次期学習指導要領は、平成32年に小学校で、平成33年に中学校で全面導入され、高校では平成34年度から年次進行で実施予定とされています。平成32年度からはセンター試験に代わる新テストが実施されるなど、今後数年間は様々な変革への対応に迫られることになりそうです。
二度手間を防ぐには、正式な発表を待つのが得策ですが、かといって座して待っているだけでは後手を踏むリスクばかりが増えそうです。
平成29年度
最初に対応しなければならないのは、新テストを最初に受けることになる現中2を迎え入れる際の生徒募集でしょうか。
この学年は、来年度は中3となり、学校説明会に保護者と一緒にやってきます。生徒はともかく保護者は我が子が受ける大学受験に大きな関心を向けているはずです。
ちょうど、平成29年の初頭には、新テストの概要が正式に発表される予定であり、報道等に触れて関心を高めていることは必至と思われます。
説明会等に来訪したとき、新しいテストに学校がどのような対応を取ってくれるかは一大関心事となっている以上、きちんとした方針を示すことが求められます。
となると、今年度中に校内での議論を進めて態勢づくりの準備に着手できるかどうかは大問題です。
平成30年度
その次の年は、次期学習指導要領の全面実施を中3で経験し、新課程対応の「高大接続改革第2弾」 に臨む生徒が小6となります。
中学校を併設する学校や中等教育学校で、学校説明会においてどんなメッセージを出すかがポイントになる年度ということになりそうです。
当然ながら、前期課程/付属中学での教育は、それ自体の目的を達すると同時に、後期課程/高校に進んでからの学習が必要とする学習方策や学ぶ意欲を養っておくことが肝心要。
となれば、後期課程/高校での学習を明確にイメージし直しておかなければならないということです。
29年度には、当該年度初頭の発表を待って遅滞なく動き出せるようにしておく必要があり、前倒しできることは今年度中にできるだけ進めておきたいところです。
こうしてみると、2020年度の対応は、まさに今、2016年の動き方しだいで多少なりとも違ったものになるような気がします。
むやみに焦る必要もないと思いますが、予定を見据えて心づもりをしている場合と、そうでない場合とでは、あとになっての慌ただしさも違ってきそうです。
また、中学校、高校での改定内容だけでなく、小学校や中学校で生徒たちが何をどう学んできたかにも関心を向けておかないと、接続を考慮した指導計画は立てられません。
■ご参考記事:
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