三度めの緊急事態宣言~分散登校、リモート学習への備え

東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言が発出されることになりますが、都立高校などでは分散登校を実施し、自宅でのオンライン授業と組み合わせて、通学する生徒を減らす方針とのこと。
期間が大型連休と重なるため、実質的に影響を受ける授業日数はそれほど多くならずに済むかもしれませんが、感染拡大が収まらず、他の地域にも緊急事態宣言の対象が広がっていく可能性も否定できません。
ここでもう一度、リモート指導の在り方について昨年度の反省と課題、対面授業が再開されるまでの期間に先生方の工夫と努力で生まれた成果をしっかり整理して、共有し直しておく必要があるように思います。
その頃に起こした記事は以下のページにまとめました。先生方が実践の中で作り上げられた指導ノウハウには及ぶべくもありませんが、反省と課題、成果の整理の場面でわずかでもお役に立てば幸甚です。

新しい生活様式のもとでの学習指導(まとめページ)

とりわけ、以下の記事で触れたことは押さえておくべきかと思います。

  1. 休校期間中の自学自習をより確かなものにするために

    ユニットごとに明確な到達目標(=解くべき課題)
    必達課題、上位課題、挑戦課題で複線的ゴール
    見通しをもって学びに向かわせる
    目が届かないからこそ、振り返りの結果を把握

  2. リモート学習の可能性と十分な成果を得るための前提要件

    読んで理解し、思考を表現する要素を備えた課題
    日頃の授業で「自力で学ぶ力」を養っておく必要性
    リモート環境でいかに「対話的な学び」を作るか

  3. 対面以外の環境で実現する対話的な学び

    対話の拡充を図ることで目的とするところ
    文字を介した間接的な対話
    どうしても自力で解明できないことは友達や先生に
    それぞれが作った答えをシェアして

  4. 教室でしかできない学びを充実~問いを軸に授業を設計

    学びの中核を問う「ターゲット設問」を用意
    答えを作るのに必要な知識・理解などを抽出
    それぞれの獲得に相応しい学習活動を選択
    教室での対面指導以外で行えるものは個人のタスクに

  5. 動画で授業を完結しない~授業を構成するパーツとして

    複数のツールを組み合わせて授業を構成
    授業動画は一方通行になりがち、対話を作れない
    動画をパーツとして利用し、効率良く授業を構成
    理解度の確認と生徒の答案のシェア

  6. 追伸。 先生方がこんなに大変なときに、誠に申し訳なく思いますが、当オフィスは4月29日から5月5日までの業務をお休みさせていただき、当該期間はブログの更新も停止いたします。

    教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一