教材群(副教材やプリント)が「これでもか!」といわんばかりに膨らんでいく傾向があります。目標大学の合格には、これもやらなければ、あっちも削れないと思えてしまいがちですが、その熱意(あるいは不安)に押されて、容量超過を常態化させては、学びに向かう姿勢にも好ましくない影響があります。そもそも、荷物を増…
小テストをもっと効果的に #INDEX
授業で学んだことをしっかり定着させることを意図して行う小テスト。授業で習って、復習で覚えて、テスト用紙に再現して…と、最低3回は対象知識への接触機会が持てますので、再記銘も進みます。また、覚える練習、思い出す練習は、記憶力そのものを鍛えるのにも欠かせません。知識の定着に加え、学習に必要なスキル/能力を得ていることにもなります。(cf. 新しい学びの中で「覚える力」が持つ意義)しかしながら、短時間で…
小テストをもっと効果的に(その2)
小テストは、知識の定着を促すには有効な手段の一つになり得るのは確かです。「思い出す練習」を重ねることは、知識を想起しやすいものに変えていく効果も備えますし、覚える力の向上も図れるでしょう。しかしながら、そうした効果も、生徒が目的意識をしっかり持って小テストに臨み、きちんと覚える努力を重ねてこそ得られるもの。手を抜く生徒にどうやってやる気にさせるかという別の問題もあります。また、小テストへの取り組み…





