学習効果への寄与度が通例と外れる/偏りがある場合
この夏も各地の学校で行われた授業評価アンケートのデータが続々と届き、その分析に取り組む毎日を過ごしています。アンケートのご利用をいただきました学校には、心より御礼を申し上げます。さて、別稿「授業評価アンケートの分析に用いる様々な手法」でもお伝えしましたが、アンケートのデータを分析するときには、目的変数とする項目(授業評価の場合は「学習効果」です)を選び、他の項目からの寄与度を重回帰分析という手法で…
当オフィスは、各地の学校で授業力向上や教育改善・学校改革のお手伝いをしています。
この夏も各地の学校で行われた授業評価アンケートのデータが続々と届き、その分析に取り組む毎日を過ごしています。アンケートのご利用をいただきました学校には、心より御礼を申し上げます。さて、別稿「授業評価アンケートの分析に用いる様々な手法」でもお伝えしましたが、アンケートのデータを分析するときには、目的変数とする項目(授業評価の場合は「学習効果」です)を選び、他の項目からの寄与度を重回帰分析という手法で…
進級後の学びを視野に、学びへの自己効力感を生徒がどのくらい持っているか、この時期に確認をしておく必要があろうかと思います。どのフェイズでも、「学び」はそれまでに身につけてきたものを土台に積み重ねるもの。既習内容の理解と定着が不可欠なのは言うまでもありませんが、それと同等以上に重要なのが「学びへの自己効力感」です。 ❏ 学力向上感などを尋ねるアンケートの結果を参考に 年末(11月~12月)に、生徒に…
高校でも新課程での指導が始まります。活動の配列/授業デザイン(=学ばせ方)のみならず、評価(=効果測定)の方法も、新しい学力観に沿ったものに切り替えていく必要があるのは言うまでもありません。既に十分な準備がなされているはずですが、新年度を迎えて、これまで準備してきたことを実際の教室で試して、想定通りにうまく機能するか点検をしながら、必要な修正を重ねていくフェイズに移りました。 新しい学力観の下での…
新型コロナ対応が拍車をかけ、一人一台端末の環境整備(外部リンク)が急速に進みました。教室でできることは大きく増え、コミュニケーション・ツールとしてのICTは大いに活用していきたいところです。新年度を迎えるにあたり、各地の学校での端末活用をお尋ねしてみたところ、意欲的な取り組みの数々が(新しい環境への多少の戸惑いとともに)見られます。今後、各校の実践に学べることが沢山ありそうです。学習(教科、進路、…
生徒による授業評価アンケートは、「より良い授業の実現/授業改善」を目的に、現状の把握と課題形成を図り、これまで重ねてきた改善行動の効果を測定するためのものです。喩えるならば、健康の維持と増進を目的とした場合の「定期健診」と同じような位置づけでしょうか。この目的のためにアンケートの結果を有効に活用できるかどうかのカギは「質問設計(評価項目と質問文)」と「集計方法」にあります。 2017年03月16日…
同じ教材を使って同じように教えているのに、模試や考査での成績分布に違いが出たり、授業評価アンケートの集計結果がクラスごとに大きく違ったりすることも珍しくありません。学習者がこれまでに身につけてきた「学び方」と、先生方が授業で実践している「学ばせ方」のマッチングの度合いによって生じた違いです。テストなどの成績、観察を通した行動評価やアンケートの集計結果、ポートフォリオに残った様々なログなどを手掛かり…
授業のあり方について先生方が真剣に且つ楽しく話し合え、授業改善に建設的に取り組める協働の「環境」があれば、先生方の授業力、学校の教育力は着実に高まっていくものと考えます。ここで言う「環境」には、教育目標がきちんと共有され、それに基づく率直な意見交換ができる雰囲気にあることももちろんですが、既に校内に存在している優れた実践の所在を知るための「ツール」や、多忙の中でも知見の共有を図れる「研修手法」の存…
模試や考査での成績、行動評価の記録、授業評価アンケートの集計結果といった「指導効果や学びの状況に関するデータ」を使って優れた成果を残した実践の所在を特定し、そこでの手法を互いに学ぶことが、学校/教科全体での授業改善を確実でスピーディーなものにします。前稿では、どのようにデータを使って優良実践の所在を知るか、その授業を担当する先生からどのように効率的に発信をしてもらうかに触れましたが、本稿はその次の…